転生したら公爵令嬢になって辺境伯に嫁ぐことになったけど「貴女は必要無い」と言われたので、好きにすることにしました

ルサルカ

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第八話

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 わたしは腰に吊るしていた魔法書を取り出し、空間魔法を発動するとグリズリーの死体を収納した。
 ふと周りを見ると、いつの間にか灰色狼に取り囲まれている。

「やあ、よく来たね。歓迎するよ」

 わたしの挨拶に応えるように、灰色狼が襲いかかってきた。
 お、速いね。
 子供が投げるキャッチボールの玉くらいの、速さになった。
 野球なら、ちょうど打ち頃のストレートって感じ?
 わたしはカウンターになるよう、フックを狼に打ち込む。
 あっさり狼は倒れて、白目を剥いて泡を吹く。
 え、弱っわ、と驚いた。
 君たちそんな弱くて、よく自然界を生き抜いたなと思う。
 次々に狼が襲いかかってきたが、わたしはもう作業のように淡々と殴り倒す。
 あっという間に、十頭の狼が泡を吹いて痙攣することになった。
 わたしはそいつらにもプラーナを流し込んでトドメを指すと、空間魔法で収納する。
 さて、もう何頭かグリズリー倒したいなと思う。
 多分、さっきのは病気かなんかで弱ってたんだよね。弱すぎるし。
 もうちょっと歯ごたえのある相手を求めて、わたしは走った。

 わたしが城に戻ったのは、昼下がりだ。
 昼食は食べそこねたけれど、晩ごはんのおかずには間に合ったね。
 わたしは庭仕事をしていたメイドを捕まえ、アンを呼んでもらう。
 メイドはとても迷惑そうにしていたが、だるそうにアンを呼びに行ってくれた。
 険悪な顔をしたアンがやってきたので、わたしは上機嫌に笑いながら三頭のグリズリーと十五頭の灰色狼をアンの前に並べる。
 アンは驚いたのか、尻もちをついて口をパクパクさせた。
 何その大げさなリアクションと思い、わたしはクスクス笑う。

「いったい、どうやって。ウマは使われてませんよね」

 わたしは、アンの言葉に頷く。

「もちろん。走っていって、走ってもどりましたわ」

 アンは、首を振る。

「それでは、日が暮れるというか。明日の朝までかかります」

 わたしは、おほほと笑う。

「大げさですわね。森なんて、ちょっと走ればすぐにつきますわよ」

 アンは、首を振ってため息をついた。

「しかも、こんなに狩って」

「ああ、大丈夫。群れに属してないはぐれを狩りましたので」

 必要以上に捕食獣を狩ると、今度はムースの類が増えて畑を荒らされる。
 でも群れからはぐれた連中は狩場で狩りをできないので、結局里に降りてきて家畜を襲う。
 だから、春になる前に狩っといたほうがいい。
 アンは、眉間にシワをよせる。

「何も狩りに使う道具は、持っていかれてませんでいたよね」

 アンの言葉に、わたしは頷く。

「飢えて弱ってましたので、軽く叩いたら死にました」

 我ながら言ってることが、無茶苦茶だと思う。
 アンは、凶悪な目でわたしを睨む。
 わたしは口元に手をあて、おほほと笑う。

「お手数かけますけれど、解体できる方を呼んでいただけますか?」
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