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第二章 世界旅行
エピソード53 バーニーの街に住まう天使と旅の天使 前編
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「で、どうする?買うの?買わないの?」
店主さんは私に水を買うのか買わないのかせがんできました。「水は売れなくても私が飲めるし買わなくてもいいけど」と吐き捨てように言います。
接客態度としてはどうなんでしょうか、ああん?とたまにいる迷惑な客の様に文句を言ってやろうかと思いましたが、堪えます。
「一杯ください⋯⋯」
「ん、毎度あり」
店主さんは無愛想に「先払い」と言ってきました。まあ当然なんですけど、カチンときますね。
「二度と貴女の所では買わないですからね⋯⋯」、渋々店主さんに硬貨をジャラジャラと支払う私。一日分の食費がコップ一杯の水に消えました。
「ほら、飲みな」、水を差し出す店主さん。
私は水を受け取り、一気にぐぃぃ~と飲み干しました。
「プハッ!もう一杯下さい!」
「二度と私の所で買わないんじゃなかったっけ?」
痛い所を突かれ、「ぐぬぬ⋯⋯」と返す言葉が出ませんでした。一杯で喉の渇きが取れると思っていた私の誤算でした。
「ごめんなさい、もう一杯下さい⋯⋯」
「毎度あり」
水を差し出す店主さん。私の二日分の食費が消えました。南無。
「プハッ!もう二度と来ませんからね!」
「はいはい、ありがとうございました」
一気に水を飲み干した私は今度こそ捨て台詞を吐いて露店から立ち去りました。店主さんの阿呆を見る様な視線に敗北感を覚えました。
「くっ⋯⋯この私を馬鹿にしやがりやがってです!」、柄にも無いことを言いながらツカツカと音を立てて歩き出した私。
その時でした。
「レミリエル?」
私の事を誰も知らないはずのバーニーの街で、何故か私を呼び止める声がしました。
きっと他にレミリエルさんがいるのでしょうと思い、立ち止まること無く歩きました。
「ちょっと、レミリエル!」
何処ぞのレミリエルさん、無視は行けないですよ。
歩みを止めない私。
「レミリエル、止まってって!」
いい加減止まってあげてください、何処ぞのレミリエルさん。
「もう、レミリエル!?」、声は段々と私に近付いてきてガシッと後ろから私の肩を掴みました。
え、レミリエルって私ですか。
「あの、どちら様ですか⋯⋯」、かなり無視してしまったので恐る恐る振り返ります。
「私だよ、忘れちゃった?先生は悲しいよ?」
振り返ると、後ろでくくられた金髪に緋色の瞳、年齢は妙齢程の女性が立っていました。
そしてその方が私の天使学校時代の先生だと気付くのに少々時間を要しました。
「ル、ルリーナ先生っ!?」
「思い出すのが遅いぞっ、問題児ちゃん」
ルリーナ先生は私の頭を軽くコツンと叩いた。ちなみに問題児ちゃんと言うのは私の出席率の低さからなのでしょう。
「出席率は低いくせに試験の成績も良いから先生はなんて言っていいか分からなかったよ」
「すみません⋯⋯今はきちんとお外に出ています」
申し訳そうにする私にルリーナ先生は「愛生徒の落ち込んでる顔は見たくないぞっ!」と私の頭を撫でます。
先生の手、凄く暖かい⋯⋯でも今の灼熱の気温で触れられると素直にうっとおしいです。
というか、バーニーの街の気温が上昇したのは天使が来てからと言いますし先生のせいなのでは?
「先生、気温上げてます?」、率直に聞く私。
「あ、うん上げてる」、素直に答える先生。
「あ」
「うん?どうしたのレミリエル?」
思いもよらない再開で、犯人⋯⋯見つけちゃいました⋯⋯。
店主さんは私に水を買うのか買わないのかせがんできました。「水は売れなくても私が飲めるし買わなくてもいいけど」と吐き捨てように言います。
接客態度としてはどうなんでしょうか、ああん?とたまにいる迷惑な客の様に文句を言ってやろうかと思いましたが、堪えます。
「一杯ください⋯⋯」
「ん、毎度あり」
店主さんは無愛想に「先払い」と言ってきました。まあ当然なんですけど、カチンときますね。
「二度と貴女の所では買わないですからね⋯⋯」、渋々店主さんに硬貨をジャラジャラと支払う私。一日分の食費がコップ一杯の水に消えました。
「ほら、飲みな」、水を差し出す店主さん。
私は水を受け取り、一気にぐぃぃ~と飲み干しました。
「プハッ!もう一杯下さい!」
「二度と私の所で買わないんじゃなかったっけ?」
痛い所を突かれ、「ぐぬぬ⋯⋯」と返す言葉が出ませんでした。一杯で喉の渇きが取れると思っていた私の誤算でした。
「ごめんなさい、もう一杯下さい⋯⋯」
「毎度あり」
水を差し出す店主さん。私の二日分の食費が消えました。南無。
「プハッ!もう二度と来ませんからね!」
「はいはい、ありがとうございました」
一気に水を飲み干した私は今度こそ捨て台詞を吐いて露店から立ち去りました。店主さんの阿呆を見る様な視線に敗北感を覚えました。
「くっ⋯⋯この私を馬鹿にしやがりやがってです!」、柄にも無いことを言いながらツカツカと音を立てて歩き出した私。
その時でした。
「レミリエル?」
私の事を誰も知らないはずのバーニーの街で、何故か私を呼び止める声がしました。
きっと他にレミリエルさんがいるのでしょうと思い、立ち止まること無く歩きました。
「ちょっと、レミリエル!」
何処ぞのレミリエルさん、無視は行けないですよ。
歩みを止めない私。
「レミリエル、止まってって!」
いい加減止まってあげてください、何処ぞのレミリエルさん。
「もう、レミリエル!?」、声は段々と私に近付いてきてガシッと後ろから私の肩を掴みました。
え、レミリエルって私ですか。
「あの、どちら様ですか⋯⋯」、かなり無視してしまったので恐る恐る振り返ります。
「私だよ、忘れちゃった?先生は悲しいよ?」
振り返ると、後ろでくくられた金髪に緋色の瞳、年齢は妙齢程の女性が立っていました。
そしてその方が私の天使学校時代の先生だと気付くのに少々時間を要しました。
「ル、ルリーナ先生っ!?」
「思い出すのが遅いぞっ、問題児ちゃん」
ルリーナ先生は私の頭を軽くコツンと叩いた。ちなみに問題児ちゃんと言うのは私の出席率の低さからなのでしょう。
「出席率は低いくせに試験の成績も良いから先生はなんて言っていいか分からなかったよ」
「すみません⋯⋯今はきちんとお外に出ています」
申し訳そうにする私にルリーナ先生は「愛生徒の落ち込んでる顔は見たくないぞっ!」と私の頭を撫でます。
先生の手、凄く暖かい⋯⋯でも今の灼熱の気温で触れられると素直にうっとおしいです。
というか、バーニーの街の気温が上昇したのは天使が来てからと言いますし先生のせいなのでは?
「先生、気温上げてます?」、率直に聞く私。
「あ、うん上げてる」、素直に答える先生。
「あ」
「うん?どうしたのレミリエル?」
思いもよらない再開で、犯人⋯⋯見つけちゃいました⋯⋯。
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