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第1章 天使降臨!!
第12話 精霊、お手でしゅよ
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ここにいるのは、大きな台座に横になったモフモフ狼と、そのお腹に埋もれる私。
近くに並んで立つ、なぜかほのぼのとした父と兄は何してんだよ。
もしかして、動物とたわむれる天使の私が可愛くて、そんな顔してんの二人とも? 何度も言うけど、この国大丈夫か?
どうも儀式か何かをする場所らしいが、窓一つない。
風がどこからかそよいで、空気の循環がされ、辺りは不思議な光でほの明るい。
ヒカリゴケ? なのかな?
「とーたん、にーたん、こーあーいー」
「嘘つけ、そんな気弱じゃないだろちびっ子め」
「ん?」
狼と顔を突き合わせる。
今、お前しゃべったか? しかも聞き覚えある口調だな。
「ア~ちゃん、失礼のないようにな、一応その方は、わが国の守護精霊様だからね」
「一応その姿の時は、精霊として対応してやろうなアーリー」
「だから何言ってるでしゅか!」
「とりあえず、このチビと二人で話をするから、お前たちは外で待っていろ」
「ちょ!」
「じゃあ、いい子でなア~ちゃん。外で待っとるからな」
待って待って、置いてかないで。
なんとか獣からカボチャパンツをさらけ出してズリズリと降りて、二人を追いかけようとしたが、服の襟首を軽く咥えられ阻止された。
食われる、食われる、ノーノーノー。
食べちゃいたい程可愛くても、食べるのは勘弁って……ん?
「守護精霊?」
「そうだぞ」
「うそだー」
「失礼なチビだな」
なんか気づけば、人にダッコされてる……って、こいつの顔は!
「アール!」
「はい、そうですよチビ姫様」
なんたる事か、狼がアールだったとは!
「という事は、あんたが守護精霊なの?」
「アールシャンテスと申します。どうぞお見知りおきを」
宜しくねと、いつもの呑気な顔でウィンクされて、ついうげぇっと舌を出す。
「何も、王子たちから聞いてないの?」
「寝て起きたら、モフに埋もれてた」
「あの姿のがいい?」
「いや、ムカツク顔でも、こっちのがいい」
狼の時は、なんとも言えない圧迫感というか、威圧というか、あれ嫌い。
「あははは、今は素でしゃべってるみたいだし、こっちでもいいかー」
っと、子供ぶるの忘れてた。
そのままストンと台座に下ろされ、向かいに騎士みたいに膝をついてアールが目線を合わせてきた。
軽く赤く目が光る。
「我の前では正体を隠さなくて良い、異世界からの客人よ」
「ひぃっ」
「あはは、私は精霊だし? てかお前の事は一応は聞いててさー」
「何を知ってるの」
「君が異世界から来た、聖女のなりそこないって事かなあ」
「聖女のなりそこない?」
「女神の神託、面倒そうなんで無視してたら、仲間の一人が動いたらしくってさあ。仕方なく捜索したんだよなぁ……だりぃ事しやがって。まあ、収穫ではあったが」
なんか、いきなり話の内容がわからなくなってきた。
とりあえず、だりぃって言うな馬鹿アール。
こいつはこいつだった。
よし、ちょっと長いけど、この国の神話を思い出そう!
遠い遠い、この世界の昔話。
この世界が一つの国だった頃、精霊と人は仲良く平和に暮らしていた。
けれど、魔界の扉が開いてしまい、魔物がこちらの世界を襲うようになった。
人と精霊は共に戦ったんだけど、世界は弱っていくばかり。
みかねた女神が、異世界から聖女を召喚した。
奇跡の力を持つ聖女によって魔界の扉は封印され、世界は再び平和を取り戻す。
聖女はこの国の青年と結婚して、青年は初代の王となる。
その血を引く子供たちは、奇跡の力であるスキルを引き継いで、のちに国が四つに分かれた。
精霊たちも、各地に散って、それぞれ四つの国を守るようになる。
その精霊が、守護精霊と呼ばれる。
「まあ、聖女との誓いで、以後も人々を守ってくれって言われてるし」
「アールは一体幾つなんだ?」
「精霊に年齢なんて聞いちゃう? チビ姫ちゃんこそ精神年齢いくつなの? 異世界の記憶あるらしいね?」
「記憶があっても、この世界じゃロクに役に立たないよ。んで聖女のなりそこないって、何よ」
「あー、それね。また魔界が開きそうでさーあはは」
「そうなんだーあはははっ……って、おいっ!」
笑いごとじゃないだろう!
精霊が馬鹿なの? こいつがいい根性してるだけなの?
いや、私の頭ポンポンじゃなくってさ。
ギョッとしている私に、呑気に笑っているアールに殺意がわく。
守護精霊って何?
「女神はな、もう人の世界に手出ししちゃダメなんだ。だから精霊の俺たちを通して話かけてくるんだが、最近は俺たちの力も弱ってね。声も届き辛くなったし、何より俺たちも各自色々あるしな」
「なんで弱ってるの?」
「俺たち精霊は世界そのものなんだが、俺たちの力の源が減っているのが原因。だから魔物も増えてきた」
「力の源って?」
「人々の祈りや、スキルで作られた魔力なんだけど、昔と比べてスキルも祈りの力も全て弱ってる」
「へー」
「他人事で流したいみたいだが、女神は直接手出しできない代わりに、異世界の魂をこちらに転生させたらしいぞ?」
「それが私?」
アールはうんうんと頷いた。
「という事は、私はやっぱり聖女になるの?」
近くに並んで立つ、なぜかほのぼのとした父と兄は何してんだよ。
もしかして、動物とたわむれる天使の私が可愛くて、そんな顔してんの二人とも? 何度も言うけど、この国大丈夫か?
どうも儀式か何かをする場所らしいが、窓一つない。
風がどこからかそよいで、空気の循環がされ、辺りは不思議な光でほの明るい。
ヒカリゴケ? なのかな?
「とーたん、にーたん、こーあーいー」
「嘘つけ、そんな気弱じゃないだろちびっ子め」
「ん?」
狼と顔を突き合わせる。
今、お前しゃべったか? しかも聞き覚えある口調だな。
「ア~ちゃん、失礼のないようにな、一応その方は、わが国の守護精霊様だからね」
「一応その姿の時は、精霊として対応してやろうなアーリー」
「だから何言ってるでしゅか!」
「とりあえず、このチビと二人で話をするから、お前たちは外で待っていろ」
「ちょ!」
「じゃあ、いい子でなア~ちゃん。外で待っとるからな」
待って待って、置いてかないで。
なんとか獣からカボチャパンツをさらけ出してズリズリと降りて、二人を追いかけようとしたが、服の襟首を軽く咥えられ阻止された。
食われる、食われる、ノーノーノー。
食べちゃいたい程可愛くても、食べるのは勘弁って……ん?
「守護精霊?」
「そうだぞ」
「うそだー」
「失礼なチビだな」
なんか気づけば、人にダッコされてる……って、こいつの顔は!
「アール!」
「はい、そうですよチビ姫様」
なんたる事か、狼がアールだったとは!
「という事は、あんたが守護精霊なの?」
「アールシャンテスと申します。どうぞお見知りおきを」
宜しくねと、いつもの呑気な顔でウィンクされて、ついうげぇっと舌を出す。
「何も、王子たちから聞いてないの?」
「寝て起きたら、モフに埋もれてた」
「あの姿のがいい?」
「いや、ムカツク顔でも、こっちのがいい」
狼の時は、なんとも言えない圧迫感というか、威圧というか、あれ嫌い。
「あははは、今は素でしゃべってるみたいだし、こっちでもいいかー」
っと、子供ぶるの忘れてた。
そのままストンと台座に下ろされ、向かいに騎士みたいに膝をついてアールが目線を合わせてきた。
軽く赤く目が光る。
「我の前では正体を隠さなくて良い、異世界からの客人よ」
「ひぃっ」
「あはは、私は精霊だし? てかお前の事は一応は聞いててさー」
「何を知ってるの」
「君が異世界から来た、聖女のなりそこないって事かなあ」
「聖女のなりそこない?」
「女神の神託、面倒そうなんで無視してたら、仲間の一人が動いたらしくってさあ。仕方なく捜索したんだよなぁ……だりぃ事しやがって。まあ、収穫ではあったが」
なんか、いきなり話の内容がわからなくなってきた。
とりあえず、だりぃって言うな馬鹿アール。
こいつはこいつだった。
よし、ちょっと長いけど、この国の神話を思い出そう!
遠い遠い、この世界の昔話。
この世界が一つの国だった頃、精霊と人は仲良く平和に暮らしていた。
けれど、魔界の扉が開いてしまい、魔物がこちらの世界を襲うようになった。
人と精霊は共に戦ったんだけど、世界は弱っていくばかり。
みかねた女神が、異世界から聖女を召喚した。
奇跡の力を持つ聖女によって魔界の扉は封印され、世界は再び平和を取り戻す。
聖女はこの国の青年と結婚して、青年は初代の王となる。
その血を引く子供たちは、奇跡の力であるスキルを引き継いで、のちに国が四つに分かれた。
精霊たちも、各地に散って、それぞれ四つの国を守るようになる。
その精霊が、守護精霊と呼ばれる。
「まあ、聖女との誓いで、以後も人々を守ってくれって言われてるし」
「アールは一体幾つなんだ?」
「精霊に年齢なんて聞いちゃう? チビ姫ちゃんこそ精神年齢いくつなの? 異世界の記憶あるらしいね?」
「記憶があっても、この世界じゃロクに役に立たないよ。んで聖女のなりそこないって、何よ」
「あー、それね。また魔界が開きそうでさーあはは」
「そうなんだーあはははっ……って、おいっ!」
笑いごとじゃないだろう!
精霊が馬鹿なの? こいつがいい根性してるだけなの?
いや、私の頭ポンポンじゃなくってさ。
ギョッとしている私に、呑気に笑っているアールに殺意がわく。
守護精霊って何?
「女神はな、もう人の世界に手出ししちゃダメなんだ。だから精霊の俺たちを通して話かけてくるんだが、最近は俺たちの力も弱ってね。声も届き辛くなったし、何より俺たちも各自色々あるしな」
「なんで弱ってるの?」
「俺たち精霊は世界そのものなんだが、俺たちの力の源が減っているのが原因。だから魔物も増えてきた」
「力の源って?」
「人々の祈りや、スキルで作られた魔力なんだけど、昔と比べてスキルも祈りの力も全て弱ってる」
「へー」
「他人事で流したいみたいだが、女神は直接手出しできない代わりに、異世界の魂をこちらに転生させたらしいぞ?」
「それが私?」
アールはうんうんと頷いた。
「という事は、私はやっぱり聖女になるの?」
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