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第五話
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「かまわねぇから、腕の一本でもへし折っとけ。んなら、姫さんも満足するだろ」
「はぁ」
エギルの言葉に、ダークはやる気なさそうに返事をする。
わたしはにこにこと笑ってはいるが、えらい扱いだねぇと思う。
突然疾風が巻き起こり、剣がわたしに襲いかかる。
訓練刀だから刃引きはしてるようだけど、金属の塊だからあたれば骨が折れるわね。
まあ、あたればだけど。
ダークは空気を引き裂き二の太刀三の太刀を繰り出す。
わたしは、スウェイ、ウェービング、ダッキングで上半身を動かして避けた。
遅い。
剣の速度は、すっげぇ遅い。
わたしは一歩も動かず身体を反らすだけで避けれる。
ダークは予備動作なく鋭い動きで剣を放つが、いくらなんでも遅すぎた。
ボクサーのジャブと比べると、カタツムリが這う速度に思える。
けど、わたしが強化され超人化してるから遅く感じるのかなぁとも、思う。
蒼白く輝く鋼が旋風を巻き起こしわたしを薙ぎ倒そうとするが、わたしは風に吹かれる木の葉みたいにゆらゆら躱す。
ダークはデカい割にはよく動けるし、スタミナもある。
かなり頑張って剣を振り回していたが、とうとう息が切れ剣を降ろす。
すかさずわたしは間合いをつめ、ダークの軸足を刈った。
すとんと、ダークは尻もちをつく。
ようやく顔が、わたしの顔と同じ高さにきた。
わたしはちょんと掌打を顎先に放つ。
ぐるんと脳が揺さぶられ、ダークは大の字に倒れた。
「あら、ごめんなさい」
わたしは、エギルの方を向く。
「この方は多分今日の朝徴兵されて、まだ訓練受けてない方だったみたいですわね」
エギルの目が釣り上がり、頬が赤く染まる。
どう考えても、ダークはベテランっぽかったけど、素人にしといてあげたよって笑みをわたしがみせた。
「アールヴ、こい!」
エギルの叫びに応じて、ひとりのおとこが現れる。
ダークとは違い、引き締まってしなやかな身体を持つ。身のこなしも、敏捷に見える。
剣も細身で、素早い扱いに向いてそうな業物だ。
「なんですか」
アールヴと呼ばれたおとこは、ため息交じりに応える。
まだ若い。
わたし、リリベッドと同い年くらいか。
「おまえが奥方の相手をしてやれ。うっかり殺してもいいぞ」
アールヴは、苦笑する。
「勘弁してくださいよ」
「殺せるものなら、殺していただいて構わなくってよ」
「はぁ」
エギルの言葉に、ダークはやる気なさそうに返事をする。
わたしはにこにこと笑ってはいるが、えらい扱いだねぇと思う。
突然疾風が巻き起こり、剣がわたしに襲いかかる。
訓練刀だから刃引きはしてるようだけど、金属の塊だからあたれば骨が折れるわね。
まあ、あたればだけど。
ダークは空気を引き裂き二の太刀三の太刀を繰り出す。
わたしは、スウェイ、ウェービング、ダッキングで上半身を動かして避けた。
遅い。
剣の速度は、すっげぇ遅い。
わたしは一歩も動かず身体を反らすだけで避けれる。
ダークは予備動作なく鋭い動きで剣を放つが、いくらなんでも遅すぎた。
ボクサーのジャブと比べると、カタツムリが這う速度に思える。
けど、わたしが強化され超人化してるから遅く感じるのかなぁとも、思う。
蒼白く輝く鋼が旋風を巻き起こしわたしを薙ぎ倒そうとするが、わたしは風に吹かれる木の葉みたいにゆらゆら躱す。
ダークはデカい割にはよく動けるし、スタミナもある。
かなり頑張って剣を振り回していたが、とうとう息が切れ剣を降ろす。
すかさずわたしは間合いをつめ、ダークの軸足を刈った。
すとんと、ダークは尻もちをつく。
ようやく顔が、わたしの顔と同じ高さにきた。
わたしはちょんと掌打を顎先に放つ。
ぐるんと脳が揺さぶられ、ダークは大の字に倒れた。
「あら、ごめんなさい」
わたしは、エギルの方を向く。
「この方は多分今日の朝徴兵されて、まだ訓練受けてない方だったみたいですわね」
エギルの目が釣り上がり、頬が赤く染まる。
どう考えても、ダークはベテランっぽかったけど、素人にしといてあげたよって笑みをわたしがみせた。
「アールヴ、こい!」
エギルの叫びに応じて、ひとりのおとこが現れる。
ダークとは違い、引き締まってしなやかな身体を持つ。身のこなしも、敏捷に見える。
剣も細身で、素早い扱いに向いてそうな業物だ。
「なんですか」
アールヴと呼ばれたおとこは、ため息交じりに応える。
まだ若い。
わたし、リリベッドと同い年くらいか。
「おまえが奥方の相手をしてやれ。うっかり殺してもいいぞ」
アールヴは、苦笑する。
「勘弁してくださいよ」
「殺せるものなら、殺していただいて構わなくってよ」
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