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第一章
噂の読書同好会
「なあ、歩、お前どの部に入るか決めた?」
出席番号順のおかげで僕の前に座っている加賀くんが、くるんと後ろを振り返って僕に聞いた。
加賀くんは気さくな性格で僕と話もあったので、いつの間にか親しくなれて今はしょっちゅうつるむ友達になっている。
「ううん、まだ。でもあんまり運動は得意じゃないから、文化系で探したいなって思ってるんだけど。加賀くんは?」
「俺? 俺はバレー、中学の時からやってるんだ」
「そうなんだー、かっこいいね」
「アハハ。なんだそれ、別に普通だろ?」
「そんなことないよ。僕運動神経ほぼゼロだから、スポーツマンって憧れるよ」
僕らの話を聞いていたんだろう、隣の女子、加山さんも話に加わって来た。
「ねえねえ、文化系って言ったらさ、加賀くんたち知ってる?」
「何を?」
「部じゃないんだけどさ、読書同好会ってすごいところがあるんだけどさ」
「凄い? なんで同好会が凄いんだ?」
「それがね! すごいイケメンぞろいなんだよ!」
「ああ……」
目をキラキラと輝かせて話す加山さんに、加賀くんがうんざりしたような顔をする。
「女子はイケメン好きだからな。読書なんて、わざわざ同好会なんて作らなくても勝手に読んでればいいのに」
「何よ、もう―! そこにいる紫藤礼人って人がさ、めちゃくちゃかっこいいんだよ!」
……え?
紫藤……礼人?
ドキンって心臓が大きく鳴った。
紫藤さん……、紫藤さんが読書同好会にいるんだ!
どうしよう。
入りたい! 入ったら、あの紫藤さんに毎日会えるんだ!
「あー、はいはい。そんなにかっこいいんなら、入ればいいじゃん。そうすりゃ毎日イケメン拝み放題だろ?」
「そうなんだけどさー、アソコ何でかわかんないんだけど入会希望者を審査するみたいで、全員断られてるみたいなのよ」
「……審査?」
何?
それどういうこと?
びっくりして思わず漏れた僕の言葉に、加山さんが大きく頷いた。
「そうなのよー、酷くない? 隣のクラスのナミナミがさ、友達と一緒に申し込みに行ったんだけど、なんだかやたらデカい人に『お前らは駄目だ』の一言で却下されたんだって! その人もすごいイケメンだったらしいんだけど、感じ悪いったら無いらしいの!」
「そ、そうなんだ……」
「それ聞いたらさ、チャレンジする気無くなっちゃって。だって断られたらショックじゃん」
デカい人って誰だろう?
クリスマスの時に一緒にいた人たちは、そんなにデカい感じじゃなかったし怖い感じでも無かったけど……。
入会させる気が全くないのなら、多分僕もダメだよな。
やっぱり遠くから紫藤さんを眺めることが精いっぱいな事なんだろうか……。
これが現実なんだろうと思いはしたけど、がっかり感が半端なくて、僕はこっそりため息を吐いた。
出席番号順のおかげで僕の前に座っている加賀くんが、くるんと後ろを振り返って僕に聞いた。
加賀くんは気さくな性格で僕と話もあったので、いつの間にか親しくなれて今はしょっちゅうつるむ友達になっている。
「ううん、まだ。でもあんまり運動は得意じゃないから、文化系で探したいなって思ってるんだけど。加賀くんは?」
「俺? 俺はバレー、中学の時からやってるんだ」
「そうなんだー、かっこいいね」
「アハハ。なんだそれ、別に普通だろ?」
「そんなことないよ。僕運動神経ほぼゼロだから、スポーツマンって憧れるよ」
僕らの話を聞いていたんだろう、隣の女子、加山さんも話に加わって来た。
「ねえねえ、文化系って言ったらさ、加賀くんたち知ってる?」
「何を?」
「部じゃないんだけどさ、読書同好会ってすごいところがあるんだけどさ」
「凄い? なんで同好会が凄いんだ?」
「それがね! すごいイケメンぞろいなんだよ!」
「ああ……」
目をキラキラと輝かせて話す加山さんに、加賀くんがうんざりしたような顔をする。
「女子はイケメン好きだからな。読書なんて、わざわざ同好会なんて作らなくても勝手に読んでればいいのに」
「何よ、もう―! そこにいる紫藤礼人って人がさ、めちゃくちゃかっこいいんだよ!」
……え?
紫藤……礼人?
ドキンって心臓が大きく鳴った。
紫藤さん……、紫藤さんが読書同好会にいるんだ!
どうしよう。
入りたい! 入ったら、あの紫藤さんに毎日会えるんだ!
「あー、はいはい。そんなにかっこいいんなら、入ればいいじゃん。そうすりゃ毎日イケメン拝み放題だろ?」
「そうなんだけどさー、アソコ何でかわかんないんだけど入会希望者を審査するみたいで、全員断られてるみたいなのよ」
「……審査?」
何?
それどういうこと?
びっくりして思わず漏れた僕の言葉に、加山さんが大きく頷いた。
「そうなのよー、酷くない? 隣のクラスのナミナミがさ、友達と一緒に申し込みに行ったんだけど、なんだかやたらデカい人に『お前らは駄目だ』の一言で却下されたんだって! その人もすごいイケメンだったらしいんだけど、感じ悪いったら無いらしいの!」
「そ、そうなんだ……」
「それ聞いたらさ、チャレンジする気無くなっちゃって。だって断られたらショックじゃん」
デカい人って誰だろう?
クリスマスの時に一緒にいた人たちは、そんなにデカい感じじゃなかったし怖い感じでも無かったけど……。
入会させる気が全くないのなら、多分僕もダメだよな。
やっぱり遠くから紫藤さんを眺めることが精いっぱいな事なんだろうか……。
これが現実なんだろうと思いはしたけど、がっかり感が半端なくて、僕はこっそりため息を吐いた。
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