その手紙は、冥界から届けられた

ルサルカ

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第九話

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 私は元春の部屋へ入る。部屋の造りはどこも大体同じだ。ただ元春の部屋はベッドが取り除かれており、代わりに大きなテーブルが置かれている。窓は分厚いカーテンで覆われており、部屋は薄暗い。まあ、カーテンがなくても雨に沈んでいるこのホテルには薄闇が満ちていたが。

「そもそも、魔法というものはね。降霊術なんですよ」

 元春は、機嫌よくしゃべり続けている。

「ジョン・ディー、スウェーデンボルグ、それにあのアレイスター・クロウリーといった歴代の魔法使いが何をやっていたかというと、とどのつまりは降霊術なんです。そもそも降霊術、て何か判りますか?」

「死者を呼び出したり、そういうのじゃないですか?」

「うーん」

 元春は、少し首を傾ける。

「死者に限定すると少し違うかな。悪魔や天使、精霊。様々な異世界の存在と更新を行う。現代でもウィッチ・ドクターやジャングルの奥地に住むシャーマンは、異世界との交信を行っています。つまりアルターな世界との接続。それは、いい変えると」

 元春は喋りながら、セッティングを始める。テーブルの上に、ノートパソコンを置くと起動をかけた。無線LANのアンテナが建てられているのを見ると、ネットワークに接続されているようだ。

「負の存在確率に落ち込んだものを、見るということなんです。少しだけ、お見せしましょう」

 元春は、ぱちりと指を鳴らす。
 何かが、ぼんやりと浮かび上がる。しばらくすると、像が安定しはじめる。私は目を見張った。そこに現れたのは、女である。艶めかしい裸体を惜しげもなくさらし、赤い唇に薄い笑みを浮かべた女。
 その女は、口づけをするかのように私に顔を近づける。私は、甘い吐息を感じられるような気がした。幻覚にしては、あまりに生々しい気がする。
 もう一度、ぱちりと指のなる音がし女の姿が掻き消えた。元春が、にっこりと笑みを浮かべる。
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