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第一章カトリの街
エピソード48 旅立ち
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初めは人間界が嫌でした。
だって無理やり行けと言われたんですから。
でも、沢山の人間と関わって悪くない、ずっとここに居たいって思えました。
だからこそ、私はこの街から出て行かなければいけないと思いました。
エリル、カムさん、リルさん、他にも沢山友達が出来ました。
でも、ジュリーナさんと出会って私の目の届かない所で苦しんでいる方々が大勢いる現実を目の当たりにしました。
今も見知らぬどこかで奴隷として囚わたり、暴力を振るわれている方が大勢いるでしょう。
そういう方々を少しでも多く、救ってあげたいと思いました。
だから私は自分の大切なこの街から離れても、色んな世界を、色んな人を見に行く必要があります。
正直、この街で永遠とぬくぬく暮らしていたい。
けれど私は使命を持った天使ですから、ある程度は我慢しませんと。
私が愛した人間という種族を守ってあげないと。
「エリル、私この街を出ようと思います」
なので、親しい方々に打ち明けようと思います。
「うん、いいんじゃない?」
意外にも、親友から返ってきたのはあっさりとした肯定の言葉でした。
「え、いいんですか?」
「レミが決めた事でしょ。私が口を挟むことじゃないもん」
多少は口を挟んでもらいたい気持ちもあります。
「いや、思ったこと言ってくださいよ」
「んー、引きこもりで誰とも関わろうとしたなかったレミが誰かのために外の世界を見に行こうと思ったんだったら、見送ってあげるべきだと思う」
エリルは私の目をしっかりと捉えます
「ありがとうございます⋯⋯」
「レミ、本当に変わったよ。もちろんいい意味で」
「五年です」
「ん?何が?」
私は、一時も皆とお別れなんてしたくないんです。
「五年で沢山の人を救って帰ってきます。だから、また会えます」
別にエリルが会えなくなると言った訳でもないのに、自分でも何故口走ったのか謎です。
「そっか、じゃあ五年後に会おうね」
こうして、親友への別れの挨拶は済みました。
「レミリエルさんのお陰で沢山友達が出来たよ。郵便配達の皆も凄く良くしてくれる」
次はカムさんの元へ別れを告げに行きました。
初めは人への依存癖が強いカムさんと衝突した事もありましたが、もう誰とでも上手くやっていけるでしょう。
「元気でいてくださいね」
私は彼女の頭を撫で、「また五年後会いましょう」と告げ、去りました。
「レミリエルさんと会ってから、温かい気持ちになることが増えた。ありがとう」
お次は同居をしているリルさん。
天涯孤独だった彼女ですが、私と暮らすことで寂しさが紛らわせていたのなら何よりです。
「こちらこそありがとうございます。これからはエリルに魔力供給の事、諸々面倒をみてもらうんですよ」
リルさんには人間の血を吸う代わりに魔力供給が必要なので、あらかじめエリルに面倒をみるように頼んで起きましたので大丈夫でしょう。
他にも、沢山の方々に挨拶に行きました。
自分でも、こんなに知り合いがいたのかと驚く程でした。
そして、気が付けば日は落ちて夜になっていました。
「出発は明日でしょうか」
「うん、荷物纏めた?」
くつろいでコーヒーを飲む私にリルさんが首を傾げて聞いてきます。
「ええ、一通りは」
「そう」
「はい」
「本当に、行くの?」
リルさんの目からは涙が零れていました。
思い上がった考えかもしれませんが、本当にリルさんには私しかいないんでしょう。
「また、会えますから」
年端もいかない華奢な彼女の身体をギュッと抱きしめました。
「五年後、帰ってきます。そうしたら私はずっとこの街で暮らそうと思います」
「あう⋯⋯うぅ」
「だからそれまで、待っていて下さい」
泣いているリルさんを抱き締めているうちに、人の温もりのせいでしょうか。
