無自覚美少年の男子校ライフ♪

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なんでこうなる！

LHRの時間、蓮先輩が言ったように「第１１回王子様・美少女コンテスト」についての話し合いが行われた。

内部生のみんなは既に分かり切った事だったようだけど、僕ら外部生は初めて聞く事だったので、外部生の為に委員長が説明してくれた。

その説明によると、各クラスから１名ずつ選出し、それに優勝した応募者のいるクラスには、なんと！学食で使える食券の10%OFFチケットが５日分、全員に贈られるとの事だった。そして優勝した本人には、クラウンホッパーホテルのディナーチケットが贈られる。

うっわ。スゲーな。副賞まで出るんだ。
てことは、みんな副賞目当てに、マジでカッコ良かったり可愛い系の人を選ぶようになるよな。
このクラスでいうと誰になるんだろう。

きょろきょろと周りを見回していると、なぜだかみんなと目が合う。
…あれ？　なんかみんなに見られてる？

「はい、美少女コンテストには、中田伸之助君を推薦します」

はいい！？
誰だアイツ！　僕に恨みでもあるのか！？

「賛成！」
「俺も賛成、良いと思いまーす」

１人が賛同すると、なぜか次々と賛同の声が飛んだ。

「ちょ、ちょっと待ってよ。なんで僕？　僕なんか出たって、食券は貰えないよ！」

焦った僕は立ち上がって、つい大声で訴えた。
するとみんなは、目を丸くして僕を見て首を傾げる。

何なの…？

「伸之助、お前、鏡見た事あるか？」

皆の態度にどぎまぎしていると、横から候が僕に妙な事を聞いてくる。

「当たり前だろ。僕だって一応、髪の毛いじる時くらいは鏡くらい見るよ！　フツメン舐めんな！」
「……」

胸を張って答える僕に、脱力するみんな。本当になんなんだよ！


「さ、では次は、王子様に出る人を選出します」

ええ！？
僕の抗議は無視？

「はい！　倉持晴翔が良いと思います！」
「いやいや、南だろ」

戸惑う僕を無視して、議長は議事を進行していく。
助けを求めようと候を見ると、「諦めろ」と口パクしてきやがった！

…ったく。
庶民の僕は、ちょっと食券10%OFFに囚われちゃったんだけど、セレブのお坊ちゃんにはただの気分転換が出来るお祭りなのかな。


そして、王子様コンテストには多数決で南飛翔ミナミツバサに決まり、美少女コンテストには有無を言わさず(怒)僕が選ばれてしまったのだ…。