8 / 24
8
しおりを挟む
「思ったより寒く無くて良かった。」馬車から降りて、ほぼ2か月ぶりにシマエーガの地に降り立ったときの私の第一声を聞いてリンデルがクスっと笑う。先に降りて、私の手を引いてくれたそのまま私のことを抱きしめながら耳元でささやいた。
「ルビアーナは寒がりだから、暑がりの私と寝ると丁度いいね」
代官屋敷の前で迎えてくれているイアンやハンスの視線が痛い・・・。
「ここにはアンジェラ様はいらっしゃらないんだから、そこまでする必要はありません!」顔を赤くして、リンデルの胸を押しながらつぶやくと、「かわいいね、ルビアーナ。でも、他にも見せつけておきたい人はいるんだよね」
「??他に見せつけたい人?」誰のこと?そんな人いる?と思いながらリンデルに尋ねようとしたその時には、イアンとハンスが既に傍に来ていた。
「おかえりなさい、義兄上、姉上」
「おかえりなさいませ。領主様、ようこそいらっしゃいました。」
「うん、出迎えありがとう、二人とも。こちらは変わりなかったかな?」
そう話しながら3人で屋敷の方に向かって歩いていってしまう。
ちょっとーーーーー!!!私を置いていかないでよ!イアンもハンスも酷くない?
「照れてるのですよ、二人とも。お嬢様と領主様の仲がよろしいのを見て、なんと声をかけてよいのかわからないのでしょう」後からやってきたマーサが、ニコニコしながらやさしく抱きしめてくれる。「おかえりなさいませ、お嬢様。皆待っておりましたよ」足元にはルーシーが来て、ニャーン!と鳴きながら体をこすりつけてくる。
うんうん、ありがとう。男どもと違って二人は私を歓迎してくれるんだよね・・・。
一息ついて、直ぐに堤防が以前決壊してしまった場所の補強工事を確認しに行く。何か所か見た後は港の方が堤防の基礎工事が終わっているというので行くことにしたが、そろそろお昼ということで、一度代官屋敷に帰って昼食を摂ることにした。
皆で昼食を摂っていると、「失礼いたします!」と突然アンドリューが入ってきた。
??なんでここにアンドリューが??
「どうしたんだ?お前がシマエーガ(ここ)まで来るなんて、余程のことがあったということか?」食事の手を止めてリンデルがアンドリューの方に歩いていく。
「え!!?アンジェラが!?・・・」リンデルが思わず声を出すのが聞き取れた。
なんでアンジェラ様の名前が??と思って二人の方を見ていると、ため息をつきながらリンデルがこちらに戻ってきた。
「アンジェラ様に何かあったんですか?」私も食事の手を止め、立ち上がりかけると、リンデルにそのままで・・!と手で制される。
「たいしたことではないよ・・・ただ王都に行かなくてはならなくなった。」
「王都ですか?!!これから?」
「ルビアーナ、港の方の確認は君にお願いするよ、一緒にいけなくて申し訳ない。せっかく来たんだ、君はゆっくりしてくるといいよ。」綺麗な黒い瞳でじっと見つめながら言われたので、私も何か言わなくては・・・と思う。
「わかりました・・・。大丈夫です。案内はハンスがしてくれると思いますので・・。」
「・・・・・・・」
はぁ・・・ため息をつくと、リンデルは私の頬に手を添えながら皆には聞こえないくらいの小さな声で囁いた。「私は心が狭いな・・・。ルビアーナ、直ぐにまた州都で会おう」
リンデルは代官屋敷の皆に礼と詫びをいれると、アンドリューと一緒に来た従者の馬を借りて、あっという間に州都に向けて二人で馬を駆けて行ってしまった。
後から思えばここから・・・私たちは少しずつ掛け違っていったのかもしれない・・・。
「ルビアーナは寒がりだから、暑がりの私と寝ると丁度いいね」
代官屋敷の前で迎えてくれているイアンやハンスの視線が痛い・・・。
「ここにはアンジェラ様はいらっしゃらないんだから、そこまでする必要はありません!」顔を赤くして、リンデルの胸を押しながらつぶやくと、「かわいいね、ルビアーナ。でも、他にも見せつけておきたい人はいるんだよね」
「??他に見せつけたい人?」誰のこと?そんな人いる?と思いながらリンデルに尋ねようとしたその時には、イアンとハンスが既に傍に来ていた。
「おかえりなさい、義兄上、姉上」
「おかえりなさいませ。領主様、ようこそいらっしゃいました。」
「うん、出迎えありがとう、二人とも。こちらは変わりなかったかな?」
そう話しながら3人で屋敷の方に向かって歩いていってしまう。
ちょっとーーーーー!!!私を置いていかないでよ!イアンもハンスも酷くない?
「照れてるのですよ、二人とも。お嬢様と領主様の仲がよろしいのを見て、なんと声をかけてよいのかわからないのでしょう」後からやってきたマーサが、ニコニコしながらやさしく抱きしめてくれる。「おかえりなさいませ、お嬢様。皆待っておりましたよ」足元にはルーシーが来て、ニャーン!と鳴きながら体をこすりつけてくる。
うんうん、ありがとう。男どもと違って二人は私を歓迎してくれるんだよね・・・。
一息ついて、直ぐに堤防が以前決壊してしまった場所の補強工事を確認しに行く。何か所か見た後は港の方が堤防の基礎工事が終わっているというので行くことにしたが、そろそろお昼ということで、一度代官屋敷に帰って昼食を摂ることにした。
皆で昼食を摂っていると、「失礼いたします!」と突然アンドリューが入ってきた。
??なんでここにアンドリューが??