気が付いたら二人とも寝ていて朝になっていました。
そうして、出発の朝はやってきました。
起床して、食事を摂って、身だしなみを整えて、何時も通りの朝を迎えました。
ただ、それももう終わりです。
私は昨晩詰めた荷物を手に取り、家を出ました。
「レミリエルさん、気を付けてね」
「はい、いってきます」
寂しそう、けれど私を見送ろうと必死に感情を堪えているリルさんの頭を撫でました。
「間に合った、レミ!」
「レミリエルさん!」
視界の端に、エリルとカムさんが写りました。
「来てくれたんですか、二人とも」
「まあね、親友の門出だもん」
「私も、お世話になったし友達だから」
これ以上、彼女たちを見ていたら気持ちが揺らいでしまいそうです。
「では、行ってきます!」
なので、多くは語らずに羽を広げて空に浮きます。
「リルさん、お元気で!エリルはリルさんのことお願いしますね!カムさんは周りと仲良く!」
思いつく限りの言葉を羅列して伝えます。
「では皆さん五年後に!」
私はカトリの街を去りました。
何時までも手を振る友達たちの姿が見え、少し目が潤んでしまいます。
救ってあげたいと思える内に人間を救って、世界を少しだけ平和にしたら天使としてではなく、レミリエルとしてあの街に住もうと思います。
それまでは、この広い世界で見知らぬ誰かを助けるために旅して周ります。
暫く飛んでいると、景色が草原に変わりました。
辺りには人が住んでいないようで、日も沈みかけていて風の冷たさが私の体温を奪います。
このまま野宿になったら凍死してしまう、という不安が頭を過ぎります。
「あれ、村ですかね」
暫く飛行していると、なんとか村のような小さな集落を見つけました。
今夜はアソコで泊めて貰いましょう。
村に着地すると、目立った大きな家がありました。あそこなら天使が一人泊まっても問題は無いでしょう。
「すみませーん」
家の戸を叩きます。
「はーい、どちら様ですか」
中から妙齢の女性が出てきました。
まるで、私が初めて人間界に来た時の様ですね。
今度はきちんと言えるはずです。
「私、旅の天使なんですが一晩泊めて頂けませんか?」
だって無理やり行けと言われたんですから。
でも、沢山の人間と関わって悪くない、ずっとここに居たいって思えました。
だからこそ、私はこの街から出て行かなければいけないと思いました。
エリル、カムさん、リルさん、他にも沢山友達が出来ました。
でも、ジュリーナさんと出会って私の目の届かない所で苦しんでいる方々が大勢いる現実を目の当たりにしました。
今も見知らぬどこかで奴隷として囚わたり、暴力を振るわれている方が大勢いるでしょう。
そういう方々を少しでも多く、救ってあげたいと思いました。
だから私は自分の大切なこの街から離れても、色んな世界を、色んな人を見に行く必要があります。
正直、この街で永遠とぬくぬく暮らしていたい。
けれど私は使命を持った天使ですから、ある程度は我慢しませんと。
私が愛した人間という種族を守ってあげないと。
「エリル、私この街を出ようと思います」
なので、親しい方々に打ち明けようと思います。
「うん、いいんじゃない?」
意外にも、親友から返ってきたのはあっさりとした肯定の言葉でした。
「え、いいんですか?」
「レミが決めた事でしょ。私が口を挟むことじゃないもん」
多少は口を挟んでもらいたい気持ちもあります。
「いや、思ったこと言ってくださいよ」
「んー、引きこもりで誰とも関わろうとしたなかったレミが誰かのために外の世界を見に行こうと思ったんだったら、見送ってあげるべきだと思う」
エリルは私の目をしっかりと捉えます
「ありがとうございます⋯⋯」
「レミ、本当に変わったよ。もちろんいい意味で」
「五年です」
「ん?何が?」
私は、一時も皆とお別れなんてしたくないんです。
「五年で沢山の人を救って帰ってきます。だから、また会えます」
別にエリルが会えなくなると言った訳でもないのに、自分でも何故口走ったのか謎です。
「そっか、じゃあ五年後に会おうね」
こうして、親友への別れの挨拶は済みました。
