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親友の代わり
Pretty
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「とりあえず俺の家来いよ、すぐそこだから」
樹は俺の返事など聞かずに俺の腕をがっしりと掴み歩き始めた。
「熱出て休んだってホント?仮病じゃなく?」
「本当だよ。どっかの誰かさんに雪が吹雪く中帰らされたんで。」
少しくらい嫌味を言っても良いだろうとそう言えば俺の腕を掴む力が強くなった。
「別に帰れなんて言ってねーだろ」
確かに言ってはいない……。言ってはいないが、それでもあの態度は出て行けと言ってるようなものだし変わらないだろう。
ただ掴まれた腕が地味に痛いのでこれ以上彼を怒らせても痛みが強くなるだけだと俺はだんまりを決めることにした。
俺が黙ったからか、樹も口を閉じ、前のような気まずい空気が訪れた。
家に着くなりそうそうと樹に部屋へと押し込まれた。いつもの様に飲み物を用意する訳でもなく樹は俺の腕を逃がさないようにと掴みながら座り込んだ。
「で?なんか言うことあるくね?」
言うこと…と言っても特に俺には心当たりがない。
それでもこのまま何も言わずに入ればまた怒りのままに抱かれそうなので、何とか頭の中から言葉を絞り出す。
「えっと…別れる?」
「は??ふざけてんの?」
先程の力とは比べ物にならないほど強く腕を握られ、強い痛みが走った。
──ふざけてるのはどっちだよ
そう思わなくもないがそれ以上に俺の絞り出した言葉はふざけてると言われるようなものだったのだろうか。
遥に俺と樹の関係がバレたから別れたいのかと思ったのだが、確かにそんな事なら樹から言うはずだし彼が言って欲しい言葉ではなかったんだろう。
しかし、考えれば考えるほど分からなくなる。
そんな何もわかってない俺に苛立ちを覚えたのか、樹は舌打ちをした。
どこぞのヤンキーと同じような風貌をした樹のその舌打ちには迫力があると共に謎のかっこよさもある。
「お前俺の事好きだよな?」
「え?いきなり何?」
「いいから早く答えろよ」
苛立ちを隠さずにそう言う樹からはいつもの余裕が感じられない。
付き合う時もそうだがなんでよく分からない質問を俺にしてくるのだろうか。その質問に至った経緯を毎回教えて欲しい。
「…好きって恋愛的な意味でってこと?」
「それしかねーだろ」
「いや、それしかないわけないじゃん」
「さっさと言えよ。好きだから俺と付き合ったのか?」
「……無理矢理犯されて怖かったからだよ。それになんか樹も辛そうだったし。」
全て嘘というわけではない。実際あの時は普通に恐怖心もあった。それ以上に樹になら何をされてもいいという想いもあったが。
それでもここで俺の気持ちがバレるのは嫌だったので少しだけ嘘と本音を混ぜてそう言えば樹は顔を隠すように下を向いた。
暫くして俺の腕を握る手の力が弱まったのを感じ、そっと腕を手から話そうとすれば、また腕を引っ張られ、抱きしめられた。
「じゃあ結局俺だけが好きだったって事?なんで?最初から拒否れば良かったじゃん。っ…期待させんじゃねーよ。」
震える声でそう言う樹に俺は困惑することしか出来なかった。
そもそも今樹は好きだって言っただろうか?幻聴か?
