ルビアーナの恋

素亭子

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結婚式を挙げた夜、なんだか無駄に体を磨き上げられ、これ、着てる意味ある?みたいな薄々スケスケ?の夜衣を、領主館の本人曰くの出来るメイドに着せられた。
「あの、すいません、私寒がりなんで、もう少し厚手の物の方が・・・」と申し出ると、「ご心配いりません、お部屋は温かくしてありますし、どうせすぐに脱いでしまうものですから」とニッコリされた「はぁ・・?」今一納得できなかったが仕方がない。できるメイドに初夜の支度諸々をしてもらい(恥ずかしい・・)、彼女が出ていった後で、シマエーガから持ってきた厚手のガウンを上にきっちりと羽織ることにした。
夫婦用の寝室は広い。シマエーガの代官屋敷でいうと、お客様を迎える、家の顔ともいうべきリビングくらいの広さがある。いや、それ以上かも・・・。領主館は何もかも立派で、色々此れはすごい!みたいなものがあるので、なんだか考えてしまうことも多い。ホントに私で良かったのかなぁ・・とか、今はこの広さ、暖房費大変だろうなぁ、なんて貧乏くさいことも思ってしまう。ここにきて気が付いたのだが、以外とリンデル(あ!やっと呼べるようになりました・・・。)というのも、2度目に州都に来た後、言われたのだ。「夫を役職で呼ぶ妻はいないよ、今度から間違えたらキスするからね」と・・。ジトっと見返して「人前でもですか?」と尋ねると、耳元で「うん、うんと濃厚なやつね」とおかしそうに言われ、真っ赤になりながら聞かなきゃよかったと思った。それで、そのリンデルは意外と新しいもの好きなのだ。領主館には、ランプの代わりに電球の室内灯がある。何より電話があることにビックリした。なんであんな小さな穴から遠くの人の声がするのかわからないし、とっても便利なものだけど、これ、いくらかかったんだろう?とか根が貧乏性なのでつい考えてしまうのだ。

カチャ・・と音がして顔を上げるとリンデルが寝室に入ってくる。
黒い瞳と黒い髪、未だ少し髪は濡れているようでツヤツヤしていて、明かりの下だと青紫がかっていてとってもきれいだ。「ごめん、待たせたね」髪をガシガシと拭きながら私が腰かけているベッドまでやってきた。
「いえ、わたしもさっき来たばかりです。なんだか支度にかっかてしまって・・」座っているので、下から見上げるように答えると
「支度ね・・」と、くすっと笑われて、失敗した!言わなきゃよかったと思う。なんだか一人で張り切っていたみたいでいたたまれない・・。でも何か言うと余計に墓穴を掘りそうなので我慢した。
「ルビアーナ、私の妻になってくれてありがとう、私は白い結婚にするつもりはないから、普通に君と夫婦生活を送るつもりだけど、それでいいんだよね?」
「あ・・はい、夫婦生活ですよね?大丈夫です。」頷いて答えると「本当にわかってる?」と念を押された。「君は王都で学生の頃は看護師資格を取れる学校に通っていたんでしょ?それなら避妊についてもまかせて平気なのかな?」
「危険な時期が判るのかということなら・・・。卵子は妊娠する機能を果たせるのは1日だけ、精子は3日間なので、排卵日を含めて前3日、後ろ2日の合計5日間を避ければ妊娠はしないはずです。」教科書の知識を自信をもって披露すると
「その期間にしたくなったらどうするの?」と、真面目に聞いてくる。
「えーと・・・その間はしないのが確実とは思いますけど、男性用の避妊具をつければなんとかなるのではと・・・。」ちょっと最後はモゴモゴしながら答える。
「わかった、君が私との結婚を続けられると思えるようになるまでは気を付けることにしよう。」
「すいません、私、割と不順なので、排卵日が予想しずらいんです。なので・・」
「わかった、その5日間以外でもなるべく中に出すのはやめることにしよう、それでいいよね?」いや、なるべくしないのが一番確実なんだけど・・・。
反論をさせないようにリンデルは喋りながら枕元の電球を消した。それから後は・・・・まぁ、ご想像にお任せします・・・。
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