空を飛ぶ少女、引きこもりの少年、破壊を求めるおとこ

ルサルカ

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第69話「地上に太陽が堕ちたような閃光があたりを包む」【リディア】

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地上から天上に向かって、光の柱が幾本も聳え立つ。

真紅に染まっていた雲は光に切り裂かれ、薔薇色に染まった。

4機のF35が一瞬にして焔に包まれ、燃え盛る凶星と化して地上へ墜落する。

黒き龍たちが放つプラズマ砲は、それだけでは済まなかった。

龍たちは、空を見上げる。

まだ、12機のF35が高空を旋回していた。

それは、地上から天空に向けてのルシフェル・ハンマーの一撃となる。

衝撃波がヘリを襲い、その機体を翻弄した。

わたしは、墜落しないよう操縦に集中する。

光は地上へ堕ちた太陽かと思うほどの、強力な圧力を持っていた。

ゴジラサウルスたちが放った圧倒的な力は、火山の噴火がごとき様相を呈す。

薔薇色に染まった雲は、逆になったすり鉢状に形を造る。

悪魔の一撃は、天空へと抜けていった。

16機のF35は、儚く小さな火花となって消し飛ばされる。

一瞬にして、F35の二個中隊が消滅することになった。

わたしはなんとか、ヘリを立て直す。

黒竜式は、全身を赤い雷に包ながら何事も無かったように再び歩き出した。

スミスが、鋭い声を放つ。

「弾道ミサイルがくるぞ。ここから離れろ!」

わたしは、レーダーに輝点を確認する。

案外、閣僚は素早い判断を下したらしい。

おそらくは、カンパニーが綿密に手を回していたということなのだろう。

わたしはヘリの機体を翻し、ゴジラサウルスたちから距離を取る。

埋立地である人工島から離れ、首都高速を越えて市街地へと入っていく。

ビルの立ち並ぶ市街地へ入ったが、ひとの気配は無く車も全く動いていない。

「へぇ、短時間で民間人を退避させたようだな」

わたしの言葉に、スミスが反応する。

「地震やらタイフーンやら、自然災害の多い都市だからな。それなりに非常事態プログラムが用意されてるんだろう」

わたしは、環状線の内側までヘリを移動させる。

スミスが、叫ぶ。

「もう、時間が無い。その大きなビルの影に着地させろ」

わたしは、完全に交通規制がされて車もひとも動く気配が無い道路にヘリを着地させる。

着地させるのと、地上に太陽が堕ちたような閃光があたりを包むのは、ほぼ同時であった。

一拍遅れて、荒ぶる巨人の息吹となった暴風と、悪魔の放つハンマーとなった衝撃波が地上を満たす。

地の底で巨人たちが絶叫をあげたかのような轟音が、世界に落ちてきた。

ヘリは、ぐらぐらと揺さぶられる。

わたしは、祈るような気持ちでシートにしがみついていた。
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