19 / 29
そこに漂うだけ。1
しおりを挟む精霊は、自然に存在し続けるモノである。
それが、前のボク。
妖精達のなかのひとつだった。
妖精は、契約して人間と一緒にいたり、森とかならアチコチにいるよ。
ボクは、そこらでただよう精霊で、ずっとあり続けるのもつまらなくなった。
ボクは、かわってるとまわりから言われてた。
つまらないなんて誰も思わない。
それが、当たり前だからってみんながいう。
ある日、仲良かったこのリスの寿命が終わるときに、この体をくれたんだけど…
中に入ってみたら、楽しくて駆け回って、おいしいご飯食べて、日向にて寝てみたら気持ちいいし。
妖精の時はみんなそこら辺に自然の精霊でいるだけだったから、リスの体は、最高だった。
とにかく面白い、生きるってこういうことなんだってね!
楽しく過ごしてきてた毎日、そんな中に変わった魔力を感じる。
今まで感じたこと無い魔力。
気になり近づいてくと、人間の少女が庭でじっくり眺めながら庭に居た。
その子は、ボクに気づくこともなく、あちこちの草や花などを見てまわっていた。
凄く、楽しそうに見ている。
『なんだか、一緒に居たら楽しそうだな』
少女が庭から出て行ってしまう。
『また、外に出てきてくれるかなぁ』
のんびり木の上で、寝てると…またそこに少女と少年がやってきた。
「あ、リスさん」
さっきの少女が、来てくれた。
彼女の足を歩いて手のひらに乗る。
「可愛い」
優しく抱きしめてくれた。
フワフワのしっぽに頬をよせてくる。
「ふぁふぁ、ふぁふぁ」
やっぱり、この子面白そう!
一緒にいたいな。
名前は、それなのかな?
『ボクの名前、ファーファなんだね。これからよろしく』
「うん、よろしく…ぅう?」
「アオイどうした?」
『きみの名前は、アオイなんだね』
「…」
ボクを見てポカンとする。
驚いてるなぁ。
イタズラ心を刺激されて、手からするすると肩に乗り頬擦りしてみる。
「サービスがいい…何か請求されても持ってません」
「アオイの事気に入ったのかな?」
どさくさに紛れて、少年も反対側を頬擦りしてる。
「アオイのほっぺたスベスベ」
『うん、スベスベだね。そして、ぷにぷに気持ちいい』
つい目の前にあうほっぺたを押してたら、反対側を少年がほっぺをツンツンしている。
わかってるね!
「な、やめて」
気持ちいいのに、しょうがないなぁと思いながら触るのをやめた。
両手をのばしてくっつくボクの反対側で、少年もくっついているみたい…本当に、気が合うなぁ。
「あの、何でくっついてんの?」
「なんでかなぁ」
『なんでかな?』
この子とボクは、息が合うな。
「こちらの世界だと、リスさんと会話できるのって普通なの?」
『ボクは、リスだけど精霊を宿してるから、話ができるんだよ』
「そうなの?精霊なの?」
『精霊でもあり、リスでもあるよ』
「リュートさんにも聞こえてる?」
『リュートと言うんだね、さっきから気が合うと思って』
「俺もそう思ってた。ファーファと仲良くなれそうって」
リュートとボクすごく気があう。
「ファーファって、精霊なんだって言ってたでしょ?」
『うん、そうだよ』
「どんな魔法使えるの?」
『ボクは、何でも』
「何でも?」
『火だって、風だって、水も使えるよ』
手のひらに戻ると小さな手を前に出したり、上に突き上げたりして、マッチ棒みたいな炎、目薬の一滴くらいの水、頬なでる風、大きな感じでしちゃうとビックリするだろうし…
アオイから、ジロジロと見られた。
ビックリしていて可愛いなぁ。
これからも、一緒に居れるとかわくわくしかないな。
ヨロシクね、アオイ
いつも、読んで下さってありがとうございますm(._.)m
妖精達の話を少しの間書こうと思ってます。
おつきあいお願いします( ´・∀・`)
0
あなたにおすすめの小説
白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!
ろき
ファンタジー
ブラック企業で消耗する社畜・白瀬陸空(しらせりくう)の唯一の癒し。それは「白いもふもふ」だった。 ある日、白い子犬を助けて命を落とした彼は、異世界で目を覚ます。
ふと水面を覗き込むと、そこに映っていたのは―― 伝説の神獣【フェンリル】になった自分自身!?
「どうせ転生するなら、テイマーになって、もふもふパラダイスを作りたかった!」 「なんで俺自身がもふもふの神獣になってるんだよ!」
理想と真逆の姿に絶望する陸空。 だが、彼には規格外の魔力と、前世の異常なまでの「もふもふへの執着」が変化した、とある謎のスキルが備わっていた。
これは、最強の神獣になってしまった男が、ただひたすらに「もふもふ」を愛でようとした結果、周囲の人間(とくにエルフ)に崇拝され、勘違いが勘違いを呼んで国を動かしてしまう、予測不能な異世界もふもふライフ!
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
「ご褒美ください」とわんこ系義弟が離れない
橋本彩里(Ayari)
恋愛
六歳の時に伯爵家の養子として引き取られたイーサンは、年頃になっても一つ上の義理の姉のミラが大好きだとじゃれてくる。
そんななか、投資に失敗した父の借金の代わりにとミラに見合いの話が浮上し、義姉が大好きなわんこ系義弟が「ご褒美ください」と迫ってきて……。
1~2万文字の短編予定→中編に変更します。
いつもながらの溺愛執着ものです。
強い祝福が原因だった
棗
恋愛
大魔法使いと呼ばれる父と前公爵夫人である母の不貞により生まれた令嬢エイレーネー。
父を憎む義父や義父に同調する使用人達から冷遇されながらも、エイレーネーにしか姿が見えないうさぎのイヴのお陰で孤独にはならずに済んでいた。
大魔法使いを王国に留めておきたい王家の思惑により、王弟を父に持つソレイユ公爵家の公子ラウルと婚約関係にある。しかし、彼が愛情に満ち、優しく笑い合うのは義父の娘ガブリエルで。
愛される未来がないのなら、全てを捨てて実父の許へ行くと決意した。
※「殿下が好きなのは私だった」と同じ世界観となりますが此方の話を読まなくても大丈夫です。
※なろうさんにも公開しています。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる