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第十二話
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子供が居なくなった塔は、崩壊への道を歩み始めた。人々が始めに気付いたことは、夜が長くなったということだ。夜は闇の深さを増し、昼間の光は色褪せ、朝はその活力を失う。そして、人々は、自分たちの影が自分を監視していることに気がつき始める。人々の影は人々の足下で妖しく息づき、自らの主とその地位を入れ替えるタイミングを狙い始めたようだ。
そのころから、私は肉体を部屋へのこし、白く輝く霊体となって塔の中を彷徨うようになる。私は、吸い寄せられるように、巨大な力を蓄えた影たちと会った。人々が眠る夜、影たちはその本性を顕わし凶悪に吠えたり、狂ったように踊ったりしている。私は、その影たちと霊体で交わった。不思議なことにわたしの霊体はちゃんと女としての器官を備えており、女としての機能を持っている。
影たちもまた、男であり女でもあった。私は男、女どちらとも交わりを持つ。男は下腹にちゃんと屹立した器官を持ち、女は下腹にある器官を私のそれとを擦り合わせることで交わる。
私のその部分は性的な反応を示し、影たちは濡れそぼち悦びを示す私のその部分へ自身の器官を挿入したり擦り付けたりした。
それは、私の全身の血が沸騰し、肉体を捻りあげられるような経験である。しかし、影たちは、私と交わることにより凶悪さを無くし、もとの従順な影へと戻っていった。私はなぜか、それが塔の崩壊をくい止める唯一の方法だと知っていた。
私がいくら努力しても、夜は日増しにその勢力を強め、影たちはより凶暴となり、私の疲労は深まってゆく。力の持つ影の数はどんどん増えてゆき、私が一晩に何十体もの影と交わったとしても、どうしようもなくなっていった。
そして、ある日塔へ闇の司祭が訪れた。そのころには、人々の心は半ば自らの影に支配されていたため、皆闇の司祭を歓迎し塔の頂上へと案内した。闇の司祭は、塔の天辺で祝祭を催す。
その宴は一週間に渡ってくり広げられた。やがて、祝祭の中で狂乱状態になった人々は、塔の天辺から地面にむかって飛び降り始める。人々は、次々に地面へ転落して死んでいった。私にはどうすることもできず、ただ、その様を感じ取っているだけである。
最後の一人が飛び降りるまで一週間かかった。そして、私自身を除くとただ一人残った闇の司祭は、天上から闇を招く。
闇は、空から墜ちてきた。それは丁度洪水の時に地上に水が満ちあふれ次第に水位が上がってゆく様を、逆さまにしたようなものである。闇色の海が空に出現し、それがゆっくりと降りてくる。
一晩かかって闇は塔の根本まで呑み込んだ。それと同時に、闇の司祭が塔の天辺から私の部屋へと降りてくる。
闇の司祭は私の部屋ごと私を黒い本の中に封印し、私を持ち去ってゆく。ゆく先を私は知らない』
基本的にLの語った夢の物語は我々の設定通りであったが、最後の黒い本の部分のみが、我々の設定とことなっている。この物語がどの程度彼女の深層に触れたのか疑問があるが、今回のセッションが終わった時彼女は妙に澄んだ表情をしていた。
私は転回の時が既に来ていると判断した。
セッション3 終了
そのころから、私は肉体を部屋へのこし、白く輝く霊体となって塔の中を彷徨うようになる。私は、吸い寄せられるように、巨大な力を蓄えた影たちと会った。人々が眠る夜、影たちはその本性を顕わし凶悪に吠えたり、狂ったように踊ったりしている。私は、その影たちと霊体で交わった。不思議なことにわたしの霊体はちゃんと女としての器官を備えており、女としての機能を持っている。
影たちもまた、男であり女でもあった。私は男、女どちらとも交わりを持つ。男は下腹にちゃんと屹立した器官を持ち、女は下腹にある器官を私のそれとを擦り合わせることで交わる。
私のその部分は性的な反応を示し、影たちは濡れそぼち悦びを示す私のその部分へ自身の器官を挿入したり擦り付けたりした。
それは、私の全身の血が沸騰し、肉体を捻りあげられるような経験である。しかし、影たちは、私と交わることにより凶悪さを無くし、もとの従順な影へと戻っていった。私はなぜか、それが塔の崩壊をくい止める唯一の方法だと知っていた。
私がいくら努力しても、夜は日増しにその勢力を強め、影たちはより凶暴となり、私の疲労は深まってゆく。力の持つ影の数はどんどん増えてゆき、私が一晩に何十体もの影と交わったとしても、どうしようもなくなっていった。
そして、ある日塔へ闇の司祭が訪れた。そのころには、人々の心は半ば自らの影に支配されていたため、皆闇の司祭を歓迎し塔の頂上へと案内した。闇の司祭は、塔の天辺で祝祭を催す。
その宴は一週間に渡ってくり広げられた。やがて、祝祭の中で狂乱状態になった人々は、塔の天辺から地面にむかって飛び降り始める。人々は、次々に地面へ転落して死んでいった。私にはどうすることもできず、ただ、その様を感じ取っているだけである。
最後の一人が飛び降りるまで一週間かかった。そして、私自身を除くとただ一人残った闇の司祭は、天上から闇を招く。
闇は、空から墜ちてきた。それは丁度洪水の時に地上に水が満ちあふれ次第に水位が上がってゆく様を、逆さまにしたようなものである。闇色の海が空に出現し、それがゆっくりと降りてくる。
一晩かかって闇は塔の根本まで呑み込んだ。それと同時に、闇の司祭が塔の天辺から私の部屋へと降りてくる。
闇の司祭は私の部屋ごと私を黒い本の中に封印し、私を持ち去ってゆく。ゆく先を私は知らない』
基本的にLの語った夢の物語は我々の設定通りであったが、最後の黒い本の部分のみが、我々の設定とことなっている。この物語がどの程度彼女の深層に触れたのか疑問があるが、今回のセッションが終わった時彼女は妙に澄んだ表情をしていた。
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