5 / 10
第五話
しおりを挟む
彼女は、おれを見つめていた。
美しいおんな。
だが、性的なものを感じさせない、ある種中世の宗教画に描かれる聖女のようにも思う。
だが、その瞳の奥には、毒があると思う。
薄暗い部屋。
何か、楽屋裏のような印象を受ける雑然とした部屋だ。
おれはなぜか、彼女という物語の登場人物になったような気がする。
「なあ、こんな話聞いて、面白いのかね?」
おれの問いに、彼女が頷く。
「ああ、面白いね。楽しく聞かせて貰ってるよ」
おれは、ため息をつく。
別に楽しめるような話でも、ないとは思うのだが。
まあ、聞き手が楽しいというのならそれでいいのか。
おれは話を、続けることにする。
❖
彼女とホテルで会っていた時にあった、ちょっとした出来事を話そう。
まあ、どうというほどのことではないんだけれど。
それは、おれと彼女がいささか壊れているからそう思うだけで、客観的に見るとそれはないだろっていう出来事なのかもしれない。
それでもおれと彼女にとっては、そんなこともあったっけという程度のものだ。
いつもおれは彼女の指示で、ホテルにつくと風呂に入る。
シャワーでもいいんじゃあないかという気もするんだが、風呂のほうが肌の油分が落ちるらしい。
本当かねとは思うが、特に逆らう理由もないので言われるがままにしている。
おれが風呂からあがると、床にビニールシートが敷いてあった。
何度か使い回すので、抽象画のように絵の具が残ったそのシートへおれは横たわる。
おれはいつもは死体になったような、気分になった。
その日はなんだか雰囲気が違ったのは、となりの部屋からおんなの喘ぎ声が聞こえたせいだろうか。
ラブホのくせに隣の部屋から音が聞こえるってのはどうかと思ったが、まあそこそこ大きな声だったということだろう。
「お、ハッスルしてるねぇ」
彼女は服を脱ぎながら、あはは、と笑いそう言った。
おれはいつも服を脱ぐこたぁないんじゃないかと思うんだが、彼女は服の生地がおれの肌に触れて乾いてないペイントが剥げるのをいやがる。
それにしたって下着はいいだろうと思うが、なんだか下着に色がつくのがいやだと言ってた。
まあ、彼女がやりたいようにやればいいとは思うが、その日に限ってなぜか彼女の裸体におんなを感じてしまったというか。
上手く言えないが、隣の部屋からの喘ぎ声とあいまって妙な生々しさを感じた。
それでも作業が始まれば、おれはただの物になっていくんだが。
その日、裸の下半身をおれに向けて作業する彼女をみて、何か変な感じになった。
普段はそんなことはなくて、多分彼女自身も気がついてはいないようだったのだが。
おれのほうに向けられた彼女の下半身にあるその部分は、明らかに性的な反応をおこしていた。
あれっと、思い見直すんだが、いつもと違う形をそこは示している。
どういうのだろう、何かおれに語りかけたいかのように少し口を開き、襞が膨らんでいた。
いつもは隠れている先端の芽も、少し覗いているようだ。
彼女はそういえば、生理が近いとも言ってたような気もした。
なんだかそんな彼女の下半身を見ているうちに、おれのその部分も反応を起こしてしまう。
一度反応が始まってしまうと押し留めることはできず、そこに熱が集まっていくのを感じる。
突然そこを、彼女に掴まれた。
「ねぇ、ちょっと邪魔なんだけど、これ」
おれは、苦笑交じりに応える。
「邪魔、って言われてもなあ。外せるもんなら、とりはずすけどそうもいかんしね」
おれの言葉に納得したのかどうかはわからないが、彼女はなぜかおれのものの先端に指を伸ばす。
それは愛撫するっていうよりも、医者が患部を確認するとかそんな感じでおれの先端をぐいっと開いて指を差し込んできた。
彼女の、ガラクタを扱うをような雑っぽい扱いに、おれは少し引いたけれどそれで反応がおさまるものでもない。
むしろおれの先端はおれの思いに関係なく、彼女の指先を咥え込もうとしている気がする。
そして、彼女のその部分はより反応が進んでいた。
襞は花弁のように開いてきており、芽は包皮から抜け出すように大きくなりつつある。
彼女の反応をみたせいか、おれのそれは残念なことに収まる気配がない。
「なんとかならないかなあ、これ」
彼女の言葉に、おれは応える。
「まあ、こればっかりは自分の意思では如何ともしがたい」
彼女は納得したのかどうかよく判らないが、不満そうにおれのそれを弄んでいる。
先端をぎゅうっと潰したり指で弾いて揺らしてみたり、子供が遊ぶような扱いをした。
彼女は気がついていないようだが、彼女のそこは開いた口が見えるところまで変化している。
まるで何かを待っているように、彼女の下半身にある口は開いてひくひくしていた。
