転生幼女は発酵スキルで、異世界に和食革命を起こす!味噌、醤油、酢を作って餌付けしたら、いつの間にか世界に名が轟いていた件

西野和歌

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第4章 女神降臨

第46話 お父さんは許しましぇん!

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 あれからの私……捕らわれた宇宙人のように父にダッコされて脱力してます。
 いや……辛い……助けて、いっそ息の根止めてくれ。
 勿論、私ではなくおっさんの方をだ!

 応接室で私たちは集められ、使用人たちは退室させられている。
 まずは、しゅーさんが父を説得していた。

「うちの娘の傍にいたいという意志は理解した。留学という形でなら受け入れる事もできるだろう。他国との外交が減っていく中で、我が国スターツとディランの友好は好ましいものだ」
「はい、ありがとうございます陛下」
「だが、まだ結婚は早い」
「勿論です。彼女が十六歳になったその時に、改めて求婚します。それまでは幼い友情として見守っていただけませんか?」
「ふむ……」

 ダメだ。しゅーさんが一人で戦っているのに、私が真っ白な灰になっている場合ではない。
 必死に父の胸に抱かれながら、顔をペチペチと叩いて訴えた。

「しゅーさんと一緒にいるでしゅ」
「仲良しさんか……まあ友達ならば必要だな」
「でしゅでしゅ」

 話せばわかるじゃん、流石は私の父である。
 鼻息荒く、私は今後の計画を父に打ち明けた。

「しゅーさんと旅するでしゅ! 美味しい物を探し出したいでしゅ!」
「ダメで――――――――す!!」
「びょえええーっ!!」

 突然の豹変に、大きく体をビクつかせて私は大泣きしてしまった。
 いつもなら、ここでデロデロの父は折れるのだ。
 なのに、今回は折れなかった。前言撤回!

「美味しいものは取り寄せればいい。まだ幼い娘を旅に出すなど許しません!」

 黙って見ていた精霊二人も加勢してきた。
 言ってやれ、一応は守護精霊なんだから言ってやれ!

「王よ、アリアナには我らの食事を用意するという使命がある」
「まだ幼子です。我が国にいながらできる事でしょう」
「でも、私がここに来れたのは、チビちゃんのご飯で元気になれたからなのよね」
「あなた様がディラン王国の精霊様だとは伺いました。娘を発見できた恩義がございますが、我が娘は精霊様のお役に立てるのは、まだ早いかと思います」

 そうか? と二人は顔を突き合わせる。
 おい、もっと頑張れよ。まだ欲しい食材が山ほどあるんだから。

「既に、お前の娘は我らと契約しているのだが?」
「それに関しても、もう少し娘が大きくなるまでお待ち頂きたい。悠久の時を生きる精霊様からすれば、瞬き程度の時間です」
「既に、この娘の食事の有益性を我らは知った。我らを飢えさせる事は、国だけでなく世界を衰退させる事だと気づいておろうが!」

 目を赤くしたアールが怒鳴りつけた途端に、周囲の空気がビリリと震えた。
 私たち人間は、本能で恐怖して動けなくなった。

「いいか、これは決定事項なのだ! この国とディランだけでなく、他国の精霊にさえ近いうちに娘の力を知られるだろう。お前はどうやって、他の精霊から娘を守るのだ!」
「それでも、娘はまだ三歳児なのです!」

 すげぇ、とーたん言い返したよ!
 私はダッコされながら、微かに震える体を深呼吸して落ち着かせる父に、初めて尊敬を覚えた。

「とーたんは、王様だったでしゅね」
「なんだと思ってたんだい? ア~ちゃんは可愛いでしゅね」

 うん、やっぱり気のせいだったかな?
 なんとなく空気が和んだよ。

「それで、私たちのご飯の件は? 他の精霊も飢えてると思うけど?」
「どうして我が娘だけが、こんな幼い時から重荷を背負わなくてはいけないのですか」
「ご飯美味しいと、嬉しいでしゅよ?」

 ん? とみんなが私を見つめたので、ニッコリと天使の笑顔で返してあげた。

「難しく考えなくていいでしゅよ。色んな国で、美味しい物を食べたいだけでしゅよ」
「それでも、他国に行くのは心配でなぁ」
「さんちゃいだからでしゅか?」
「さんちゃいだからでちゅよ」

 やめろやめろ、ほっぺにチューしてくるな。私は必死で抵抗した。
 まあ、普通に考えたら三歳児が他国旅行とか、確かに心配だよね。
 少なくとも、彼らは私を家族として愛してくれているのだ。

「たとえ世界が滅んでも、わしは娘が一番大事だ」
「いやいや、簡単に滅ぼしてはダメです父上」
「だよな、もう他のやつらは飢えたらいいんじゃね?」
「だめよ女神様に怒られるわよ」

 みんな好き勝手に話を始めたなあ。
 私は、何がなんでも私を抱きしめて離さない父を見つめた。
 優しい目で、私を見つめた父が言う。

「メリッサが、命をかけて残したわしの可愛い娘だ。ゆっくりと大人になればいい」
 
 親心からの心配だよね、わかるよ。
 でもさ、すまん。私の中身はあんたより年上なんだわ。
 子供の自主性は、伸ばしてやらんとダメなんだよ。

 子供ってのは可能性の塊なのだ。
 だから未来への投資として、少しはリスクを犯さなくてはいけない。
 そう、未来の美味しいご飯の為にだ!

 みんなが好き勝手に、やいのやいのと始めたので、私は手をパンパンと叩いて大声で叫んだ。

「静まりぇーぃ! みんなこっちに集中しゅるでしゅーっ!」

 オラオラ、こっち見ろよ? このままだと終わんないからな?
 またまた、パンパンパンっと。よし、みんなこっち見たな。

「腹が減っては戦はできぬ! ご飯食べるでしゅよ!」
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