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プロローグ
アホ男と弟分
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「まずは人から感謝される事。そうすることで「感謝の結晶」が手に入る。
それを使えばその相手に変身できる。使おうとすれば自分以外にも使えるよ。
…とまあ簡潔に言えばそんな所だ。実際の所細かい話が沢山あるのだが」
尊敬する師、テリオンの言葉を思い返しながら、フォーゼはにやけた。
さぞや気持ちの悪い顔になっているだろう、と頭の片隅で思いつつ終いには含み笑いまで漏れ出た。
「変身能力」。他人に変身する力。
まさに夢の能力である。可愛い子に変身して自らのおっぱいを揉むという事しか今は考えつかないが
使いこなし、余裕が出てきたらエ〇エロ、では無く色々な事が思いつくだろう。
未だ触った事も無いおっぱいの感触を想像し、増々にやけ顔が気持ち悪くなる。
怖い。180を超える大柄の男が一人で笑っているのは下手な魔物より怖い。
しかも下心からの笑いとくれば魔王もかくや、と言った所だろう。
「さーて、感謝ねえ。恨みなら一杯買ってそうだが、感謝…」
都合八年間に渡る学校生活を思い返してみる。しかし何をどうほじくった所で
自分に感謝を向けてる女の子の存在は思い当たらなかった。
何しろ入学式初日に大遅刻をしてからこの方、同級生より生活指導の先生方と話すことの方が
多かったという筋金入りの問題児である。尤もそのおかげでテリオン先生との縁が出来たのだし
後悔する所は何もないが、そんな問題児に感謝どころか好感を持つ女の子などいる訳がない。
いる訳無いのに過信・軽率な性格が災いしてか手当たり次第にナンパをしてきた経歴上、
恨みを持たれていることは大いにあり得る事である。
男になら俗念が絡まない分あまり嫌われることは無いんだがな、と思ったところで
一人の少年の顔が頭に浮かぶ。
「常日頃面倒を見てやってる舎弟のレオ…ううん、アイツに変身するのも面白味は無いが。
とりあえず行ってみよう」
弟分のレオは姉と兄が両方兵士であり、その仕送りで一人暮らしをしていた。
フォーゼが魔術師学校を結局卒業できずに退学し、先生と共に村に戻ってきたのが2年前。
その時点でまだ10歳になりたてだったレオは面倒を見てくれる年長者を、
無念の退学(4留8年目)により人間関係がリセットされたフォーゼは手ごろな遊び相手を求めており、
このような二人が兄弟分となるのは自然の流れだった。
小さな村の中の事なので、しばらく歩くとすぐに彼の家についた。何せ一人暮らしであるから遠慮はいらない。
考えてみれば「変身能力」という異能の力を試すのにもってこいである。
「レオ、いるかー?」
「あれ、兄貴。俺の家に来るなんて珍しいね」
早速家の中に入り手をプラプラと振りながら呼びかけると、レオは椅子から立ちもせずに出迎えた。
急に乗り込んでいってもあっさり受け入れられるのは兄弟の気楽さであろう。その勢いで本題に入る。
「レオ、お前俺に感謝してるか?」
「へっ?」
余程思いがけなかったのか、レオは素っ頓狂な声をあげて固まった。しばらく考えるようなそぶりをした後、
困ったような顔をしてつぶやいた。
「……兄貴、金ならねえよ」
心外である。この弟分は兄貴分の事を何だと思っているのだろうか。
「魔術師学院を4年留年した挙句に退学、んで今はマトモな稼ぎも無いのに
その時代の恩師に義理を果たしてるウダツの上がらない甲斐性無し……」
散々な言われようだが、何が恐ろしいかと言ってこの罵倒の如き評価でも
若干過大に評価されてるのである。