彼女の襞は開いて奥にあるピンク色の粘膜が少し濡れているらしいところまで、見えてしまう。
おれは、見ていられない気分になってくる。
美しいおんな。
だが、性的なものを感じさせない、ある種中世の宗教画に描かれる聖女のようにも思う。
だが、その瞳の奥には、毒があると思う。
薄暗い部屋。
何か、楽屋裏のような印象を受ける雑然とした部屋だ。
おれはなぜか、彼女という物語の登場人物になったような気がする。
「なあ、こんな話聞いて、面白いのかね?」
おれの問いに、彼女が頷く。
「ああ、面白いね。楽しく聞かせて貰ってるよ」
おれは、ため息をつく。
別に楽しめるような話でも、ないとは思うのだが。
まあ、聞き手が楽しいというのならそれでいいのか。
おれは話を、続けることにする。
❖
彼女とホテルで会っていた時にあった、ちょっとした出来事を話そう。
まあ、どうというほどのことではないんだけれど。
それは、おれと彼女がいささか壊れているからそう思うだけで、客観的に見るとそれはないだろっていう出来事なのかもしれない。
それでもおれと彼女にとっては、そんなこともあったっけという程度のものだ。
いつもおれは彼女の指示で、ホテルにつくと風呂に入る。
シャワーでもいいんじゃあないかという気もするんだが、風呂のほうが肌の油分が落ちるらしい。
本当かねとは思うが、特に逆らう理由もないので言われるがままにしている。
おれが風呂からあがると、床にビニールシートが敷いてあった。
何度か使い回すので、抽象画のように絵の具が残ったそのシートへおれは横たわる。
おれはいつもは死体になったような、気分になった。
その日はなんだか雰囲気が違ったのは、となりの部屋からおんなの喘ぎ声が聞こえたせいだろうか。
ラブホのくせに隣の部屋から音が聞こえるってのはどうかと思ったが、まあそこそこ大きな声だったということだろう。
「お、ハッスルしてるねぇ」
彼女は服を脱ぎながら、あはは、と笑いそう言った。
おれはいつも服を脱ぐこたぁないんじゃないかと思うんだが、彼女は服の生地がおれの肌に触れて乾いてないペイントが剥げるのをいやがる。
それにしたって下着はいいだろうと思うが、なんだか下着に色がつくのがいやだと言ってた。
まあ、彼女がやりたいようにやればいいとは思うが、その日に限ってなぜか彼女の裸体におんなを感じてしまったというか。
上手く言えないが、隣の部屋からの喘ぎ声とあいまって妙な生々しさを感じた。
それでも作業が始まれば、おれはただの物になっていくんだが。
その日、裸の下半身をおれに向けて作業する彼女をみて、何か変な感じになった。
普段はそんなことはなくて、多分彼女自身も気がついてはいないようだったのだが。
おれのほうに向けられた彼女の下半身にあるその部分は、明らかに性的な反応をおこしていた。
あれっと、思い見直すんだが、いつもと違う形をそこは示している。
どういうのだろう、何かおれに語りかけたいかのように少し口を開き、襞が膨らんでいた。
いつもは隠れている先端の芽も、少し覗いているようだ。
彼女はそういえば、生理が近いとも言ってたような気もした。
なんだかそんな彼女の下半身を見ているうちに、おれのその部分も反応を起こしてしまう。
一度反応が始まってしまうと押し留めることはできず、そこに熱が集まっていくのを感じる。
突然そこを、彼女に掴まれた。
「ねぇ、ちょっと邪魔なんだけど、これ」
おれは、苦笑交じりに応える。
「邪魔、って言われてもなあ。外せるもんなら、とりはずすけどそうもいかんしね」
おれの言葉に納得したのかどうかはわからないが、彼女はなぜかおれのものの先端に指を伸ばす。
それは愛撫するっていうよりも、医者が患部を確認するとかそんな感じでおれの先端をぐいっと開いて指を差し込んできた。
彼女の、ガラクタを扱うをような雑っぽい扱いに、おれは少し引いたけれどそれで反応がおさまるものでもない。
むしろおれの先端はおれの思いに関係なく、彼女の指先を咥え込もうとしている気がする。
そして、彼女のその部分はより反応が進んでいた。
襞は花弁のように開いてきており、芽は包皮から抜け出すように大きくなりつつある。
彼女の反応をみたせいか、おれのそれは残念なことに収まる気配がない。
「なんとかならないかなあ、これ」
彼女の言葉に、おれは応える。
「まあ、こればっかりは自分の意思では如何ともしがたい」
彼女は納得したのかどうかよく判らないが、不満そうにおれのそれを弄んでいる。
先端をぎゅうっと潰したり指で弾いて揺らしてみたり、子供が遊ぶような扱いをした。
彼女は気がついていないようだが、彼女のそこは開いた口が見えるところまで変化している。
まるで何かを待っているように、彼女の下半身にある口は開いてひくひくしていた。
