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第三章
心の声がダダ洩れ
最初はそうでも無かったんだけど、時間が経つにつれ荷物が結構重く感じられる。
「重そうだな。それも持とうか?」
「だっ、大丈夫です!」
冗談じゃないよ!
ただでさえ礼人さん、重い方を持っているのに、これ以上持たせるわけにはいかないもん!
取られまいと僕がぐっと両手で袋を持ち直したのを見て、礼人さんは苦笑いをしていた。
「無理してないか? 俺、結構力持ちだから二つの荷物くらい平気だぞ」
「……大丈夫です。僕の仕事を横取りしないでください」
真顔で真剣に言い返すと、礼人さんは『え?』って顔をした。
だって!
礼人さんは確かに力持ちっぽいけど、ここで甘えて持ってもらったりなんかしたら、こうやって礼人さんの手伝いで二人っきりになることも出来なくなるじゃないか。
そっちの方がヤだし……。
こんな本音は礼人さんに言うわけにはいかないので、心の中だけで訴える。
もちろん心の声が聞こえるわけが無いから出来ることなんだけど。
くすっ。
「……え?」
「歩……」
「……? はい」
「お前、ホント可愛いなあ」
えっ!?
はい?
ええっ!?
礼人さんの一言で、僕の顔が一気に熱くなった。
だって!
だって今の発言って!!
どう考えても僕の心の声のダダ洩れ感ハンパ無いじゃないかーーーーーーーーっ!!
「ああーっ、いいわお前ホント! 癒され感半端ないな」
そう言いながら礼人さんが僕の頭をグリグリする。
……やっぱ僕の心の声、ダダ洩れしてる……。
頭を撫でられながら歩いていると、後ろから礼人さんを呼ぶ甲高い声が聞こえて来た。
「礼人―、ラッキー♪ まだいたんだねぇ」
「……え?」
振り向くと、礼人さんと同級生らしき女子が三人立っていた。
「あれ? このチビちゃんは?」
「随分親しそうねぇ」
そう言いながら僕の顔を覗き込んでくる。
「おい」
ビビる僕に気づいた礼人さんが注意してくれたんだけど、この人たちはそれがちょっと気に入らないようだった。
「なによぉ。だって珍しいでしょ? 礼人が誰かを可愛がってるなんて」
「……ったく。見ての通り一年生だよ。同好会の新人だ」
「嘘ッ!」
「なんで嘘なんだ」
「だって、あの鬼がよく認めたわね! 入部希望の人たち全員、鬼に威嚇されて渋々諦めたって聞いたわよ」
……鬼。
え~っと、東郷先輩のことだね。
確かにあの先輩はちょっと……、いやかなり怖い。
「それは動機に問題があったからじゃないのか? こいつは文化系希望で、読書好きだから皆が歓迎したんだ」
「……読書好き? そうなの?」
クリンと僕の方を向いて尋ねられ、反射的にコクンと頷いた。
「はい。えっとH圭吾とかCカッスラーとか好きです。ファンタジーだと……」
「ああ、うん分かった。いい、いい」
動機を疑われててはまずいと思ってちゃんと話そうと思ったんだけど、どうやら僕のことには関心が無かったようだ。
それ以上言わないで良いと手で制されて、何となくだけどホッとした。だって、僕のことなんて眼中にないってことは、僕が礼人さんに恋していることもバレる確率が低いって事だもの。
「じゃあ、もう行くぞ。歩」
「はい」
「あー、待って待って。一緒に行く。鬼が怖いから中には入らないからさ」
「鬼ってさー、お前」
「だって本当のことじゃん」
ケラケラと笑いながら、彼女らは礼人さんの近くを陣取って結局同好会の部屋の直前までついてきていた。
おかげで僕は礼人さんとの二人っきりの時間を邪魔されて、ほんのちょっぴり面白くなかった。
「重そうだな。それも持とうか?」
「だっ、大丈夫です!」
冗談じゃないよ!
ただでさえ礼人さん、重い方を持っているのに、これ以上持たせるわけにはいかないもん!
取られまいと僕がぐっと両手で袋を持ち直したのを見て、礼人さんは苦笑いをしていた。
「無理してないか? 俺、結構力持ちだから二つの荷物くらい平気だぞ」
「……大丈夫です。僕の仕事を横取りしないでください」
真顔で真剣に言い返すと、礼人さんは『え?』って顔をした。
だって!
礼人さんは確かに力持ちっぽいけど、ここで甘えて持ってもらったりなんかしたら、こうやって礼人さんの手伝いで二人っきりになることも出来なくなるじゃないか。
そっちの方がヤだし……。
こんな本音は礼人さんに言うわけにはいかないので、心の中だけで訴える。
もちろん心の声が聞こえるわけが無いから出来ることなんだけど。
くすっ。
「……え?」
「歩……」
「……? はい」
「お前、ホント可愛いなあ」
えっ!?
はい?
ええっ!?
礼人さんの一言で、僕の顔が一気に熱くなった。
だって!
だって今の発言って!!
どう考えても僕の心の声のダダ洩れ感ハンパ無いじゃないかーーーーーーーーっ!!
「ああーっ、いいわお前ホント! 癒され感半端ないな」
そう言いながら礼人さんが僕の頭をグリグリする。
……やっぱ僕の心の声、ダダ洩れしてる……。
頭を撫でられながら歩いていると、後ろから礼人さんを呼ぶ甲高い声が聞こえて来た。
「礼人―、ラッキー♪ まだいたんだねぇ」
「……え?」
振り向くと、礼人さんと同級生らしき女子が三人立っていた。
「あれ? このチビちゃんは?」
「随分親しそうねぇ」
そう言いながら僕の顔を覗き込んでくる。
「おい」
ビビる僕に気づいた礼人さんが注意してくれたんだけど、この人たちはそれがちょっと気に入らないようだった。
「なによぉ。だって珍しいでしょ? 礼人が誰かを可愛がってるなんて」
「……ったく。見ての通り一年生だよ。同好会の新人だ」
「嘘ッ!」
「なんで嘘なんだ」
「だって、あの鬼がよく認めたわね! 入部希望の人たち全員、鬼に威嚇されて渋々諦めたって聞いたわよ」
……鬼。
え~っと、東郷先輩のことだね。
確かにあの先輩はちょっと……、いやかなり怖い。
「それは動機に問題があったからじゃないのか? こいつは文化系希望で、読書好きだから皆が歓迎したんだ」
「……読書好き? そうなの?」
クリンと僕の方を向いて尋ねられ、反射的にコクンと頷いた。
「はい。えっとH圭吾とかCカッスラーとか好きです。ファンタジーだと……」
「ああ、うん分かった。いい、いい」
動機を疑われててはまずいと思ってちゃんと話そうと思ったんだけど、どうやら僕のことには関心が無かったようだ。
それ以上言わないで良いと手で制されて、何となくだけどホッとした。だって、僕のことなんて眼中にないってことは、僕が礼人さんに恋していることもバレる確率が低いって事だもの。
「じゃあ、もう行くぞ。歩」
「はい」
「あー、待って待って。一緒に行く。鬼が怖いから中には入らないからさ」
「鬼ってさー、お前」
「だって本当のことじゃん」
ケラケラと笑いながら、彼女らは礼人さんの近くを陣取って結局同好会の部屋の直前までついてきていた。
おかげで僕は礼人さんとの二人っきりの時間を邪魔されて、ほんのちょっぴり面白くなかった。
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