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第3章 ディラン王国へ
第43話 エバって精霊だったね、忘れてたテヘ
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お腹も満ち足りて、食後のお茶は兄がいそいそと入れてくれた。
「王子たるもの、紅茶の一つも自らの手でだな……」
「はい、お兄さん」
さながら師匠に従う弟子のように、大きな王子の傍には小さな王子が。
しゅーさん待って、その兄から学んではいけない。色んな意味で迷子になっちゃうよ?
皆で兄印のお茶を飲みつつ、ダラダラと食後を楽しんだ。
「で、しゅーさんのとーたんの具合はどうだったんでしゅか?」
「起き上がるのも大変らしく、内部からの苦痛に耐えているらしい。どの部位かまでは教えて貰えなかったが」
「あ、お尻よ」
「「は?」」
不覚にも兄妹の声がハモってしまった。
てか、え?
真剣な顔で、再度エバは言った。
「だからお尻よ。痔なの」
「「はぁぁぁ?」」
おいおい、別に知りたくない国家機密を簡単にバラさないでくれ。
ああ、嫌だ嫌だ。
あとしゅーさんを見ると青ざめていた。
えっ? やっぱお父さんの痔を知られるのは嫌だよね?
「なら、父上は別に……起き上がれないだけで命に危険はないのですね?」
「あら? 坊やは知らなかったの?」
「まだ幼いからと、父も兄上も……」
「二人とも、あなたのお母さまが亡くなってから、過保護だもんね」
そうか……だからずっと、王妃様の姿が見えないんだ。
私なんか、ピーマン大好き脱走妻だったらしい。
よく考えたら、アクティブだよね?
「心配しなくても、このご飯で元気になったからチャチャっと治してやるわよ。もう遠慮なんかさせないわ!」
「有難うございますエバ様!」
良かったねと、私がしゅーさんの手を握ると、ぎゅっと握り返してくれた。
「きっと幼い僕には、わかんないと思って言わなかったんだよ」
「そうだね、痔だしね」
恐ろしき痔……晩年はしゅーさんも苦しんでいた気がする。
知らされていなかった事より、治る事を喜べるのがしゅーさんだ。
残ったらおにぎりの予定だった炊き込みご飯は、ほぼ精霊達にペロリと食べられてしまった。
しゃーねーな。
ちなみに私も、久しぶりの炊き込みご飯で、お腹がポンポコリンだ。
ぽこぽん・ぽこぽんとお腹を叩いていると、なぜか兄としゅーさんが微笑んでいた。
「さあ、じゃあ一仕事やってきますかーっと、その前に、はいおチビちゃん。お口あーん」
「あーん」
私はお腹いっぱいで、ご機嫌なのだ。
言われたとおりに、エバの合図と共に口を開けたら、ポーンと何か放り込まれた。
「むぎゅっ、ん、むぐむぐむぐ」
口の中に甘い飴を貰ったよ! 美味しいね!
……って、このパターンには身に覚えがあるのだが?
「良かったねまゆまゆ! エバ様に認められたよ!」
「ふにゅ? モグモグモグ」
という事は、これは火の鳥ゲットだぜ?
「ガリガリ……ごっくん。そか、永遠の命をとうとう……」
「それは別の漫画とかアニメの話で、エバ様は炎を司る鳥なだけだよ」
「そうだぞ、ただの嫉妬心の強い無差別放火魔だ」
しゅーさんのツッコミにアールも乗ってきた。
「そういえば、先ほどボヤ騒ぎがあったらしいが、アール知らないか?」
兄の質問に、アールは無言でエバを指さした。
エバは真剣な顔をして、ハキハキと答えた。
「記憶に御座いません!」
「いや、確か貴方はこの国の精霊様だったはずだ。どうして妹と契約を、この子はこの国の子ではないですよ」
「でも結婚したら、うちの子じゃない?」
「認めません! まだ早い! というか他国の精霊と契約なんて……そもそも、二つも契約するとか聞いたことないぞ!」
兄は混乱したらしい。
そういえば、ちゃんと私の目的を告げてなかった気がする。
兄の中では、仲良くなった隣国の王子の国に、遊びに来た程度の認識なんだろう。
「にーたん、実はアタチには大事な話があるんでしゅ」
「な、なんだい……まだ嫁ぐのは早いよ?」
「わかってるでしゅ、ともかく国に帰ったら、とーたんも含めて話し合いしたいでしゅよ」
「今だけこっそり、お兄ちゃんに言ってごらん?」
「嫌でしゅ」
二度手間とらせんな、一発でスカッと終わらせたいんだよ、二回も面倒くさい。
だが、幼女の私には保護者が絶対なのだ。
帰ったら言うリスト『美味しいもの目当てに旅行したい』
「アーリーは優しい子だからね、そのスキルを使って他の精霊様たちを助けてあげたいんだろ? 私にはわかるよ」
「うにゅう」
「でも、まだ小さいんだ。自分の世話をして貰うのが先なんだよ」
「アタチにはスキルあるでしゅよ」
「だから、お兄ちゃんがちゃんと、アーリーのスキルについて話し合ってきたよ」
「仕事ちゃんとしてたんでしゅね」
ほおーっと感動して拍手してあげた。
つられてパラパラと残りの家来どもは拍手した。
「んで結局どーなったんだ?」
「うむ、アーリーの力を内緒にする代わりに、定期的に日持ちがする食べ物を届ける事で話がついた」
「なら、チーズとか日持ちがするでしゅね。レシピの交換とかしたら楽しいと思うでしゅ」
「アーリーは天才だな! さすがは私の妹だ! おっと話が逸れた。それで一人の人間が複数の精霊と契約すると何が起こるんだ?」
アールとエバは顔を見合わせた。
「何も?」
兄はガックリと肩をおとした。
「王子たるもの、紅茶の一つも自らの手でだな……」
「はい、お兄さん」
さながら師匠に従う弟子のように、大きな王子の傍には小さな王子が。
しゅーさん待って、その兄から学んではいけない。色んな意味で迷子になっちゃうよ?