「レミリエルさんのお陰で沢山友達が出来たよ。郵便配達の皆も凄く良くしてくれる」
次はカムさんの元へ別れを告げに行きました。
初めは人への依存癖が強いカムさんと衝突した事もありましたが、もう誰とでも上手くやっていけるでしょう。
「元気でいてくださいね」
私は彼女の頭を撫で、「また五年後会いましょう」と告げ、去りました。
「レミリエルさんと会ってから、温かい気持ちになることが増えた。ありがとう」
お次は同居をしているリルさん。
天涯孤独だった彼女ですが、私と暮らすことで寂しさが紛らわせていたのなら何よりです。
「こちらこそありがとうございます。これからはエリルに魔力供給の事、諸々面倒をみてもらうんですよ」
リルさんには人間の血を吸う代わりに魔力供給が必要なので、あらかじめエリルに面倒をみるように頼んで起きましたので大丈夫でしょう。
他にも、沢山の方々に挨拶に行きました。
自分でも、こんなに知り合いがいたのかと驚く程でした。
そして、気が付けば日は落ちて夜になっていました。
「出発は明日でしょうか」
「うん、荷物纏めた?」
くつろいでコーヒーを飲む私にリルさんが首を傾げて聞いてきます。
「ええ、一通りは」
「そう」
「はい」
「本当に、行くの?」
リルさんの目からは涙が零れていました。
思い上がった考えかもしれませんが、本当にリルさんには私しかいないんでしょう。
「また、会えますから」
年端もいかない華奢な彼女の身体をギュッと抱きしめました。
「五年後、帰ってきます。そうしたら私はずっとこの街で暮らそうと思います」
「あう⋯⋯うぅ」
「だからそれまで、待っていて下さい」
泣いているリルさんを抱き締めているうちに、人の温もりのせいでしょうか。
気が付いたら二人とも寝ていて朝になっていました。
そうして、出発の朝はやってきました。
起床して、食事を摂って、身だしなみを整えて、何時も通りの朝を迎えました。
ただ、それももう終わりです。
私は昨晩詰めた荷物を手に取り、家を出ました。
「レミリエルさん、気を付けてね」
「はい、いってきます」
寂しそう、けれど私を見送ろうと必死に感情を堪えているリルさんの頭を撫でました。
「間に合った、レミ!」
「レミリエルさん!」
視界の端に、エリルとカムさんが写りました。
「来てくれたんですか、二人とも」
「まあね、親友の門出だもん」
「私も、お世話になったし友達だから」
これ以上、彼女たちを見ていたら気持ちが揺らいでしまいそうです。
「では、行ってきます!」
なので、多くは語らずに羽を広げて空に浮きます。
「リルさん、お元気で!エリルはリルさんのことお願いしますね!カムさんは周りと仲良く!」
思いつく限りの言葉を羅列して伝えます。
「では皆さん五年後に!」
私はカトリの街を去りました。
何時までも手を振る友達たちの姿が見え、少し目が潤んでしまいます。
救ってあげたいと思える内に人間を救って、世界を少しだけ平和にしたら天使としてではなく、レミリエルとしてあの街に住もうと思います。
それまでは、この広い世界で見知らぬ誰かを助けるために旅して周ります。
暫く飛んでいると、景色が草原に変わりました。
辺りには人が住んでいないようで、日も沈みかけていて風の冷たさが私の体温を奪います。
このまま野宿になったら凍死してしまう、という不安が頭を過ぎります。
「あれ、村ですかね」
暫く飛行していると、なんとか村のような小さな集落を見つけました。
今夜はアソコで泊めて貰いましょう。
村に着地すると、目立った大きな家がありました。あそこなら天使が一人泊まっても問題は無いでしょう。
「すみませーん」
家の戸を叩きます。
「はーい、どちら様ですか」
中から妙齢の女性が出てきました。
まるで、私が初めて人間界に来た時の様ですね。
今度はきちんと言えるはずです。
「私、旅の天使なんですが一晩泊めて頂けませんか?」
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