彼の述べる所の「マトモな稼ぎ」とはつまる所テリオン先生から手伝いの駄賃に貰う小遣いであり
恩師に義理を果たしてるのではなく恩師に養われてるのである。
無論、このような恥をあえて晒す気も無いのであえて怒っておく。
「てめっ、メルみたいな事言いやがって…アイツは実の妹だが、俺はお前の事をそれ以上に家族だと…」
「冗談だって、兄貴。でもさ、急に感謝がどうとか言い出すからだぜ。何の話?」
カクカクシカジカと、かいつまんで説明する。レオは育ちの分大人びていて、余り驚いたりしない方だが
流石に「変身能力」については半信半疑ながら驚いているようだった。
「てな訳で一番俺に感謝してそうなお前の所に来た。どうだ、感謝」
「いや、そりゃあ感謝してる…してるけど」
してるんだ、と言いかけた所を飲み込み、レオの肩を叩きながら笑う。
「そーだろうそーだろう。では………」
ごくり、と息をのむレオの目を正面から見つめ、しばらく考えてフォーゼはぽつりとつぶやいた。
「どうするんだ?」
「俺に分かる訳無いじゃんか…」
感謝される。感謝の結晶なるものが手に入る。それを使うと変身。動作を思い返してみるが
具体的に何をすればよいのかはわからない。
まず結晶とは物なのか魔力の塊的なアレなのか、それすらも分からないのである。
弟分の向ける目が着実に冷たくなっていくのに気づかぬまま、もう一回先生の所に聞きに帰ろうかナ、
などとフォーゼが思っていると、玄関が突如開き、一人の少女が家の中に入ってきた。
そう、少女である。客が男であればこの家の家主の如く厚かましく挨拶の一つでも
しようと思っていたが、見知らぬ少女、それもかなりレベルの高い美少女ともなると
ナンパするか告白するかの二択しかない。彼の人生経験に基づく俗な思考回路は
即座にそう考えたが、流石に弟分の家の客人に開口一番ナンパは無いだろう、と自重し
その少女を目先で追うだけにとどめた。
小柄であるが幼さは感じない。レオと同じ黄色の髪は短いながら綺麗に纏められていて、
キリっと引き締まった顔と共に真面目な雰囲気を感じさせる。
しかし目すべきはその躰である。腕も、足も、お尻も、そして勿論おっぱいも
彼女の小柄な体躯からは想像できない位に成熟していた。
行動を自重した分体は正直な反応を見せる。口中に溢れんばかりに生み出される涎はともかく
下半身の膨張はどうしようか、などと考えた所で少女の可憐な唇が動いた。
「レオ!」
「姉ちゃん!兵士になったらしばらく王都から離れられないって言ってたけど
帰ってこれたの!?」
なんと姉弟である。流石に弟分の姉を取るほど分別無しではないがしかし、こうなると
小柄な体に似つかわしくない胸の膨らみだの、鍛えてありながら柔らかそうな足だの
観察すればするほど出てくる魅力は未練にしかならない。
兄貴分の前ではほとんど見せない屈託ない笑顔を浮かべながら話すレオと姉…シオンの会話を聞くに、
何やらこの近くの川が増水し、その修理のために駆り出されたついでに村に立ち寄ったらしい。
なので長居は出来ない、とシオンが言うとレオはいかにも寂しそうにうつむく。
成程、姉が美形なら弟も確かに美形である。自分に対しては悪態をついたり
あきれ顔を見せるばかりなのでそう意識する事も無いが、あれなら
そのまま女装しても通じるレベルかもしれない。
しかし女装が通じる男よりナマの女の方が良い。フォーゼの目はすでにレオを
捉えてはいなかった。隣の柔らかな体を存分に視姦しつつ、それが彼の粗末な汚物を
刺激しすぎないように、そのような事を考えてたに過ぎない。
とそこで彼女がこちらを振り向いたので慌てて視線を逸らす。
根が正直な分俗念が顔に出る性質の彼だが、幸いシオンは世の中の悪意と言うものを
