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CHAPTER 15
しおりを挟む星岬技術研究所 本部棟20階 展望レストラン「ダンデライオン」深夜営業中
ども、ターニャです。日付が変わって幾らか経ちました。時刻は午前2時を回ったところです。
普段であれば既に寝ている時間ですが、今夜は興奮して眠れません!
そこでこのオレが少々なりとこの祝宴のレポートなんぞしてみようと思った次第です。
早速ですが親父(星岬)は開宴直後に注文したスムージーを未だ飲み切っていない様子。ボディーに内蔵した生体部品の維持にしか栄養補給を必要としない為か?もしかしたらこの宴席は有難迷惑だったかもしれない・・・いや、そんなことは無い!と、信じたい。本当のところはどうなのか、聞いてみ(゚Д゚;)とても訊ける感じではありませんでした。
次に邦哉、! ダルマです! いつの間にやらSONTORY OLDをロックでやっていた!? しかも、ソコに見えるは…枝豆だー!オレだったらバケツで食べたい!え?いいの?オニーサン枝豆追加、バケツで持ってきて?!
そして姐御。ウトウトています。それにしてもよく食べました。空いた皿が積みあがっています。お?何か言ってますが、良く聞こえません。何を言っているのでしょうか?え??
でっかい“おむすび”いただきます。?!
いたたたたたたた、痛い痛い痛い! 噛まれました。姐御は寝こけてるとき要注意です。
さて、オレはというと、サトウキビの後はフルーツの盛り合わせにハマってました。
簡単ではありますが、以上になります。
またお会いしましょう。
ターニャでした。
「おい、ターニャ、起きろ!」
明日もある事だし、そろそろお開きにする事にした。
ダメだ、全っ然起きない。サーディアは肩をすくめた。
「私が見ていよう、今日はありがとう。」星岬は座したまま礼を言うとキシュッと小さな音をたてながら正位置に戻ると動かなくなった。
星岬は本当に機械になってしまったのだな。望みが叶ってよかったな。邦哉はそう思うと同時に別の思いも持っていた。それはとても自分寄りの考えであり、ヒトの尊厳をないがしろにする考えであった。そう、これでお前も死とは無縁の存在となったのだ、と。
星岬技術研究所南研究棟2階 開発主任室(兼紀伊邦哉自室)
邦哉は見るからに開いた口が塞がらないといったふうでドアが外れている入り口で呆然と立ち尽くしていた。
そうだった、このヒトがこの部屋に戻るのは騒動後これが初めてだった。
ガタガタブルブルとぎこちない動きで室内に入って行くと、壊れて散らばった機材の中からチカチカと赤いランプの点滅が始まったのに気が付いた。なんだ?と眼の前のひと塊を注視する。2体のロボットが針金で縛られていた。特に問題がなさそうなので放置する事にした。愛用のPCは?
ぺったんこに潰れてしまっているのを発見したがもうどうしようもなかった。
邦哉は震える身体に鞭打って部屋の一番奥、窓際の柱まで行くと、柱に備え付けの鍵付きの小箱を開けた。そこに収まっているグリップを掴んで引っ張った。姿を現したカードリーダーに社員証を読み込ませて、光り出したボタンをためらわず押した。
傍に突っ立っていたサーディアの腰に手を延ばして引き寄せる。サーディアが驚いてビンタの態勢に入ったその時、天井からボーリングのピンを払う機械と同様のもっと大きなバーが降りてきた。邦哉とサーディア、寄り添う二人のギリギリをやり過ごして部屋の中のもの全てをひと舐めで片付けると、ボーリングのピンが揃って出てくるように今迄通りの室内備品がセットされて降りてきた。
「邦哉、邦哉!」
はっ! 自分はいったい・・・?
どうやら自分は、途中から夢をみていたらしい。
現実は、この散らかった部屋が正解のようだ。
散乱している備品をかき分けていつも使っていた椅子を掘り出すと、さっきから傍らで自分を見上げているサーディアに勧める。
サーディアは黙って首を横に振ると、手を引いて邦哉を座らせた。
はぁ・・・と、溜息をついた邦哉は、うつむくと動かなくなった。
サーディアは邦哉の正面に立つと、彼の頭をそっと引き寄せ髪をなでた。
しばらくして顔を上げた邦哉は、散らかった部屋の中からモニターとPCを拾い上げるとつなぎ直して電源を入れた。愛用品はぺったんこにされてしまったので諦めるしかなかった。
「どう?」サーディアが尋ねた。
「とりあえず使えるってところかな。そうだ、後でそのヒューマノイド・デバイスの制御状況のデータを取らせてくれないか」邦哉がいつもの感じで作業依頼をしてくる。
そんな些細な事が嬉しくて、サーディアは喜んでOKした。
「ねぇ邦哉、今からでもデータ収集、する?」そういうとサーディアは服を脱ぎ始めた。
時刻は朝の4時を過ぎたばかりであった。
こぼれ話:
劇中に於いて、酒の表記が“SONTORY OLD”とありますが、ネタですから誤解のないようにお願い致します。
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