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第七話
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「ミストレスは、三百年以上生きてきて独自の組織や情報網も持っている。彼女がひとと接触を持とうとする気まぐれをおこしたのは、七十年ぶりなんだ。プロの殺し屋では、近づく前に返り討ちに合う」
「無理だろ」
おれは憮然として言った。
「プロですら返り討ちに合うなら、おれなんて到底無理だ。なあ、断ったらおれはどうなる」
黒スーツは、笑みを浮かべたままだ。
「君は、色々法を犯している。ビューローが動いて君を、逮捕するだろう。で、司法取引になるね」
おれは、ため息をついた。
「じゃあ、そうしたら?」
「そうすると、ミストレスの情報網にひっかかる確率が増える。イコール、君の死ぬ確率が増えるというわけだよ」
おれはやれやれと、首を振る。
「どうやって殺す? 大蒜と木の杭か?」
黒スーツは、拳銃を机に置く。
レミントンの二連デリンジャーだった。
おれはそれを手にとり、薬室を開き銃弾を抜く。
その弾頭は驚くべきことに、木で出来ている。
しかも、恐ろしく細かいラテン語で何か文字が刻まれていた。
「ヴァチカンで祝福を、与えている。聖書の詩句も、刻まれている。胸に撃ち込め。効くはずだ」
「もう、ミストレスの情報網はおれが拉致られたことを、掴んでるんじゃあないかね」
黒スーツは笑いながら首を振る。
「それはないというか、情報はまだミストレスには伝わってないよ。昼間だからね、ヴァンパイアは眠ってる」
おれはため息をつきながら、首を振った。
❖
そして、おれは蝙蝠傘をさして現れたおんなと出会う。
おんなの見た目は、アルターワールドで見た姿と、寸分たがわず同じだ。
この世のものとは思われぬほどの美しさと、同時に人外の化生が持つであろう戦慄的な異様さを合わせて持っている。
おれたちは、タクシーを拾い湖畔に立つログハウスの前にゆく。
おれたちは日から逃れるように、ログハウスへと入る。
おれは、リアルで会ったおんなにたまらなく魅かれていた。
おれは、そのおんなにどうしようもないほど夢中になっていく。
おれは、そのおんなを自分のものにしたいと思う。
そして、おれもおんなのものになりたいと思っていた。
おれたちは互いの服を脱ぎ去り、アルターワールドでしたように激しく愛を交わす。
リアルでする口づけは、なぜか血の味がした。
おれは、おんなを抱き続けながら。
迷っていた。
おれは、あの黒スーツの言う事をまったく信用していなかったのだが。
今は、違う。
このおんなは、確かに怪物なのだ。
おれはそこに、魅了され。
おれはそこに、恐怖している。
「無理だろ」
おれは憮然として言った。
「プロですら返り討ちに合うなら、おれなんて到底無理だ。なあ、断ったらおれはどうなる」
黒スーツは、笑みを浮かべたままだ。
「君は、色々法を犯している。ビューローが動いて君を、逮捕するだろう。で、司法取引になるね」
おれは、ため息をついた。
「じゃあ、そうしたら?」
「そうすると、ミストレスの情報網にひっかかる確率が増える。イコール、君の死ぬ確率が増えるというわけだよ」
おれはやれやれと、首を振る。
「どうやって殺す? 大蒜と木の杭か?」
黒スーツは、拳銃を机に置く。
レミントンの二連デリンジャーだった。
おれはそれを手にとり、薬室を開き銃弾を抜く。
その弾頭は驚くべきことに、木で出来ている。
しかも、恐ろしく細かいラテン語で何か文字が刻まれていた。
「ヴァチカンで祝福を、与えている。聖書の詩句も、刻まれている。胸に撃ち込め。効くはずだ」
「もう、ミストレスの情報網はおれが拉致られたことを、掴んでるんじゃあないかね」
黒スーツは笑いながら首を振る。
「それはないというか、情報はまだミストレスには伝わってないよ。昼間だからね、ヴァンパイアは眠ってる」
おれはため息をつきながら、首を振った。
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そして、おれは蝙蝠傘をさして現れたおんなと出会う。
おんなの見た目は、アルターワールドで見た姿と、寸分たがわず同じだ。
この世のものとは思われぬほどの美しさと、同時に人外の化生が持つであろう戦慄的な異様さを合わせて持っている。
おれたちは、タクシーを拾い湖畔に立つログハウスの前にゆく。
おれたちは日から逃れるように、ログハウスへと入る。
おれは、リアルで会ったおんなにたまらなく魅かれていた。
おれは、そのおんなにどうしようもないほど夢中になっていく。
おれは、そのおんなを自分のものにしたいと思う。
そして、おれもおんなのものになりたいと思っていた。
おれたちは互いの服を脱ぎ去り、アルターワールドでしたように激しく愛を交わす。
リアルでする口づけは、なぜか血の味がした。
おれは、おんなを抱き続けながら。
迷っていた。
おれは、あの黒スーツの言う事をまったく信用していなかったのだが。
今は、違う。
このおんなは、確かに怪物なのだ。
おれはそこに、魅了され。
おれはそこに、恐怖している。
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