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第三章

愛しい者

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人の肌が甘いわけはないが、一弥のそれは滑らかで心地よく、ずっとずっと味わいたくなる不思議な引力があった。夢中になって舐めて吸い付く。
時折上がる一弥の艶めかしい声が、余計に俺の気持ちを煽っていた。

夢中で唇や舌で愛撫をしている中、ぷっくりと主張する二つの可愛らしい粒。口に含んで軽く歯を当ててみると、一弥の体が一瞬大きく跳ねた。

「あ……っ! んんっ……、輔さん……、建輔……っ」

ビクンビクンと体を跳ねさせながら甘い声を上げ、感じすぎるのか俺に足を絡ませてきた。

「好きだ……、一弥……」

俺のことを求めているのだと思うと、可愛くて愛しくて体が熱くなる。
一弥の体中すべてを知りたくて、俺は余すことなく唇を這わせた。


「あ……っ」

反りあがっている一弥のソレを掌で包むと、また大きく体を仰け反って声を上げた。
俺は同性とのこういう行為は初めてなので、口に含むとかしたことは無いが、だけどそれをされると気持ちがいいことは知っていた。
うまくできないかもしれないが、一弥の乱れる顔をもっと見たくて口を開けた。

「建……さん、いい……、そこまで……、あっ!」

察した一弥が体を起こし止めようとしたが、それを無視して口に含む。お世辞にも口に含んで気持ちのいいものではなかったが、それでも一弥の体がビクビクと跳ねながら悶え感じていることが嬉しくて、歯を立てないように気を付けながら夢中でほおばった。

「つ……、あ、やっ……!」

イヤイヤをするように悶える姿が色っぽい。
もっと、もっと感じてくれ。カイリなんて、あんな奴との行為を記憶の中から消せるくらいに、もっと……。
執拗に攻める俺に、一弥の声が段々泣き声に近くなる。乱れる自分が恥ずかしいのか、目にも涙がたまっているように見える。

「……あっ、もう……、ダメ! ダメ離して……、やあっ!!」

ひと際大きな声を上げた一弥は、とうとう堪えきれなくなり俺の口中に熱いものを吐き出してしまった。


×××××    ×××××    ×××××

「ケホッ……」
「……もう、……バカ。そんな、無理しなくて……、い……、のに……」
「別に無理なんかじゃない」

ティッシュで口をぬぐった後、拗ねるように口を尖らせる一弥の髪をそっと撫でた。

「一弥が色っぽくて可愛かったから、……もっと乱れてほしいと思っただけだよ」
「……建輔さん」

一弥は一瞬、茫然としたような表情をした後、顔をクシャリと歪ませた。まるで泣くのを堪えているかのように。
本当に可愛くてたまらない。本音としてはこのまま一弥を抱いてしまいたいけれど、男同士のこの行為が初めてな俺は一弥を傷つけてしまうかもしれない。ゴムも準備していないし。
急く必要はないから今日はここまでにして……。
ん?

「おい、一弥?」

ごそごそと起き上がり俺を仰向けに寝かせて、一弥が俺に乗っかって来た。

「建輔さん同性相手なんて初めてでしょ? 俺がするから」
「えっ!?  おい、ちょっ……!」

待てと止める間もなく、一弥は反り返る俺のモノを掴んで自分の後ろの蕾に押し当てた。
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