彼女の襞は開いて奥にあるピンク色の粘膜が少し濡れているらしいところまで、見えてしまう。
おれは、見ていられない気分になってくる。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】他の人が好きな人を好きになる姉に愛する夫を奪われてしまいました。
山葵
恋愛
私の愛する旦那様。私は貴方と結婚して幸せでした。
姉は「協力するよ!」と言いながら友達や私の好きな人に近づき「彼、私の事を好きだって!私も話しているうちに好きになっちゃったかも♡」と言うのです。
そんな姉が離縁され実家に戻ってきました。
お飾りな妻は何を思う
湖月もか
恋愛
リーリアには二歳歳上の婚約者がいる。
彼は突然父が連れてきた少年で、幼い頃から美しい人だったが歳を重ねるにつれてより美しさが際立つ顔つきに。
次第に婚約者へ惹かれていくリーリア。しかし彼にとっては世間体のための結婚だった。
そんなお飾り妻リーリアとその夫の話。
私を簡単に捨てられるとでも?―君が望んでも、離さない―
喜雨と悲雨
恋愛
私の名前はミラン。街でしがない薬師をしている。
そして恋人は、王宮騎士団長のルイスだった。
二年前、彼は魔物討伐に向けて遠征に出発。
最初は手紙も返ってきていたのに、
いつからか音信不通に。
あんなにうっとうしいほど構ってきた男が――
なぜ突然、私を無視するの?
不安を抱えながらも待ち続けた私の前に、
突然ルイスが帰還した。
ボロボロの身体。
そして隣には――見知らぬ女。
勝ち誇ったように彼の隣に立つその女を見て、
私の中で何かが壊れた。
混乱、絶望、そして……再起。
すがりつく女は、みっともないだけ。
私は、潔く身を引くと決めた――つもりだったのに。
「私を簡単に捨てられるとでも?
――君が望んでも、離さない」
呪いを自ら解き放ち、
彼は再び、執着の目で私を見つめてきた。
すれ違い、誤解、呪い、執着、
そして狂おしいほどの愛――
二人の恋のゆくえは、誰にもわからない。
過去に書いた作品を修正しました。再投稿です。
【完結】旦那に愛人がいると知ってから
よどら文鳥
恋愛
私(ジュリアーナ)は旦那のことをヒーローだと思っている。だからこそどんなに性格が変わってしまっても、いつの日か優しかった旦那に戻ることを願って今もなお愛している。
だが、私の気持ちなどお構いなく、旦那からの容赦ない暴言は絶えない。当然だが、私のことを愛してはくれていないのだろう。
それでも好きでいられる思い出があったから耐えてきた。
だが、偶然にも旦那が他の女と腕を組んでいる姿を目撃してしまった。
「……あの女、誰……!?」
この事件がきっかけで、私の大事にしていた思い出までもが崩れていく。
だが、今までの苦しい日々から解放される試練でもあった。
※前半が暗すぎるので、明るくなってくるところまで一気に更新しました。
すべてはあなたの為だった~狂愛~
矢野りと
恋愛
膨大な魔力を有する魔術師アレクサンダーは政略結婚で娶った妻をいつしか愛するようになっていた。だが三年経っても子に恵まれない夫妻に周りは離縁するようにと圧力を掛けてくる。
愛しているのは君だけ…。
大切なのも君だけ…。
『何があってもどんなことをしても君だけは離さない』
※設定はゆるいです。
※お話が合わないときは、そっと閉じてくださいませ。
届かぬ温もり
HARUKA
恋愛
夫には忘れられない人がいた。それを知りながら、私は彼のそばにいたかった。愛することで自分を捨て、夫の隣にいることを選んだ私。だけど、その恋に答えはなかった。すべてを失いかけた私が選んだのは、彼から離れ、自分自身の人生を取り戻す道だった·····
◆◇◆◇◆◇◆
読んでくださり感謝いたします。
すべてフィクションです。不快に思われた方は読むのを止めて下さい。
ゆっくり更新していきます。
誤字脱字も見つけ次第直していきます。
よろしくお願いします。
報われなかった姫君に、弔いの白い薔薇の花束を
さくたろう
恋愛
その国の王妃を決める舞踏会に招かれたロザリー・ベルトレードは、自分が当時の王子、そうして現王アルフォンスの婚約者であり、不遇の死を遂げた姫オフィーリアであったという前世を思い出す。
少しずつ蘇るオフィーリアの記憶に翻弄されながらも、17年前から今世まで続く因縁に、ロザリーは絡め取られていく。一方でアルフォンスもロザリーの存在から目が離せなくなり、やがて二人は再び惹かれ合うようになるが――。
20話です。小説家になろう様でも公開中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる