僕の王子様

くるむ

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第六章

紫藤先輩はカッコイイ 2

             ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆      


いろんなことがあったから凄く長い一日に感じた新入生歓迎スポーツ大会も、すべての試合を終了して無事閉会式を迎えた。
僕らのクラスはドッジボールが優勝。そしてバレーボールが準優勝だった。

ドッジボールの優勝の立役者は間違いなく加山さんだろう。迫力、半端なかったもん。
凄い勢いでガンガンボールをぶつけて、相手チームのメンバーを次々倒していく鬼のような加山さん……。

「さすが加山。お前本当は男だったんじゃねーの?」
「はあ? あんたも潰されたいの?」
「勘弁してください」

みんな頑張ったからという事で、担任の先生が慰労会を開くと言ってジュースを一本ずつ僕らに奢ってくれた。
よく冷えた炭酸飲料を飲みながら、お互いの頑張りをねぎらった。

加賀くんと一緒に加山さんの武勇伝に花を咲かせていたら、高橋君と増岡君が僕の傍にやって来た。

「ゴメン、鹿倉。俺がドジしたせいで一人で仮装させることになっちゃって」
「あ……、ううん。わざとじゃないし、捻挫の方は大丈夫なの?」
「ああ。大したことないから。……でも、しばらくは体育の授業は出れそうにないかな。びっこ引かなきゃ歩けないし」
「そうなんだ。災難だったね」
「まあ、でも。おかげでいいもの見れたし♪」

横から加山さんがにこにこしながら僕らの話に入って来た。

「ああ、そうなんだってな。俺ら見れなかったけど、紫藤先輩が王子様になったって女子が騒いでたの聞いたぞ」
「かっこよかったぞ、男前で。……あんな先輩がいたら、頼もしくていいよな。ちょっと歩がうらやましかった」
「ああ、うん。二年生たちはあんまりよく思ってなかったみたいだけど、割と俺ら一年は、紫藤先輩のこと見直したって奴けっこういたよな」

僕らの会話に、傍にいた城田君たちも頷きながら会話に参加してきた。

「…………」

礼人さんのことをこうやって、見直したとかかっこよかったとみんなが言ってくれて、僕はなんだか誇らしいようなホッとしたような、くすぐったい思いだ。

心の中でそんな風にニソニソしていたら、加山さんが『良かったね』と言うように僕に目配せをした。

僕は心の中で思いっきり大きく頷いて、加山さんに笑い返した。
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