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流産の後、私は2日間病院から退院できなかった。出血が多かったことでふらつきが強かったからだ。しばらく仕事は休んでいいからと言われ、申し訳なく思いながらも領主館に帰宅した。リンデルは入院中ずっと傍にいてくれた。退院の日も迎えに来ると言い張っていたけれど、もう何日も休ませてしまっているし、私の傍にいたことで彼自身休めていないはずなので、来なくて大丈夫だからと押し切った。流産はほとんどの場合胎児自身に問題があって育つことができないことが多い、貴女が気に病むことはない・・そう医師(先生)は言ってくれたけれど、私はずっと後悔していた。
雨は相変わらず降っていて、いっそう気持ちが暗くなった。
流産という悲しいことがあって、私はリンデルのことが好きなんだという当たり前のことを今更ながら自覚した。赤ちゃんがいなくなってしまったことはすごく悲しいけれど、それ以上にリンデルに嫌われてしまうかもしれないと、狡いことを考えてしまう自分が嫌だった。
嫌なことは続くもので、しばらく姿が見えなかったアンジェラ様がまた領主館に滞在するようになった。私の前でベタベタとリンデルに張り付くような態度をとるのはわざとなんだろうか?リンデルはいつも軽くあしらうような態度をとっているけれど、強く拒絶するようなことは言わない。アンジェラ様に出て行ってもらうようなことを話していたのに、強く言わないリンデルの態度にがっかりして、仕事の話をしているのだとしても、二人が一緒にいるところを見ては落ち込んだ。
あるときサロンでお茶を飲んでいると、アンジェラ様がやってきた。
にっこり笑いかけてくるけれど、なんだか嫌な感じがした。
「あなた、体はもう大丈夫なの?残念だったわね・・せっかく領主婦人でいられると思っていたんでしょうけど・・・」
何が言いたいんだろう?「何のことでしょうか?」少しきつい言い方になってしまったのは仕方ないと思う。
「あなた、お母さんに成りそこなってしまったそうじゃない?リンデルも子どものことがあったら別れようとは思わないだろうけど、もういないんじゃね・・」
くすっと笑ってさも気の毒そうに続けた。
「来週、私とリンデルは一緒に王都に行くのよ、私のブランドのお店を出すことになってね、どうしても手伝わせてほしい、一緒に行きたいってリンデルが言うものだから・・・
しばらくは帰れないんじゃないかしら?あなたも諦めて、出ていくことを考えたら如何?もう、此処にいる理由もないんじゃないの?」
自分でも顔色が悪くなっていくのがわかった。そうだ・・私はリンデルのことが好きだけれど、子を守れなかった私とは、リンデルはもう一緒にいたいとは思っていないかもしれない・・・・。
自分でも恐れていたことをアンジェラ様に言われて、俯いたまま顔を上げることができなかった。
いつの間にかアンジェラ様はいなくなっていて、お茶はすっかり冷めてしまっていた。
雨は相変わらず降っていて、いっそう気持ちが暗くなった。
流産という悲しいことがあって、私はリンデルのことが好きなんだという当たり前のことを今更ながら自覚した。赤ちゃんがいなくなってしまったことはすごく悲しいけれど、それ以上にリンデルに嫌われてしまうかもしれないと、狡いことを考えてしまう自分が嫌だった。
嫌なことは続くもので、しばらく姿が見えなかったアンジェラ様がまた領主館に滞在するようになった。私の前でベタベタとリンデルに張り付くような態度をとるのはわざとなんだろうか?リンデルはいつも軽くあしらうような態度をとっているけれど、強く拒絶するようなことは言わない。アンジェラ様に出て行ってもらうようなことを話していたのに、強く言わないリンデルの態度にがっかりして、仕事の話をしているのだとしても、二人が一緒にいるところを見ては落ち込んだ。
あるときサロンでお茶を飲んでいると、アンジェラ様がやってきた。
にっこり笑いかけてくるけれど、なんだか嫌な感じがした。
「あなた、体はもう大丈夫なの?残念だったわね・・せっかく領主婦人でいられると思っていたんでしょうけど・・・」
何が言いたいんだろう?「何のことでしょうか?」少しきつい言い方になってしまったのは仕方ないと思う。
「あなた、お母さんに成りそこなってしまったそうじゃない?リンデルも子どものことがあったら別れようとは思わないだろうけど、もういないんじゃね・・」
くすっと笑ってさも気の毒そうに続けた。
「来週、私とリンデルは一緒に王都に行くのよ、私のブランドのお店を出すことになってね、どうしても手伝わせてほしい、一緒に行きたいってリンデルが言うものだから・・・
しばらくは帰れないんじゃないかしら?あなたも諦めて、出ていくことを考えたら如何?もう、此処にいる理由もないんじゃないの?」
自分でも顔色が悪くなっていくのがわかった。そうだ・・私はリンデルのことが好きだけれど、子を守れなかった私とは、リンデルはもう一緒にいたいとは思っていないかもしれない・・・・。
自分でも恐れていたことをアンジェラ様に言われて、俯いたまま顔を上げることができなかった。
いつの間にかアンジェラ様はいなくなっていて、お茶はすっかり冷めてしまっていた。
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