転生幼女は発酵スキルで、異世界に和食革命を起こす!味噌、醤油、酢を作って餌付けしたら、いつの間にか世界に名が轟いていた件

西野和歌

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第3章 ディラン王国へ

第39話 あなたは味噌っカスなんかじゃない

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 スープにパンを浸して、スクランブルエッグをスプーンで堪能する。
 違うんだよ、いや、美味しいよ?
 でもさ、やっぱだし巻き卵とか食べたいじゃん!
 大豆があるから、味噌も作れるよね……ちょっと、素晴らしい未来予想図が完成した!

「カツオが欲しいでしゅーっ!」
「ごめんね姫、うちには海ないんだ」

 しゅーさんのツッコミにガッカリしてしまう。
 けれど、しゅー兄がきちんとフォローしてくれた。

「川ならあるが、カツオとは?」
「小魚でもいいでしゅ! ダシが欲しいでしゅ!」

 あと、大豆もうちょいよこせ! 白米も食べたい!
 ないならないで、我慢できた和風料理。
 懐かしい味が手に入るかもと思ったら、我慢できなくなった。
 精霊のご飯? しゃらくせぇ、私の残り物でも猫まんましてろ!

 サラダの小皿には、キラキラの紫蘇ドレッシングがかかっている。
 薬草関連には強いみたいだけど、卵は貴重みたいだ。マヨネーズとかない。
 それはうちの国で開発したので、あとでレシピを売りつけてやろう。
 っと、ダメだ。しゅーさんは作り方を知っている。

 あれもーこれもーと悩みつつ、軽く朝食は終了した。
 食事の後のデザートは、ゼリーでした。甘いハチミツをかけた赤色ストロベリーゼリーは絶品でした。

「アーリー、私は国王の見舞いに行ってくるが、アーリーはどうする? できれば私の傍で大人しく……するわけないなぁ」
「子供は元気に遊ぶでしゅ!」
「ご心配なく、僕が護衛の皆さまと、そこの侍女も連れて城内を案内致します」
「……危ない事だけはしないでね? 私のアーリー」
「あいっ! アタチはアタチのモノでしゅが、頑張って城の中のみんなと仲良くするでしゅ!」
「うんうん、可愛いね。やっぱもう外交とかいいかな」

 行けよとっとと。入口りドアの前で微妙な顔した、しゅー兄が待ってくれているんだから、はよ一緒に去れ。

 兄達が去った後、私は残った元夫と狼と鳥に提案した。

「まず、この近くにある食材を教えて欲しいでしゅ! 森があったでしゅが、キノコが生えてたの見たでしゅよ! 川には魚はいるでしゅか?」

 そう、夜の帰りはエバが照らしてくれたので、案外森の中を見る事が出来たのだ。
 私が食材を見落とすはずがない。
 なんせ教会時代は、最強の収穫ハンターだったのだ。
 私は見た。 あれは食用キノコだったと断言する。あれ欲しい。
 それから、エバ専用調理室に向かうと、新たな食材が用意されていた。
 いくつかの野菜と、あと米と麦と、それから鶏肉。

「これは来てるでしゅ! 新たなる料理が来てるでしゅ!」

 昨夜作った醤油の具合を確認してみる。
 うむ、壺に入った醤油は、私のスキルのお陰で長期保存も大丈夫そうだ。
 しかも、わりと大きい壺なので、当分は醤油には困らないだろう。

「我が手下の精霊たちよ、腹が減ってるかー?」
「「手下じゃないけど、おーっ!」」

 二人そろって、腹ペコさんで、よし作ろうと決意した。
 今からキノコを取りに行って、昼ごはんの支度だ。

「昨夜の大豆の絞ったカスは、確かこっちの壺に入れていたはずでしゅ」

 中にはカスカスの大豆カスが残っていた。

「野菜を混ぜて、おかずにしようと思ったけど、ここはストレートにこうでしゅよ」

 私は壺の中に両手を入れて、いつもの合言葉で気合を込めた。

「お前は味噌っかすなんかじゃないぞ! おいちくなーれっ!」

 壺の中に光が充満して、即座に消えた。
 現れたのは、茶色の粘土……。

「何これ、ウ〇コ?」
「子供か駄犬、これは味噌でしゅ!」

 日本人のおふくろの味、そう全ての元祖の味噌である。拝め拝め!
 醤油が本家なら、味噌は元祖だ!

 私が感動で体を震わせている間に、エバが味噌に指を突っ込んで、おえっとしていた。

「確かに力はこもってるけど、ダメよこれ。美味しくないわ」
「これは調味料でしゅから、このままじゃダメでしゅよ」

 味噌漬けとか、上級者の味付けは無理だって。
 私は再度、精霊たちに拳を振り上げた。

「美味しいもの食べたいかーっ!」
「「おーっ」」
「なら、協力して、昨晩の森にキノコを取りに行くでしゅよー!」
「「「おおーっ!!」」」

 精霊だけでなく、しゅーさんも加わって、私たちは再び、あの森に行く事になった。
 籠と袋を用意して、その中に手袋とタオルとお茶を入れた水筒を放り込む。

「なんでお前まで乗せるんだよ!」

 狼になったアールが、侍女姿のエバに文句をつけた。

「だって、チビちゃん達の荷物を持ったり、侍女として手伝うには、人の姿であなたに乗るのが正解じゃない」
「あー、いやだいやだ。おいチビ姫様、本気で美味いもの食わせろよ!」
「任せろでしゅ!」

 むしろお前の為ではなく、私が食べたいのだ。
 あの大好物が目の前に!

「見られたら面倒だから、姿を隠して行きたいんだが。エバ、お前も少しは仕事しろ。お前の縄張りなんだから、太陽の下で姿を消すこと程度は出来るだろ?」
「んーわかった。人目を避けたらいいわけね」

 んふっ、とエバがウィンクした途端に、どこからか煙の匂いが立ち込めた。
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