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第6章 拝啓・北の国から
第91話 久しぶりぶり・デブ
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「しゅーさん、入口のデブを連れてきて欲しいでしゅよ」
「デブ? まさか!」
しゅーさんは、慌てて隣の部屋の居間兼出入口に向かった。
そして即座に、見覚えのあるデブを連れてきた。
「おおーっ腹減って誘われて来たら、お嬢ちゃんやないか。久しぶりやなぁ」
「デブ元気そうでしゅ」
「デブやない、ゼンや。坊ちゃんも、そしてそっちのお姉ちゃんもこんにちは」
「「はい、こんにちは」」
どこかで着替えたのか、以前よりは身なりを整えたデブこと、パナマナで知り合った魔界出身の行商ゼンがそこにいた。
「もしかして、飯作ってたんか? なら後生や、わいにも飯食わせて欲しいんや」
「ダダは嫌でしゅ」
「本当に、お嬢ちゃんはしっかりしてるなぁ」
ティナが警戒しつつも、ちゃんとシャカシャカしていて偉い偉い。
「とりあえず何かよこせでしゅ」
「何が欲しいんや?」
私は台所を見渡して、吊るしてある玉ねぎを見つけた。
あとの目ぼしい食材はなさそうだ。
「肉か卵はないでしゅかねぇ」
「干し肉ならあるで」
「それ提供しろでしゅ」
出された干し肉と、玉ねぎの皮を剥く。
小さなボールに両方入れて、鍋の蓋を代用して、ボールの上を塞いだ。
「きたれ風! 粉砕っフンフン! 細かくなぁーれっ!」
青い光と共に、アールの風の力が作動して中身がみじん切りになる。
ミキサー要らずであら便利。
いつもは自分の力を使うのは疲れるから控えるんだけど、ともかく私は苛立ちと腹減りで限界なのだ。
――パンツの思い出を粉砕したい ――
「ティナそれ見せろいでしゅ」
シャカシャカを止めて、水筒の中を覗くと笑いがこぼれた。
「ククク、これこそがアタチの願っていたモノでしゅよ……」
「暗黒に落ちたまゆまゆも可愛いね」
「一体、何があったんや? って、それはバターかいな!」
流石は転生者だ。そう、私が作ったのは発酵チーズで、ティナに作らせたのは分離のバター。
フライパンを用意して貰い、肉と玉ねぎの細かいのを、ティナにバターで炒めて貰う。
火をつけるのに手間がかかっていたので、私の火のスキルを使用した。
驚くティナにとっとと炒めとけと命令しつつ、次だ次。
美味しいものを作るには、とても手間がかかるのだ。
「チーズを半分に切るでしゅ」
「わかったよ、まゆまゆ」
「残りは乾燥したタオルで巻いて、風通しの良い場所に置いておくでしゅよ」
「ほへー。わいは何かする事あるかいな?
ゼンがそう言った途端に黒い風が吹いて、台所の入口に調味料グッズの入ったリュックを掲げだアールと黒羊が現れた。
「ああ、やっぱりお前か」
「お久しぶりやで、兄さん」
なんとなく、穏やかな挨拶交わした二人と違い、初対面の羊のゼファーは怒った。
「この禍々しい気配の人間は、なぜ私の家にいるんですかっ!」
「うるさいでしゅ! このデブはアタチの便利な道具でしゅ」
「……そら殺生な……わい、いつのまに道具に……」
「ご飯欲しいなら、黙ってろいでしゅ!」
いつもよりイライラと鬼気迫る私を察して、アールが羊の肩をつかんで
「まあまあ、あいつは我も知っているゆえに……」
ブツブツと文句を言う羊を連行して消えた。
ちなみにティナは、一心不乱に炒め物に集中している。
香ばしいバターの匂いが立ち込めて、少し私の気持ちも持ち直してきた。
アールが持ってきたリュックから、調味料を探す。
「でしゅ? でしゅ!」
まず手を突っ込むと、新しいカボチャパンツ白、そして次に黄色、続いて緑。
おいこら待て、調味料は?
