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4月
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教室の前に貼られたクラス表の前は、
人だかりができていた。
みんなの声が重なって、少しだけうるさい。
笑ってる人もいれば、
「あー最悪」とか言ってる人もいて、
それぞれの“新学期”が始まってる。
私は少しだけ離れたところで立ち止まった。
すぐに見に行けばいいのに、
なぜか足が動かない。
“爽太と同じクラスになれたらいいな”
そんなこと、昨日の夜からずっと考えてた。
叶うかなんてわからないのに、
気づいたら願ってしまっている。
もし違ったらどうしよう、って思うと、
見るのが少しだけ怖かった。
小さく息を吸って、
ゆっくりと一歩踏み出す。
人の隙間から、クラス表を覗き込んだ。
上から順に、名前を目で追っていく。
まだ自分の名前も見つけてないのに、
無意識に、ある名前を探してしまう。
「……あ」
見つけた。
青山爽太
一番上の方にあるその名前が、
他のどの文字よりもはっきり見えた。
一瞬、呼吸が止まる。
でも、それだけじゃまだわからない。
今度は、自分の名前を探す。
少しだけ急ぐみたいに、
視線を下へと動かしていく。
「……あった」
思わず、小さく声が漏れた。
その名前のすぐ近くに、
さっき見つけた名前がある。
同じクラスだ。
その事実が、ゆっくりと胸に落ちてきて、
じんわりと広がっていく。
青山爽太の名前の近くに、
自分の名前が並んでいる。
その並びが、
なんだか特別に見えた。
……と、そのすぐ隣に。
見慣れた名前が目に入る。
「陽奈……晴翔」
思わず、小さく呟く。
仲のいい2人と同じクラス。
いつメンで同じクラスだ。
さっきまでの不安が、
一気に安心に変わっていくのがわかった。
“同じクラスになれたらいいな”
ただの願いだったはずなのに、
ちゃんと叶ってる。
それどころか、
思ってたよりずっといい形で。
「……ついてるなぁ、高校最後」
小さく呟いて、
もう一度クラス表を見上げる。
この一年が、どんなふうになるのかは、
まだわからない。
でもきっと、悪くない。
そんな気がした。
人だかりができていた。
みんなの声が重なって、少しだけうるさい。
笑ってる人もいれば、
「あー最悪」とか言ってる人もいて、
それぞれの“新学期”が始まってる。
私は少しだけ離れたところで立ち止まった。
すぐに見に行けばいいのに、
なぜか足が動かない。
“爽太と同じクラスになれたらいいな”
そんなこと、昨日の夜からずっと考えてた。
叶うかなんてわからないのに、
気づいたら願ってしまっている。
もし違ったらどうしよう、って思うと、
見るのが少しだけ怖かった。
小さく息を吸って、
ゆっくりと一歩踏み出す。
人の隙間から、クラス表を覗き込んだ。
上から順に、名前を目で追っていく。
まだ自分の名前も見つけてないのに、
無意識に、ある名前を探してしまう。
「……あ」
見つけた。
青山爽太
一番上の方にあるその名前が、
他のどの文字よりもはっきり見えた。
一瞬、呼吸が止まる。
でも、それだけじゃまだわからない。
今度は、自分の名前を探す。
少しだけ急ぐみたいに、
視線を下へと動かしていく。
「……あった」
思わず、小さく声が漏れた。
その名前のすぐ近くに、
さっき見つけた名前がある。
同じクラスだ。
その事実が、ゆっくりと胸に落ちてきて、
じんわりと広がっていく。
青山爽太の名前の近くに、
自分の名前が並んでいる。
その並びが、
なんだか特別に見えた。
……と、そのすぐ隣に。
見慣れた名前が目に入る。
「陽奈……晴翔」
思わず、小さく呟く。
仲のいい2人と同じクラス。
いつメンで同じクラスだ。
さっきまでの不安が、
一気に安心に変わっていくのがわかった。
“同じクラスになれたらいいな”
ただの願いだったはずなのに、
ちゃんと叶ってる。
それどころか、
思ってたよりずっといい形で。
「……ついてるなぁ、高校最後」
小さく呟いて、
もう一度クラス表を見上げる。
この一年が、どんなふうになるのかは、
まだわからない。
でもきっと、悪くない。
そんな気がした。
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