余り信じない方らしく、にこやかにフォーゼに話しかける。
「貴方がフォーゼさんですね?弟が手紙で貴方の事をよく書いているんですよ」
その弟は世の中の…と言うより兄貴分の悪意と言うものを十二分に
知っているらしく、先ほどからシオンの目に入らない所で全力で睨んでいる。
当然美少女と話している最中、ガキとにらめっこする余裕はない。
シオンの大きな瞳をじっと見つめていると、にこりとほほ笑まれまた下半身が反応する。
が、彼女はふと顔を引き締め、ぺこりと頭を下げる。
「貴方が兄貴分として付き合ってくれているお陰で、弟は寂しさを
感じず、暮らしていけているのだと思います。本当に、ありがとうございます」
彼女への好感と共にいくばくかの申し訳なさを感じる。勿論このようないい娘に対し
下半身で反応してしまっている己の俗物加減もそうだが、実際の所、
気まま暮らしのダメ男が精神年齢の近いガキに絡んで遊んでると言うのが正しい。
「感謝」を向けられるにはあまりに役不足である。
しかし純粋にお礼を言うシオンの手前、あえて言う事もあるまい。ちらりとレオを見ると
したり顔で頷いているのが見えた。恐らく同じことを考えてるに違いない。
ふと、何か違和感を覚える。何か忘れているような感覚。
一度違和感を覚えると、体にも異変が起こっているような気がする。
レオとシオンが話しているのを横目でーー
「まずは人から感謝される事。そうすることで「感謝の結晶」が手に入る。
それを使えばその相手に変身できる」
気づけば、今まで感じた事も無い魔力がそこにあった。使える魔術こそ初歩の初歩「ファイアⅠ」
しかない物の、都合8年テリオンの弟子として一応手伝ってきた彼に分からない魔力と言うのは
普通ではない。つまり。
感謝。「結晶」つまりこれを使えば――
未知の物に対する怖さは無かった。元々が軽率な彼であり、それに世界で
最も信用する先生が言う事である。
瞬間。視界が真っ白にーー
それを使えばその相手に変身できる。使おうとすれば自分以外にも使えるよ。
…とまあ簡潔に言えばそんな所だ。実際の所細かい話が沢山あるのだが」
尊敬する師、テリオンの言葉を思い返しながら、フォーゼはにやけた。
さぞや気持ちの悪い顔になっているだろう、と頭の片隅で思いつつ終いには含み笑いまで漏れ出た。
「変身能力」。他人に変身する力。
まさに夢の能力である。可愛い子に変身して自らのおっぱいを揉むという事しか今は考えつかないが
使いこなし、余裕が出てきたらエ〇エロ、では無く色々な事が思いつくだろう。
未だ触った事も無いおっぱいの感触を想像し、増々にやけ顔が気持ち悪くなる。
怖い。180を超える大柄の男が一人で笑っているのは下手な魔物より怖い。
しかも下心からの笑いとくれば魔王もかくや、と言った所だろう。
「さーて、感謝ねえ。恨みなら一杯買ってそうだが、感謝…」
都合八年間に渡る学校生活を思い返してみる。しかし何をどうほじくった所で
自分に感謝を向けてる女の子の存在は思い当たらなかった。
何しろ入学式初日に大遅刻をしてからこの方、同級生より生活指導の先生方と話すことの方が
多かったという筋金入りの問題児である。尤もそのおかげでテリオン先生との縁が出来たのだし
後悔する所は何もないが、そんな問題児に感謝どころか好感を持つ女の子などいる訳がない。
いる訳無いのに過信・軽率な性格が災いしてか手当たり次第にナンパをしてきた経歴上、
恨みを持たれていることは大いにあり得る事である。
男になら俗念が絡まない分あまり嫌われることは無いんだがな、と思ったところで
一人の少年の顔が頭に浮かぶ。
「常日頃面倒を見てやってる舎弟のレオ…ううん、アイツに変身するのも面白味は無いが。
