僕の王子様

くるむ

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第一章

再会 2

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「……あ」

思わず漏れた僕の声に、紫藤さんが気が付いてこちらを見た。

見て、目が合って。
紫藤さんも「あっ!」と声を上げた。

「うわ、久しぶりだな―。元気だったか? ……え? あれ、そういやお前、志望校は富樫じゃなかったっけ」
「……はい。だったんですけど、聖徳も良いなって思ってて……、で、こっちにしました」

あー、やっぱドキドキする。
遠くで見てるより、やっぱりこんだけ近いと迫力が違う。
本当に、こんなモデル張りの綺麗な人っているんだよなあ……。

「歩、もうどっかに入った?」

「え?」

あ、歩って!
歩って!
名前、憶えてくれてたんだ!
ていうか……! 呼び捨て名前呼び!

ど、どうしよう。うれしすぎる。

顔を真っ赤にさせて心臓バクバクさせていたら、目の前の紫藤さんが困ったように笑っていた。

「あ……、えと、あのっ……」

何聞かれたんだっけ? テンパり過ぎて忘れちゃった。

「部活は? どっか入ったのか?」
「……あ。いえ、まだです。文化系に入りたいなっては思ってるんですけど、まだ決められなくて」
「ふうん。……じゃあ、俺んとこ入る?」

「……え?」
「読書同好会。本読んでくっちゃべってるだけだけどな」

え!?
ええっ!?

「い、いいんですか!?」

目を真ん丸くして驚く僕に、紫藤さんも驚いていた。

「あ、えと。クラスの子の友達が、その同好会に入りたいって言ったら、すごく怖い人に却下されたって聞いたんで……」
「ああ、……あれ!」

どうやらすぐに思い当たったようだ。そして何やら可笑しそうに笑いだした。

「あれはな……、まあしょうがないっつーか……」

笑いを堪えながらだけど肯定しているから、やっぱり審査があるのは嘘ではないらしい。


「だけど歩は大丈夫だから」
「……え?」

笑いながら、僕の目を覗き込むようにしてそう言われて、僕の心臓がトクンと波打った。


「俺が推薦するよ。いやじゃ無ければ」
「い、嫌じゃないです!」

間髪を入れずに返事をした僕に、紫藤さんは楽しそうに笑っていた。
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