というか拒否はしてたけどそれでも無理矢理襲ったのはこいつだろう。
「付き合っても、お、前…いっつも機嫌、良、くねーし、友達の頃の、方が、俺に冷たくなかった…ろ」
徐々に途切れ途切れに喋る樹の瞳からは大量の涙がこぼれ落ちていた。泣いているのだ。あの、わがままで自分勝手な樹が。
そもそも機嫌が悪いのは樹の方だったし、冷たくしていた自覚はあったがそれも遥の代わりにされた意趣返しのつもりだった。
だが俺は何を言う訳でもなく、とりあえず落ち着かせるために樹の背中を撫でた。
「そういうのやめろよ。…また期待させんじゃねーよ。」
すすり泣く樹はなんというかいつもの男らしさはなく、なんというか少し可愛らしかった。こんな状況になっても樹のことを可愛らしいと感じるなんてと思わなくもないが、それでも珍しい樹の姿に自分の考えがどうでも良くなってしまった。
樹は俺の返事など聞かずに俺の腕をがっしりと掴み歩き始めた。
「熱出て休んだってホント?仮病じゃなく?」
「本当だよ。どっかの誰かさんに雪が吹雪く中帰らされたんで。」
少しくらい嫌味を言っても良いだろうとそう言えば俺の腕を掴む力が強くなった。
「別に帰れなんて言ってねーだろ」
確かに言ってはいない……。言ってはいないが、それでもあの態度は出て行けと言ってるようなものだし変わらないだろう。
ただ掴まれた腕が地味に痛いのでこれ以上彼を怒らせても痛みが強くなるだけだと俺はだんまりを決めることにした。
俺が黙ったからか、樹も口を閉じ、前のような気まずい空気が訪れた。
家に着くなりそうそうと樹に部屋へと押し込まれた。いつもの様に飲み物を用意する訳でもなく樹は俺の腕を逃がさないようにと掴みながら座り込んだ。
「で?なんか言うことあるくね?」
言うこと…と言っても特に俺には心当たりがない。
それでもこのまま何も言わずに入ればまた怒りのままに抱かれそうなので、何とか頭の中から言葉を絞り出す。
「えっと…別れる?」
「は??ふざけてんの?」
先程の力とは比べ物にならないほど強く腕を握られ、強い痛みが走った。
──ふざけてるのはどっちだよ
そう思わなくもないがそれ以上に俺の絞り出した言葉はふざけてると言われるようなものだったのだろうか。
遥に俺と樹の関係がバレたから別れたいのかと思ったのだが、確かにそんな事なら樹から言うはずだし彼が言って欲しい言葉ではなかったんだろう。
しかし、考えれば考えるほど分からなくなる。
そんな何もわかってない俺に苛立ちを覚えたのか、樹は舌打ちをした。
どこぞのヤンキーと同じような風貌をした樹のその舌打ちには迫力があると共に謎のかっこよさもある。
「お前俺の事好きだよな?」
「え?いきなり何?」
「いいから早く答えろよ」
苛立ちを隠さずにそう言う樹からはいつもの余裕が感じられない。
付き合う時もそうだがなんでよく分からない質問を俺にしてくるのだろうか。その質問に至った経緯を毎回教えて欲しい。
「…好きって恋愛的な意味でってこと?」
「それしかねーだろ」
「いや、それしかないわけないじゃん」
「さっさと言えよ。好きだから俺と付き合ったのか?」
「……無理矢理犯されて怖かったからだよ。それになんか樹も辛そうだったし。」
全て嘘というわけではない。実際あの時は普通に恐怖心もあった。それ以上に樹になら何をされてもいいという想いもあったが。
それでもここで俺の気持ちがバレるのは嫌だったので少しだけ嘘と本音を混ぜてそう言えば樹は顔を隠すように下を向いた。
暫くして俺の腕を握る手の力が弱まったのを感じ、そっと腕を手から話そうとすれば、また腕を引っ張られ、抱きしめられた。
「じゃあ結局俺だけが好きだったって事?なんで?最初から拒否れば良かったじゃん。っ…期待させんじゃねーよ。」
震える声でそう言う樹に俺は困惑することしか出来なかった。
そもそも今樹は好きだって言っただろうか?幻聴か?
というか拒否はしてたけどそれでも無理矢理襲ったのはこいつだろう。
「付き合っても、お、前…いっつも機嫌、良、くねーし、友達の頃の、方が、俺に冷たくなかった…ろ」
徐々に途切れ途切れに喋る樹の瞳からは大量の涙がこぼれ落ちていた。泣いているのだ。あの、わがままで自分勝手な樹が。
そもそも機嫌が悪いのは樹の方だったし、冷たくしていた自覚はあったがそれも遥の代わりにされた意趣返しのつもりだった。
だが俺は何を言う訳でもなく、とりあえず落ち着かせるために樹の背中を撫でた。
「そういうのやめろよ。…また期待させんじゃねーよ。」
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