とりあえず行ってみよう」
弟分のレオは姉と兄が両方兵士であり、その仕送りで一人暮らしをしていた。
フォーゼが魔術師学校を結局卒業できずに退学し、先生と共に村に戻ってきたのが2年前。
その時点でまだ10歳になりたてだったレオは面倒を見てくれる年長者を、
無念の退学(4留8年目)により人間関係がリセットされたフォーゼは手ごろな遊び相手を求めており、
このような二人が兄弟分となるのは自然の流れだった。
小さな村の中の事なので、しばらく歩くとすぐに彼の家についた。何せ一人暮らしであるから遠慮はいらない。
考えてみれば「変身能力」という異能の力を試すのにもってこいである。
「レオ、いるかー?」
「あれ、兄貴。俺の家に来るなんて珍しいね」
早速家の中に入り手をプラプラと振りながら呼びかけると、レオは椅子から立ちもせずに出迎えた。
急に乗り込んでいってもあっさり受け入れられるのは兄弟の気楽さであろう。その勢いで本題に入る。
「レオ、お前俺に感謝してるか?」
「へっ?」
余程思いがけなかったのか、レオは素っ頓狂な声をあげて固まった。しばらく考えるようなそぶりをした後、
困ったような顔をしてつぶやいた。
「……兄貴、金ならねえよ」
心外である。この弟分は兄貴分の事を何だと思っているのだろうか。
「魔術師学院を4年留年した挙句に退学、んで今はマトモな稼ぎも無いのに
その時代の恩師に義理を果たしてるウダツの上がらない甲斐性無し……」
散々な言われようだが、何が恐ろしいかと言ってこの罵倒の如き評価でも
若干過大に評価されてるのである。
彼の述べる所の「マトモな稼ぎ」とはつまる所テリオン先生から手伝いの駄賃に貰う小遣いであり
恩師に義理を果たしてるのではなく恩師に養われてるのである。
無論、このような恥をあえて晒す気も無いのであえて怒っておく。
「てめっ、メルみたいな事言いやがって…アイツは実の妹だが、俺はお前の事をそれ以上に家族だと…」
「冗談だって、兄貴。でもさ、急に感謝がどうとか言い出すからだぜ。何の話?」
カクカクシカジカと、かいつまんで説明する。レオは育ちの分大人びていて、余り驚いたりしない方だが
流石に「変身能力」については半信半疑ながら驚いているようだった。
「てな訳で一番俺に感謝してそうなお前の所に来た。どうだ、感謝」
「いや、そりゃあ感謝してる…してるけど」
してるんだ、と言いかけた所を飲み込み、レオの肩を叩きながら笑う。
「そーだろうそーだろう。では………」
ごくり、と息をのむレオの目を正面から見つめ、しばらく考えてフォーゼはぽつりとつぶやいた。
「どうするんだ?」
「俺に分かる訳無いじゃんか…」
感謝される。感謝の結晶なるものが手に入る。それを使うと変身。動作を思い返してみるが
具体的に何をすればよいのかはわからない。
まず結晶とは物なのか魔力の塊的なアレなのか、それすらも分からないのである。
弟分の向ける目が着実に冷たくなっていくのに気づかぬまま、もう一回先生の所に聞きに帰ろうかナ、
などとフォーゼが思っていると、玄関が突如開き、一人の少女が家の中に入ってきた。
そう、少女である。客が男であればこの家の家主の如く厚かましく挨拶の一つでも
しようと思っていたが、見知らぬ少女、それもかなりレベルの高い美少女ともなると
ナンパするか告白するかの二択しかない。彼の人生経験に基づく俗な思考回路は
即座にそう考えたが、流石に弟分の家の客人に開口一番ナンパは無いだろう、と自重し
その少女を目先で追うだけにとどめた。
小柄であるが幼さは感じない。レオと同じ黄色の髪は短いながら綺麗に纏められていて、
キリっと引き締まった顔と共に真面目な雰囲気を感じさせる。
