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第八話
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椅子に腰掛け待っていた青い瞳の少女は、扉が開きそこから姿を現したものをみて息を呑む。
彼女が竜を伴って、部屋から出てきたからだ。
「お姉さま」
少女の声がけに、彼女はそっと頷く。
「わたしたちは、この竜に乗って旅立つのよ」
少女は、首を傾げる。
「いったい、どこへ行こうとゆうのでしょう」
彼女は、静かな調子で応えた。
「もうすぐ理がこの世界を支配し、滅びがはじまる。その前に、わたしたちは、暗黒の塔へと行く」
「暗黒の塔?」
少女の問いかけに、彼女は首を縦に振って応える。
「わたしたちは暗黒の塔で自らを贄として捧げ、滅びから逃れるの。さあおいで、妹よ。旅立つとしよう」
彼女はそういって、窓を大きく開け放つ。
黒い竜は、開いた窓から屋根へと歩み出る。
彼女と青い瞳の少女も、屋根の上へと並んで立った。
いつしか空は、黄金色に染まっている。
それは勇壮で荘厳な景色であると、思えた。
そしてその黄金色の輝きは、滅びへの序曲であると思う。
彼女と少女は身を屈め背中を低くした竜に乗り、跨る。
夜空のような漆黒に染まる竜は、幾度か羽ばたくと黄金に輝く空へと舞い上がった。
そこからは、長い旅路である。
彼女と少女は幾つもの海を渡り、幾つもの山を越え竜とともに飛び続けた。
二人は山の中にある洞窟や海にある小島に時折降り立ち、食事をとり眠りにつく。
そうして、一体何度眠り何度目覚めたか忘れ去るほど飛び続けた結果、彼方に高く聳える塔が見え始めた。
そこは山に囲まれた土地であり、中心には大きな湖がある。
湖は青く輝き、しんとした静けさを内に秘めているようだ。
そして暗黒の塔は、湖のほとりに建てられている。
彼女たちの背後で空は黄金に輝いているが、徐々にその色は深い赤へと変わってゆく。
暗黒の塔の背後にある空は、深い藍に染まっている。
その藍は濃さをましてゆき、宇宙そのものへと繋がる暗黒を内に秘めているようだ。
塔を眼の前にして、少女が問いを彼女へと発した。
「お姉さま、理はそろそろ支配を終えたように思います。理がこの世を支配すると、どうなるのでしょう」
彼女は、皮肉な笑みを浮かべる。
「世界は安定し、平和が支配するのだよ。しかしね、妹よ」
彼女は哀しげな顔をして、言葉を続ける。
「異形や怪異が消え去ると同時に、美しいものも戦慄的なものも消え去ってゆくのだよ。そしてさながら世界は」
彼女は、そっとため息をつく。
「暗く深き鉄の牢獄と化すのさ」
少女は首を傾げる。
「でも、お姉さま。なぜ安定し平和と成る世界は、滅びてしまうのでしょう」
彼女は、笑みを浮かべながら言った。
「この世界の本質が、変化し流転するものだからさ、妹よ。美は世界から失われるが、滅びとなって逆襲してくるのだよ」
少女は、深く頷く。
いつの間にかその瞳は濃い青となっている。
そして彼女は、自分の瞳はすっかり真紅に染まっているのであろうと思う。
彼女が竜を伴って、部屋から出てきたからだ。
「お姉さま」
少女の声がけに、彼女はそっと頷く。
「わたしたちは、この竜に乗って旅立つのよ」
少女は、首を傾げる。
「いったい、どこへ行こうとゆうのでしょう」
彼女は、静かな調子で応えた。
「もうすぐ理がこの世界を支配し、滅びがはじまる。その前に、わたしたちは、暗黒の塔へと行く」
「暗黒の塔?」
少女の問いかけに、彼女は首を縦に振って応える。
「わたしたちは暗黒の塔で自らを贄として捧げ、滅びから逃れるの。さあおいで、妹よ。旅立つとしよう」
彼女はそういって、窓を大きく開け放つ。
黒い竜は、開いた窓から屋根へと歩み出る。
彼女と青い瞳の少女も、屋根の上へと並んで立った。
いつしか空は、黄金色に染まっている。
それは勇壮で荘厳な景色であると、思えた。
そしてその黄金色の輝きは、滅びへの序曲であると思う。
彼女と少女は身を屈め背中を低くした竜に乗り、跨る。
夜空のような漆黒に染まる竜は、幾度か羽ばたくと黄金に輝く空へと舞い上がった。
そこからは、長い旅路である。
彼女と少女は幾つもの海を渡り、幾つもの山を越え竜とともに飛び続けた。
二人は山の中にある洞窟や海にある小島に時折降り立ち、食事をとり眠りにつく。
そうして、一体何度眠り何度目覚めたか忘れ去るほど飛び続けた結果、彼方に高く聳える塔が見え始めた。
そこは山に囲まれた土地であり、中心には大きな湖がある。
湖は青く輝き、しんとした静けさを内に秘めているようだ。
そして暗黒の塔は、湖のほとりに建てられている。
彼女たちの背後で空は黄金に輝いているが、徐々にその色は深い赤へと変わってゆく。
暗黒の塔の背後にある空は、深い藍に染まっている。
その藍は濃さをましてゆき、宇宙そのものへと繋がる暗黒を内に秘めているようだ。
塔を眼の前にして、少女が問いを彼女へと発した。
「お姉さま、理はそろそろ支配を終えたように思います。理がこの世を支配すると、どうなるのでしょう」
彼女は、皮肉な笑みを浮かべる。
「世界は安定し、平和が支配するのだよ。しかしね、妹よ」
彼女は哀しげな顔をして、言葉を続ける。
「異形や怪異が消え去ると同時に、美しいものも戦慄的なものも消え去ってゆくのだよ。そしてさながら世界は」
彼女は、そっとため息をつく。
「暗く深き鉄の牢獄と化すのさ」
少女は首を傾げる。
「でも、お姉さま。なぜ安定し平和と成る世界は、滅びてしまうのでしょう」
彼女は、笑みを浮かべながら言った。
「この世界の本質が、変化し流転するものだからさ、妹よ。美は世界から失われるが、滅びとなって逆襲してくるのだよ」
少女は、深く頷く。
いつの間にかその瞳は濃い青となっている。
そして彼女は、自分の瞳はすっかり真紅に染まっているのであろうと思う。
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