魔法で子猫になった第一王子の婚約者選び

三毛猫

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リノラの恋

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 ーー ルーベルト視点 ーー

「ビビ!大丈夫か!」
突然ビビの部屋に入ってきた青年。

「お兄様。ビビは大丈夫です」

「倒れたと聞いて急いで帰ってきたよ」

「ビビの兄のジルド。こちらはルーベルト殿下とリノラ嬢」

「ルーベルト殿下!?」

グラントはジルドに私とリノラのことを説明した。

「そうでしたか。ところで父上、御二方に館のご案内は?」

「まだだ」

「私が案内しましょう」

ジルドは爽やかな好青年だ。元気が良くハキハキと喋っている様子。

私はリノラに持たれながらジルドと館の中を歩く。

「リノラ様は王都出身ですか?」

「はい。王都の平民街出身です」

「王都は広いですからねー。一度行ってみたい。もし行く機会があれば案内してくれますか?」

「え、ええ。ジルド様はビビ様のように私を平民だという目で・・・」

「ビビがまた何か失礼な事をしましたか?私は身分社会というのは嫌いです。身分があるから友達や恋人になれないこともある。そんな制度が大嫌いです」

「素敵な考えですね」

(あれ?リノラの顔が明るくて目が輝いている)

その後も楽しく談笑する二人の間で私はモヤモヤした感情が抑え切れなくなり、遂にジルドの指をガブリと噛んでしまった。

「いたっ!」

「えっ!殿下どうして!?」

慌てるリノラ。一方、ジルドは大丈夫ですと平気な顔をして少し出血した指を水場で洗って回復薬で治療した。回復薬を指に掛けると即座に傷は消えた。

「本当にごめんなさい」

リノラはジルドに頭を下げて謝っていた。
私も反省しているがまだモヤモヤとしている。


晩御飯後、部屋に案内されリノラと二人きりになった。

リノラは私になぜジルドを噛んだのか問い詰めてきた。
私は紙に「ジルドが好きなのか?」と書いた。

「どうしてそのようなことを聞くのですか?」という返事に
「楽しそうに話していたから」と書いて答えた。

するとリノラはスラスラと紙に文字を書いて私に見せた。
「私は今でも殿下の婚約者候補です」と書いてあった。

その言葉を見た瞬間、私の小さな心臓は早打ちした。胸が苦しい。

私はバタバタと足を動かし悶えた。

「ルミィ!殿下!」

リノラの声が遠くなる。
やがて気を失った。
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