しかし目すべきはその躰である。腕も、足も、お尻も、そして勿論おっぱいも
彼女の小柄な体躯からは想像できない位に成熟していた。
行動を自重した分体は正直な反応を見せる。口中に溢れんばかりに生み出される涎はともかく
下半身の膨張はどうしようか、などと考えた所で少女の可憐な唇が動いた。
「レオ!」
「姉ちゃん!兵士になったらしばらく王都から離れられないって言ってたけど
帰ってこれたの!?」
なんと姉弟である。流石に弟分の姉を取るほど分別無しではないがしかし、こうなると
小柄な体に似つかわしくない胸の膨らみだの、鍛えてありながら柔らかそうな足だの
観察すればするほど出てくる魅力は未練にしかならない。
兄貴分の前ではほとんど見せない屈託ない笑顔を浮かべながら話すレオと姉…シオンの会話を聞くに、
何やらこの近くの川が増水し、その修理のために駆り出されたついでに村に立ち寄ったらしい。
なので長居は出来ない、とシオンが言うとレオはいかにも寂しそうにうつむく。
成程、姉が美形なら弟も確かに美形である。自分に対しては悪態をついたり
あきれ顔を見せるばかりなのでそう意識する事も無いが、あれなら
そのまま女装しても通じるレベルかもしれない。
しかし女装が通じる男よりナマの女の方が良い。フォーゼの目はすでにレオを
捉えてはいなかった。隣の柔らかな体を存分に視姦しつつ、それが彼の粗末な汚物を
刺激しすぎないように、そのような事を考えてたに過ぎない。
とそこで彼女がこちらを振り向いたので慌てて視線を逸らす。
根が正直な分俗念が顔に出る性質の彼だが、幸いシオンは世の中の悪意と言うものを
余り信じない方らしく、にこやかにフォーゼに話しかける。
「貴方がフォーゼさんですね?弟が手紙で貴方の事をよく書いているんですよ」
その弟は世の中の…と言うより兄貴分の悪意と言うものを十二分に
知っているらしく、先ほどからシオンの目に入らない所で全力で睨んでいる。
当然美少女と話している最中、ガキとにらめっこする余裕はない。
シオンの大きな瞳をじっと見つめていると、にこりとほほ笑まれまた下半身が反応する。
が、彼女はふと顔を引き締め、ぺこりと頭を下げる。
「貴方が兄貴分として付き合ってくれているお陰で、弟は寂しさを
感じず、暮らしていけているのだと思います。本当に、ありがとうございます」
彼女への好感と共にいくばくかの申し訳なさを感じる。勿論このようないい娘に対し
下半身で反応してしまっている己の俗物加減もそうだが、実際の所、
気まま暮らしのダメ男が精神年齢の近いガキに絡んで遊んでると言うのが正しい。
「感謝」を向けられるにはあまりに役不足である。
しかし純粋にお礼を言うシオンの手前、あえて言う事もあるまい。ちらりとレオを見ると
したり顔で頷いているのが見えた。恐らく同じことを考えてるに違いない。
ふと、何か違和感を覚える。何か忘れているような感覚。
一度違和感を覚えると、体にも異変が起こっているような気がする。
レオとシオンが話しているのを横目でーー
「まずは人から感謝される事。そうすることで「感謝の結晶」が手に入る。
それを使えばその相手に変身できる」
気づけば、今まで感じた事も無い魔力がそこにあった。使える魔術こそ初歩の初歩「ファイアⅠ」
しかない物の、都合8年テリオンの弟子として一応手伝ってきた彼に分からない魔力と言うのは
普通ではない。つまり。
感謝。「結晶」つまりこれを使えば――
未知の物に対する怖さは無かった。元々が軽率な彼であり、それに世界で
最も信用する先生が言う事である。
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