「どうしたんだ?お前がシマエーガ(ここ)まで来るなんて、余程のことがあったということか?」食事の手を止めてリンデルがアンドリューの方に歩いていく。
「え!!?アンジェラが!?・・・」リンデルが思わず声を出すのが聞き取れた。
なんでアンジェラ様の名前が??と思って二人の方を見ていると、ため息をつきながらリンデルがこちらに戻ってきた。
「アンジェラ様に何かあったんですか?」私も食事の手を止め、立ち上がりかけると、リンデルにそのままで・・!と手で制される。
「たいしたことではないよ・・・ただ王都に行かなくてはならなくなった。」
「王都ですか?!!これから?」
「ルビアーナ、港の方の確認は君にお願いするよ、一緒にいけなくて申し訳ない。せっかく来たんだ、君はゆっくりしてくるといいよ。」綺麗な黒い瞳でじっと見つめながら言われたので、私も何か言わなくては・・・と思う。
「わかりました・・・。大丈夫です。案内はハンスがしてくれると思いますので・・。」
「・・・・・・・」
はぁ・・・ため息をつくと、リンデルは私の頬に手を添えながら皆には聞こえないくらいの小さな声で囁いた。「私は心が狭いな・・・。ルビアーナ、直ぐにまた州都で会おう」
リンデルは代官屋敷の皆に礼と詫びをいれると、アンドリューと一緒に来た従者の馬を借りて、あっという間に州都に向けて二人で馬を駆けて行ってしまった。
後から思えばここから・・・私たちは少しずつ掛け違っていったのかもしれない・・・。
1
あなたにおすすめの小説
完結 裏切りは復讐劇の始まり
音爽(ネソウ)
恋愛
良くある政略結婚、不本意なのはお互い様。
しかし、夫はそうではなく妻に対して憎悪の気持ちを抱いていた。
「お前さえいなければ!俺はもっと幸せになれるのだ」
2度目の結婚は貴方と
朧霧
恋愛
前世では冷たい夫と結婚してしまい子供を幸せにしたい一心で結婚生活を耐えていた私。気がついたときには異世界で「リオナ」という女性に生まれ変わっていた。6歳で記憶が蘇り悲惨な結婚生活を思い出すと今世では結婚願望すらなくなってしまうが騎士団長のレオナードに出会うことで運命が変わっていく。過去のトラウマを乗り越えて無事にリオナは前世から数えて2度目の結婚をすることになるのか?
魔法、魔術、妖精など全くありません。基本的に日常感溢れるほのぼの系作品になります。
重複投稿作品です。(小説家になろう)
公爵令嬢は結婚前日に親友を捨てた男を許せない
有川カナデ
恋愛
シェーラ国公爵令嬢であるエルヴィーラは、隣国の親友であるフェリシアナの結婚式にやってきた。だけれどエルヴィーラが見たのは、恋人に捨てられ酷く傷ついた友の姿で。彼女を捨てたという恋人の話を聞き、エルヴィーラの脳裏にある出来事の思い出が浮かぶ。
魅了魔法は、かけた側だけでなくかけられた側にも責任があった。
「お兄様がお義姉様との婚約を破棄しようとしたのでぶっ飛ばそうとしたらそもそもお兄様はお義姉様にべた惚れでした。」に出てくるエルヴィーラのお話。
その程度の愛だったのですね
青葉めいこ
恋愛
愛している。貴方だけを。
愛する貴方がいない世界では生きていけない。
だから、貴方の跡を追うのは、わたくしにとって当然の成り行きなのだ。
前編はジュリア視点、後編はピーター視点になります。
小説家になろうにも投稿しています。
どうぞお好きになさってください
はなまる
恋愛
ミュリアンナ・ベネットは20歳。母は隣国のフューデン辺境伯の娘でミュリアンナは私生児。母は再婚してシガレス国のベネット辺境伯に嫁いだ。
兄がふたりいてとてもかわいがってくれた。そのベネット辺境伯の窮地を救うための婚約、結婚だった。相手はアッシュ・レーヴェン。女遊びの激しい男だった。レーヴェン公爵は結婚相手のいない息子の相手にミュリアンナを選んだのだ。
結婚生活は2年目で最悪。でも、白い結婚の約束は取り付けたし、まだ令息なので大した仕事もない。1年目は社交もしたが2年目からは年の半分はベネット辺境伯領に帰っていた。
だが王女リベラが国に帰って来て夫アッシュの状況は変わって行くことに。
そんな時ミュリアンナはルカが好きだと再認識するが過去に取り返しのつかない失態をしている事を思い出して。
なのにやたらに兄の友人であるルカ・マクファーレン公爵令息が自分に構って来て。
どうして?
個人の勝手な創作の世界です。誤字脱字あると思います、お見苦しい点もありますがどうぞご理解お願いします。必ず最終話まで書きますので最期までよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる