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第3章 ディラン王国へ
第32話 ディラン城到着でしゅ!
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やっと目的地である首都に到着したのは、夕方から夜にかけての時間帯だ。
街は大きく、私の国とはまた違う賑わいで沢山の人がいた。
「ふぇえーっ」
「ダメだよまゆまゆ。一応僕らはお忍びなんだから、窓から身を乗り出さない」
いや、立派な馬車二台が護衛を連れて走っていたら、ある程度は偉い人が乗っていると、皆が気づくだろう。
馬車はレンガ造りの素敵な街並みを抜けて、大きな城に辿り着く。
こちらは白いレンガで出来た、まるで童話のような華麗な城である。
「ほわぁーっ、テーマパークみたいだぁ」
「ぷはっ、絶対言うと思った」
生涯に一度だけ、新婚旅行の代わりに行った事がある。
懐かしい思い出が駆け巡りつつ、運ばれるままに私たちは中に入った。
馬車からおりて私と兄とアールは、しゅーさんに案内されながら城に入る。
豪華な赤いカーペットを歩きながら、物珍し気にキョロキョロと見てしまう。
「父が病気で、代わりに兄が執務しているんだ。挨拶は、兄が国王の代理として対応すると思います」
「そうか……ディラン国王の容態は、あまり良くないのか?」
兄の言葉に、しゅ-さんは顔を曇らせた。
「もう歳ですし、何より今は自らの為ではなく、民の為に力を使って欲しいと、エバ様の力を拒絶していますので」
「とっとと、治療して貰えばいいだろうに」
アールの呑気な言葉に、しゅ-さんは小声で答えた。
「父は寝たきりで体を起こすのがやっとですが、原因は僕は教えてもらえないのです。そして自分より、スキルがある私にこそ力を使うべきだと」
先頭を歩いて案内するしゅーさんの背中に、悲しみを感じて、私は兄にダッコされ慰める事もできなかった。
案内された応接室にて、うちの兄と同じ年ごろの王子と対面した。
彼はどうやら、しゅーさんのこの世界の兄らしい。
しゅーさんと似た容姿で、優雅に迎え入れてくれた。
「よくぞお越しくださいました。現在、父である国王が体調不良により、私が代行させて頂いています。この国の第一王子、セルシュ・ディランと申します」
「初めまして、この子はアリアナ、私の妹です。そして私は、スターツ王国第一王子のシリウス・スターツと申します。どうぞシリウスとお呼びください」
「では私もセルで結構です。似た世代ですので、いつかお会いしたいと思っておりました」
「ははっ、妹の件では神託を教えて頂き有難うございます。婚約の条件について、再度の話し合いをさせて頂きたいのですが……」
何やら長い話し合いになりそうだったので、私はティティと足を振り回すと、とりあえずダッコから解放され、地面に足を着くことができた。
しゅ-さんがニッコリ笑って、私の手を引いてくれる。
「兄上、込み入った話は幼い姫には退屈でしょう。私が姫を連れてエバ様に挨拶に行って参ります」
「あっ、いや、待て」
「行ってきましゅ!」
ためらう兄にバイバイと手を振ると、しゅ-さんの兄は口元を綻ばせた。
「いやあ、なんとも可愛い妹さんですね」
「でしょう? うちの妹は天使なんですよ!」
よし兄が馬鹿に戻った。今のうちだと私たちは、部屋を出て廊下を歩く。
気づけば、いたはずのアールが消えた。さっきまでいたのに。
「城の中なら安全だから、一緒にエバ様に会おうまゆまゆ」
「はいでしゅ!」
しゅーさんと共に、私たちはズンズンと進む。
大理石で出来た壁には細かな装飾がされ、時折花が飾られている。
使用人や騎士が、私たちが通過すると頭を下げて礼をしてくれる。
とりあえず、はーぃ! と手をふってあげたら、次々に目が細くなり皆がとろけるように微笑んだ。
「可愛いわね、あれが王子の婚約者」
「なんと、小さな姫様の愛らしいことか」
「二人が並んで歩いていると、なんて愛らしいの!」
ふむふむ、ここでも私の無双は確定しているらしいな。
ディランに、新たなる私のファンクラブを作るのも、良いかもしれない。
出会う人、出会う人が私の可愛らしさに、顔を赤らめメロメロになっていく。
慣れた感覚ではあるが、信者は多ければ多いほど良いのだ。
「みんな、よろちく頼むでしゅ。アリアナでしゅよ」
あえて、集団で整列している通路にて自己紹介をしてやると、一斉に皆の感嘆のため息が発生した。
「なんて、偉いの。あんな小さな姫が」
「可愛らしいうえに、私たちのような者にまで挨拶してくれたわよ」
「今見たか? 小さな手でスカートを持って礼をして、お人形か?」
「いいや、天使だ! うちの王子は天使と結婚するんだ」
私たちが去った後ろでは、軽い祭りが開催された。
私の可愛さ振りまき作戦を見て、しゅーさんは小さくため息をつく。
「凄いねまゆまゆ。みんなを虜にしていくの?」
「手下は多い方が、いいでしゅからね」
「中身は相変わらずなんだけど、今はその見た目だと無敵だな」
そうでしゅよ? 私はこの可愛い容姿も無駄なく使い切ってやるのでしゅ。
可愛いは正義、正義は可愛いと、ハヤトも言っていたじゃないか。
つまり、私が正義だ。
こうして愛想を振りまいて、テクテクと広い廊下を歩いたその先は、大きな庭園にあるガラス張りの小屋だった。
中は沢山の木々が生い茂って、あまり覗き見る事ができない。
ここに、どうやら精霊がいるらしい。
街は大きく、私の国とはまた違う賑わいで沢山の人がいた。
「ふぇえーっ」
「ダメだよまゆまゆ。一応僕らはお忍びなんだから、窓から身を乗り出さない」
いや、立派な馬車二台が護衛を連れて走っていたら、ある程度は偉い人が乗っていると、皆が気づくだろう。
馬車はレンガ造りの素敵な街並みを抜けて、大きな城に辿り着く。
こちらは白いレンガで出来た、まるで童話のような華麗な城である。
「ほわぁーっ、テーマパークみたいだぁ」
「ぷはっ、絶対言うと思った」
生涯に一度だけ、新婚旅行の代わりに行った事がある。
懐かしい思い出が駆け巡りつつ、運ばれるままに私たちは中に入った。
馬車からおりて私と兄とアールは、しゅーさんに案内されながら城に入る。
豪華な赤いカーペットを歩きながら、物珍し気にキョロキョロと見てしまう。
「父が病気で、代わりに兄が執務しているんだ。挨拶は、兄が国王の代理として対応すると思います」
「そうか……ディラン国王の容態は、あまり良くないのか?」
兄の言葉に、しゅ-さんは顔を曇らせた。
「もう歳ですし、何より今は自らの為ではなく、民の為に力を使って欲しいと、エバ様の力を拒絶していますので」
「とっとと、治療して貰えばいいだろうに」
アールの呑気な言葉に、しゅ-さんは小声で答えた。
「父は寝たきりで体を起こすのがやっとですが、原因は僕は教えてもらえないのです。そして自分より、スキルがある私にこそ力を使うべきだと」
先頭を歩いて案内するしゅーさんの背中に、悲しみを感じて、私は兄にダッコされ慰める事もできなかった。
案内された応接室にて、うちの兄と同じ年ごろの王子と対面した。
彼はどうやら、しゅーさんのこの世界の兄らしい。
しゅーさんと似た容姿で、優雅に迎え入れてくれた。
「よくぞお越しくださいました。現在、父である国王が体調不良により、私が代行させて頂いています。この国の第一王子、セルシュ・ディランと申します」
「初めまして、この子はアリアナ、私の妹です。そして私は、スターツ王国第一王子のシリウス・スターツと申します。どうぞシリウスとお呼びください」
「では私もセルで結構です。似た世代ですので、いつかお会いしたいと思っておりました」
「ははっ、妹の件では神託を教えて頂き有難うございます。婚約の条件について、再度の話し合いをさせて頂きたいのですが……」
何やら長い話し合いになりそうだったので、私はティティと足を振り回すと、とりあえずダッコから解放され、地面に足を着くことができた。
しゅ-さんがニッコリ笑って、私の手を引いてくれる。
「兄上、込み入った話は幼い姫には退屈でしょう。私が姫を連れてエバ様に挨拶に行って参ります」
「あっ、いや、待て」
「行ってきましゅ!」
ためらう兄にバイバイと手を振ると、しゅ-さんの兄は口元を綻ばせた。
「いやあ、なんとも可愛い妹さんですね」
「でしょう? うちの妹は天使なんですよ!」
よし兄が馬鹿に戻った。今のうちだと私たちは、部屋を出て廊下を歩く。
気づけば、いたはずのアールが消えた。さっきまでいたのに。
「城の中なら安全だから、一緒にエバ様に会おうまゆまゆ」
「はいでしゅ!」
しゅーさんと共に、私たちはズンズンと進む。
大理石で出来た壁には細かな装飾がされ、時折花が飾られている。
使用人や騎士が、私たちが通過すると頭を下げて礼をしてくれる。
とりあえず、はーぃ! と手をふってあげたら、次々に目が細くなり皆がとろけるように微笑んだ。
「可愛いわね、あれが王子の婚約者」
「なんと、小さな姫様の愛らしいことか」
「二人が並んで歩いていると、なんて愛らしいの!」
ふむふむ、ここでも私の無双は確定しているらしいな。
ディランに、新たなる私のファンクラブを作るのも、良いかもしれない。
出会う人、出会う人が私の可愛らしさに、顔を赤らめメロメロになっていく。
慣れた感覚ではあるが、信者は多ければ多いほど良いのだ。
「みんな、よろちく頼むでしゅ。アリアナでしゅよ」
あえて、集団で整列している通路にて自己紹介をしてやると、一斉に皆の感嘆のため息が発生した。
「なんて、偉いの。あんな小さな姫が」
「可愛らしいうえに、私たちのような者にまで挨拶してくれたわよ」
「今見たか? 小さな手でスカートを持って礼をして、お人形か?」
「いいや、天使だ! うちの王子は天使と結婚するんだ」
私たちが去った後ろでは、軽い祭りが開催された。
私の可愛さ振りまき作戦を見て、しゅーさんは小さくため息をつく。
「凄いねまゆまゆ。みんなを虜にしていくの?」
「手下は多い方が、いいでしゅからね」
「中身は相変わらずなんだけど、今はその見た目だと無敵だな」
そうでしゅよ? 私はこの可愛い容姿も無駄なく使い切ってやるのでしゅ。
可愛いは正義、正義は可愛いと、ハヤトも言っていたじゃないか。
つまり、私が正義だ。
こうして愛想を振りまいて、テクテクと広い廊下を歩いたその先は、大きな庭園にあるガラス張りの小屋だった。
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ここに、どうやら精霊がいるらしい。
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