「えーっと、寒さ対策万全だね?」
「あの馬鹿狼は、酢漬けで逆さづりでしゅぅぅうううう!」
しゅーさんが急いでリュツクの底から、調味料一式を出して、色とりどりのパンツは綺麗に折りたたまれて収納された。
ちなみデブは目線を逸らした。危険本能はあるらしい、流石は魔界出身者だ。
ワナワナと塩コショウを握りしめて、炒めたフライパンにフリフリした。
パナマナの胡椒と、俺の塩です。
それを先ほど作っていた、鶏ガラおかゆに投入した。
「おいゴラ、デブ! チーズの擦りおろしとか持ってないでしゅか?」
怒りに燃える私に、ゼンは木の洗濯板のような、小さなギザギザのついた板を、恭しく差し出した。うむ、お前はやっぱり便利な道具だ。
風で細かくするのもいいが、香りが大事だ。
鶏ガラおかゆに、チーズをスリスリ・スリスリと擦って投入していく。
しゅ-さんは理解しているらしく、黙って木の匙で底からゆっくりかき混ぜてくれた。
昔、子供によく作ってやったもんね。
チーズが安売りの時は、大量に購入しておいて冷凍しておいたのさ。
野菜嫌いな子も、コレにして混ぜて入れると黙って食べたしね。
「ほぅう、もしやコレは……ええ匂いや」
「デブはティナと飲み物と器を用意しろいでしゅ!」
「了解や! 鬼軍曹!」
誰が鬼軍曹だ。
ともかく、後ろでカチャカチャしているので、食器等の準備は任せた。
「まゆまゆ、そっちと交代するよ? その小さな体じゃ疲れるでしょ?」
「怒りをぶつけているから大丈夫でしゅ」
全ての怒りと憎しみを、スリスリスリスリと注ぎ込んだ。
「デブ? まさか!」
しゅーさんは、慌てて隣の部屋の居間兼出入口に向かった。
そして即座に、見覚えのあるデブを連れてきた。
「おおーっ腹減って誘われて来たら、お嬢ちゃんやないか。久しぶりやなぁ」
「デブ元気そうでしゅ」
「デブやない、ゼンや。坊ちゃんも、そしてそっちのお姉ちゃんもこんにちは」
「「はい、こんにちは」」
どこかで着替えたのか、以前よりは身なりを整えたデブこと、パナマナで知り合った魔界出身の行商ゼンがそこにいた。
「もしかして、飯作ってたんか? なら後生や、わいにも飯食わせて欲しいんや」
「ダダは嫌でしゅ」
「本当に、お嬢ちゃんはしっかりしてるなぁ」
ティナが警戒しつつも、ちゃんとシャカシャカしていて偉い偉い。
「とりあえず何かよこせでしゅ」
「何が欲しいんや?」
私は台所を見渡して、吊るしてある玉ねぎを見つけた。
あとの目ぼしい食材はなさそうだ。
「肉か卵はないでしゅかねぇ」
「干し肉ならあるで」
「それ提供しろでしゅ」
出された干し肉と、玉ねぎの皮を剥く。
小さなボールに両方入れて、鍋の蓋を代用して、ボールの上を塞いだ。
「きたれ風! 粉砕っフンフン! 細かくなぁーれっ!」
青い光と共に、アールの風の力が作動して中身がみじん切りになる。
ミキサー要らずであら便利。
いつもは自分の力を使うのは疲れるから控えるんだけど、ともかく私は苛立ちと腹減りで限界なのだ。
――パンツの思い出を粉砕したい ――
「ティナそれ見せろいでしゅ」
シャカシャカを止めて、水筒の中を覗くと笑いがこぼれた。
「ククク、これこそがアタチの願っていたモノでしゅよ……」
「暗黒に落ちたまゆまゆも可愛いね」
「一体、何があったんや? って、それはバターかいな!」
流石は転生者だ。そう、私が作ったのは発酵チーズで、ティナに作らせたのは分離のバター。
フライパンを用意して貰い、肉と玉ねぎの細かいのを、ティナにバターで炒めて貰う。
火をつけるのに手間がかかっていたので、私の火のスキルを使用した。
驚くティナにとっとと炒めとけと命令しつつ、次だ次。
美味しいものを作るには、とても手間がかかるのだ。
「チーズを半分に切るでしゅ」
「わかったよ、まゆまゆ」
「残りは乾燥したタオルで巻いて、風通しの良い場所に置いておくでしゅよ」
「ほへー。わいは何かする事あるかいな?
ゼンがそう言った途端に黒い風が吹いて、台所の入口に調味料グッズの入ったリュックを掲げだアールと黒羊が現れた。
「ああ、やっぱりお前か」
「お久しぶりやで、兄さん」
なんとなく、穏やかな挨拶交わした二人と違い、初対面の羊のゼファーは怒った。
「この禍々しい気配の人間は、なぜ私の家にいるんですかっ!」
「うるさいでしゅ! このデブはアタチの便利な道具でしゅ」
「……そら殺生な……わい、いつのまに道具に……」
「ご飯欲しいなら、黙ってろいでしゅ!」
いつもよりイライラと鬼気迫る私を察して、アールが羊の肩をつかんで
「まあまあ、あいつは我も知っているゆえに……」
ブツブツと文句を言う羊を連行して消えた。
ちなみにティナは、一心不乱に炒め物に集中している。
香ばしいバターの匂いが立ち込めて、少し私の気持ちも持ち直してきた。
アールが持ってきたリュックから、調味料を探す。
「でしゅ? でしゅ!」
まず手を突っ込むと、新しいカボチャパンツ白、そして次に黄色、続いて緑。
おいこら待て、調味料は?
「えーっと、寒さ対策万全だね?」
「あの馬鹿狼は、酢漬けで逆さづりでしゅぅぅうううう!」
しゅーさんが急いでリュツクの底から、調味料一式を出して、色とりどりのパンツは綺麗に折りたたまれて収納された。
ちなみデブは目線を逸らした。危険本能はあるらしい、流石は魔界出身者だ。
ワナワナと塩コショウを握りしめて、炒めたフライパンにフリフリした。
パナマナの胡椒と、俺の塩です。
それを先ほど作っていた、鶏ガラおかゆに投入した。
「おいゴラ、デブ! チーズの擦りおろしとか持ってないでしゅか?」
怒りに燃える私に、ゼンは木の洗濯板のような、小さなギザギザのついた板を、恭しく差し出した。うむ、お前はやっぱり便利な道具だ。
風で細かくするのもいいが、香りが大事だ。
鶏ガラおかゆに、チーズをスリスリ・スリスリと擦って投入していく。
しゅ-さんは理解しているらしく、黙って木の匙で底からゆっくりかき混ぜてくれた。
昔、子供によく作ってやったもんね。
チーズが安売りの時は、大量に購入しておいて冷凍しておいたのさ。
野菜嫌いな子も、コレにして混ぜて入れると黙って食べたしね。
「ほぅう、もしやコレは……ええ匂いや」
「デブはティナと飲み物と器を用意しろいでしゅ!」
「了解や! 鬼軍曹!」
誰が鬼軍曹だ。
ともかく、後ろでカチャカチャしているので、食器等の準備は任せた。
「まゆまゆ、そっちと交代するよ? その小さな体じゃ疲れるでしょ?」
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全ての怒りと憎しみを、スリスリスリスリと注ぎ込んだ。
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