皆で兄印のお茶を飲みつつ、ダラダラと食後を楽しんだ。
「で、しゅーさんのとーたんの具合はどうだったんでしゅか?」
「起き上がるのも大変らしく、内部からの苦痛に耐えているらしい。どの部位かまでは教えて貰えなかったが」
「あ、お尻よ」
「「は?」」
不覚にも兄妹の声がハモってしまった。
てか、え?
真剣な顔で、再度エバは言った。
「だからお尻よ。痔なの」
「「はぁぁぁ?」」
おいおい、別に知りたくない国家機密を簡単にバラさないでくれ。
ああ、嫌だ嫌だ。
あとしゅーさんを見ると青ざめていた。
えっ? やっぱお父さんの痔を知られるのは嫌だよね?
「なら、父上は別に……起き上がれないだけで命に危険はないのですね?」
「あら? 坊やは知らなかったの?」
「まだ幼いからと、父も兄上も……」
「二人とも、あなたのお母さまが亡くなってから、過保護だもんね」
そうか……だからずっと、王妃様の姿が見えないんだ。
私なんか、ピーマン大好き脱走妻だったらしい。
よく考えたら、アクティブだよね?
「心配しなくても、このご飯で元気になったからチャチャっと治してやるわよ。もう遠慮なんかさせないわ!」
「有難うございますエバ様!」
良かったねと、私がしゅーさんの手を握ると、ぎゅっと握り返してくれた。
「きっと幼い僕には、わかんないと思って言わなかったんだよ」
「そうだね、痔だしね」
恐ろしき痔……晩年はしゅーさんも苦しんでいた気がする。
知らされていなかった事より、治る事を喜べるのがしゅーさんだ。
残ったらおにぎりの予定だった炊き込みご飯は、ほぼ精霊達にペロリと食べられてしまった。
しゃーねーな。
ちなみに私も、久しぶりの炊き込みご飯で、お腹がポンポコリンだ。
ぽこぽん・ぽこぽんとお腹を叩いていると、なぜか兄としゅーさんが微笑んでいた。
「さあ、じゃあ一仕事やってきますかーっと、その前に、はいおチビちゃん。お口あーん」
「あーん」
私はお腹いっぱいで、ご機嫌なのだ。
言われたとおりに、エバの合図と共に口を開けたら、ポーンと何か放り込まれた。
「むぎゅっ、ん、むぐむぐむぐ」
口の中に甘い飴を貰ったよ! 美味しいね!
……って、このパターンには身に覚えがあるのだが?
「良かったねまゆまゆ! エバ様に認められたよ!」
「ふにゅ? モグモグモグ」
という事は、これは火の鳥ゲットだぜ?
「ガリガリ……ごっくん。そか、永遠の命をとうとう……」
「それは別の漫画とかアニメの話で、エバ様は炎を司る鳥なだけだよ」
「そうだぞ、ただの嫉妬心の強い無差別放火魔だ」
しゅーさんのツッコミにアールも乗ってきた。
「そういえば、先ほどボヤ騒ぎがあったらしいが、アール知らないか?」
兄の質問に、アールは無言でエバを指さした。
エバは真剣な顔をして、ハキハキと答えた。
「記憶に御座いません!」
「いや、確か貴方はこの国の精霊様だったはずだ。どうして妹と契約を、この子はこの国の子ではないですよ」
「でも結婚したら、うちの子じゃない?」
「認めません! まだ早い! というか他国の精霊と契約なんて……そもそも、二つも契約するとか聞いたことないぞ!」
兄は混乱したらしい。
そういえば、ちゃんと私の目的を告げてなかった気がする。
兄の中では、仲良くなった隣国の王子の国に、遊びに来た程度の認識なんだろう。
「にーたん、実はアタチには大事な話があるんでしゅ」
「な、なんだい……まだ嫁ぐのは早いよ?」
「わかってるでしゅ、ともかく国に帰ったら、とーたんも含めて話し合いしたいでしゅよ」
「今だけこっそり、お兄ちゃんに言ってごらん?」
「嫌でしゅ」
二度手間とらせんな、一発でスカッと終わらせたいんだよ、二回も面倒くさい。
だが、幼女の私には保護者が絶対なのだ。
帰ったら言うリスト『美味しいもの目当てに旅行したい』
「アーリーは優しい子だからね、そのスキルを使って他の精霊様たちを助けてあげたいんだろ? 私にはわかるよ」
「うにゅう」
「でも、まだ小さいんだ。自分の世話をして貰うのが先なんだよ」
「アタチにはスキルあるでしゅよ」
「だから、お兄ちゃんがちゃんと、アーリーのスキルについて話し合ってきたよ」
「仕事ちゃんとしてたんでしゅね」
ほおーっと感動して拍手してあげた。
つられてパラパラと残りの家来どもは拍手した。
「んで結局どーなったんだ?」
「うむ、アーリーの力を内緒にする代わりに、定期的に日持ちがする食べ物を届ける事で話がついた」
「なら、チーズとか日持ちがするでしゅね。レシピの交換とかしたら楽しいと思うでしゅ」
「アーリーは天才だな! さすがは私の妹だ! おっと話が逸れた。それで一人の人間が複数の精霊と契約すると何が起こるんだ?」
アールとエバは顔を見合わせた。
「何も?」
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