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第三章
余所行きの顔なんて嫌だ
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鳥海先生が去って行ったので、俺と紫藤先生の2人になった。
先生は職場モードでいるせいで、優しい表情はしているけれど、なんとなく俺は息が詰まる。
「せんせー」
呼びかけると「何だい?」と言って、俺の顔を見てくれるけど、その表情はどう見ても作られた顔だ。
今までならこれが先生の素だと思っていたから気にもならなかっただろうけど、これが作られた職場モードの顔だとわかってしまった今は、他の人が居ない所でこの顔をされるのは嫌だった。
「……怒ってるの?」
「…………」
「俺、何も悪いことしてないよね……?」
「…………」
俺の質問に、今度は顔を前に向けてしまった。返事さえ返してくれない先生に、胸の奥がギシギシと痛んだ。
痛くて痛くて仕方がない。
「だって、しょーがないじゃん。鳥海先生振りほどいて、先生のところに行くわけにいかないし。そんなことしたら、先生に迷惑かけるし……」
俯いてボソボソと先生に文句を言っていたら、突然腕を引かれて空き教室に引っ張られた。
「…っ、んん……っ!?」
先生の熱い唇が、突然俺の唇を覆った。
腰を引き寄せられ、後頭部を支えられ、気が付くと深い深いキスをされている。
歯列を割って入って来た先生の甘い舌が、俺のそれに絡みつく。
昨日の、傷口を考慮した遠慮のあるキスなんかじゃなくて、俺を欲しているキス。
甘くて愛おしくて切なくて、俺も夢中で先生にしがみ付いて、どん欲にお互いの舌の熱を求めあった。
「南……」
掠れた先生の甘い声。その声が愛おしくて、胸の奥深くがゾクリと甘く疼いた。
「先生、好き。俺、先生だけだから……。だから俺の事、嫌いにならないでよ」
先生は職場モードでいるせいで、優しい表情はしているけれど、なんとなく俺は息が詰まる。
「せんせー」
呼びかけると「何だい?」と言って、俺の顔を見てくれるけど、その表情はどう見ても作られた顔だ。
今までならこれが先生の素だと思っていたから気にもならなかっただろうけど、これが作られた職場モードの顔だとわかってしまった今は、他の人が居ない所でこの顔をされるのは嫌だった。
「……怒ってるの?」
「…………」
「俺、何も悪いことしてないよね……?」
「…………」
俺の質問に、今度は顔を前に向けてしまった。返事さえ返してくれない先生に、胸の奥がギシギシと痛んだ。
痛くて痛くて仕方がない。
「だって、しょーがないじゃん。鳥海先生振りほどいて、先生のところに行くわけにいかないし。そんなことしたら、先生に迷惑かけるし……」
俯いてボソボソと先生に文句を言っていたら、突然腕を引かれて空き教室に引っ張られた。
「…っ、んん……っ!?」
先生の熱い唇が、突然俺の唇を覆った。
腰を引き寄せられ、後頭部を支えられ、気が付くと深い深いキスをされている。
歯列を割って入って来た先生の甘い舌が、俺のそれに絡みつく。
昨日の、傷口を考慮した遠慮のあるキスなんかじゃなくて、俺を欲しているキス。
甘くて愛おしくて切なくて、俺も夢中で先生にしがみ付いて、どん欲にお互いの舌の熱を求めあった。
「南……」
掠れた先生の甘い声。その声が愛おしくて、胸の奥深くがゾクリと甘く疼いた。
「先生、好き。俺、先生だけだから……。だから俺の事、嫌いにならないでよ」
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