15 / 29
触り心地、手触りは重要です。5
しおりを挟む新たなワードが出てきたのでつい、話の腰を折ってしまった。
「つがいは、男性と女性…雄と雌のペアを意味するの。2つのものを合わせて1組となるものと言う意味よ」
「男と女だったら、いっぱい居ますよね」
「この世界では、つがいって本能でこの人だって分かるの」
「すごいなぁ。でも、相手もそう思うとは限らないんじゃ?」
「いえ、互いにひかれあうのよ。不思議なんだけど、出逢いも必ず運命で」
何でかうっとりし始めてますけど、カーラさん?
どうしたんですか?
「ふふふ、フランツとの出逢い運命だったわ」
「え、フランツさん?」
フランツさんって、誰なの?
リュートさんは、もういいのかな?
リュートさんのニンフさんがファーファのとこにいるし、リュートさん見てきた方がいいのかな?
とりあえず、婚約の混乱は一呼吸おいて落ち着いてきたし、リュートさんのこと、どうにかしなきゃな。
「もう、フランツったら」
「え?」
まだ、フランツさん話してたんだなぁ…考えていて、まったく聞いてなかった。
スミマセン、カーラさん。
あたしが聞いてなくても、1人熱く話してるカーラさん…これは、とまらないね。
あたしは、ファーファにこそこそ話す。
「ファーファ、ニンフさんにリュートさん呼んで来て貰うこと出来る?」
『もちろん。けど今のリュートがニンフの言葉を聞くかどうか…』
「ファーファも一緒に行ってくれる?カーラさんをとめてと」
『うん、わかった』
リュートさんのニンフとファーファが消えた。
数分後、走ってくる足音。
ドアは、開けたままカーラさんを中に入れてたから、リュートさんが、入ってきた。
「母上、何しているんですか!」
「え、あら、わたくしったら、フランツの話してましたわ。おほほ」
「アオイが、困ってます。さらに嫌われた。確実に」
しょんぼりしてるリュートさん。
「え、あ、リュート。ごめんなさい。どうしましょう?」
フランツさんのことクネクネしながら話してた。
カーラさんも、あたふたし始めるし…しゃがみこんで溜め息をついたリュートさん。
昨日、出しておいた夢の国の…ふぃーさんのぬいぐるみをベッドからとり抱き締めて、リュートさんの元へと行く。
「この子、触れば元気になれますよ。可愛くて触り心地最高なんです」
「そうだね」
つぶやくリュートさんの前に、ぬいぐるみを突きだしたはずだが、何でかリュートさんに、ぬいぐるみごと抱き締められている。
「アオイのそばにいさせて」
弱々しい声で甘い言葉を言うリュートさん。
「え、あの、カーラ様が居ますよ」
「母上、二人きりにしてください」
「はい」
冷たい目で、しかも声も厳しい。
ビックリするカーラとアオイ。
カーラは、少し扉を開けたまま出て行く。
リュートさんに何時ものように抱えられる。
そして、ベッドに座るリュートさん。
「俺の事、嫌い?」
「嫌い?というか」
「というか?」
「リュートさんには、昨日逢ったばかりだし。よく分からないです」
「そばに居たら、嫌だと思う?」
「それは、ないですけど。なんせ、悠里さんのイケメンパーティのお陰で目の保養になってるくらいですし」
「俺の見た目、好きなのか?」
「好きというか、綺麗ですよね」
「セザールの方が好きか?」
「セザールさん?おにー様になったんでしょ?セザールさん優しくて好きです」
「俺だって」
「リュートさんも、この世界に来た時から優しくて好きな方ですかね?」
なんなく、軽く言った好きだったのに、雷を受けたかのようにビックリしている。
目を真ん丸にしたかと思ったら、ぎゅーと抱きしめて首に顔を埋めてるリュートさん
「アオイのこと、離さない。好きだよ」
「えっと、リュートさんのつがいって他にもいるかもしれないじゃないですか」
「一人の雄には、決まった雌だけ」
「だって、色んな人がいるんだよ」
「出会ったら最後、その人だけしか見えない」
「あたし、4歳なのに?」
「俺だって12歳だ。セザールは、3歳でつがいと出逢ったし」
「えっー。リュートさんって、12歳だったの?うそ、見た目からして、高校生くらいかと思ってたよ。セザールさん、3歳で会うとか…すごい世界なのねぇ」
「そして、俺に自慢話のようにつがいの話してきたが…俺はセザールの話もつがいってどーでも良かったんだが、昨日アオイが現れてからなんだかその意味がわかった。セザールが言ってた事とか、婚約して安心することも」
「なんだか、つがいって凄いですね」
聞いてるかぎり、まったくの他人ごとに思ってしまう。
リュートさんの話や、まわりの話を聞くかぎり。
あたしがリュートさんの、そのつがいってもんなんだろうなぁ。
異世界から来たからそう言うことに、いまいちピンと来ないんだが…まぁリュートさんにくっつかれ、触られたりして不快に思わないのは、あたしにとってもそうなのかなぁ。
本当に、よく分かんないや、この状況。
婚約は、まだ先でいいんだけどね。
こっちの世界の感覚についてけないなぁ。
ただで、こちらにお世話になってるのに…はぁ。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~
山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」
母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。
愛人宅に住み屋敷に帰らない父。
生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。
私には母の言葉が理解出来なかった。
治癒魔法で恋人の傷を治したら、「化け物」と呼ばれ故郷から追放されてしまいました
山科ひさき
恋愛
ある日治癒魔法が使えるようになったジョアンは、化け物呼ばわりされて石を投げられ、町から追い出されてしまう。彼女はただ、いまにも息絶えそうな恋人を助けたかっただけなのに。
生きる希望を失った彼女は、恋人との思い出の場所で人生の終わりを迎えようと決める。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる