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第一章
エイドリアンの告白 2
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「え? はっ? えっ、うっ……」
聞き慣れない単語が聞こえて、僕の頭の中は混乱を極めていた。
好き? ずっと僕のことが?
「悪趣味ですか?」
「失礼な」
「えっ、でも、だってですね」
エイドリアンは真剣な表情を崩さなかった。ずっと僕の目を見つめ、両手も放してくれない。
「嘘なんかつかないよ、信じられないか?」
「そんな……ことはないです」
エイドリアンはずっと、僕が死に戻る前からずっと、嘘なんかつかないし僕のことを一番考えてくれた人だった。
「びっくりして……。まさか僕なんかのことを好きになってくれる人がいるなんて思わなかったから」
「前向きに考えてくれるかい?」
「あ……、はい」
愛を乞われるなんてそんな体験、僕がするなんて思わなかったから正直頭はついてこれていない。
だけどこの戸惑いが、嫌な気持ちではないことだけは分かっていた。それどころか、嬉しくてこそばゆい。
これを恋と呼ぶには、まだ早すぎるような気がするのだけど。
「ありがとう、ショーン」
エイドリアンは覆うように握っていた僕の手を持ち直して、彼の口元に近づけた。そしてその唇で僕の手の甲に軽く触れた後、両手でまたぎゅっと握りしめた。
心臓がおかしくなりそうだ。
恥ずかしさから焦っているのか、ものすごい勢いで働いている。こんなに恐ろしい勢いで働かれるときっと血の流れも恐ろしいことになっているんだろう。僕の体がカッカと熱くなってるのはそのせいかもしれない。
「こら、どうでもいいことを考えているだろう」
握りしめられた手をグッと引き寄せられて、エイドリアンの顔が間近に迫る。
「ひぃええっ」
「ショーン?」
はわわわわっ。
「勘弁してください、エイドリアン。僕は本当に初心者なんです。誰かに好かれたことなんて、一度だってないんですから」
顔が熱くて仕方がない。恥ずかしいしどうしていいのかわからなくて、顔があげられなかった。
「じゃあ俺に好かれることから覚えていって」
両手を解放したエイドリアンが、こんどはそっと柔らかく、僕の体を抱きしめた。
「ふっ、ふわぁい」
いっぱいいっぱいな僕はまたもや変な声を出して、余計に恥ずかしくなってしまったのだ。
聞き慣れない単語が聞こえて、僕の頭の中は混乱を極めていた。
好き? ずっと僕のことが?
「悪趣味ですか?」
「失礼な」
「えっ、でも、だってですね」
エイドリアンは真剣な表情を崩さなかった。ずっと僕の目を見つめ、両手も放してくれない。
「嘘なんかつかないよ、信じられないか?」
「そんな……ことはないです」
エイドリアンはずっと、僕が死に戻る前からずっと、嘘なんかつかないし僕のことを一番考えてくれた人だった。
「びっくりして……。まさか僕なんかのことを好きになってくれる人がいるなんて思わなかったから」
「前向きに考えてくれるかい?」
「あ……、はい」
愛を乞われるなんてそんな体験、僕がするなんて思わなかったから正直頭はついてこれていない。
だけどこの戸惑いが、嫌な気持ちではないことだけは分かっていた。それどころか、嬉しくてこそばゆい。
これを恋と呼ぶには、まだ早すぎるような気がするのだけど。
「ありがとう、ショーン」
エイドリアンは覆うように握っていた僕の手を持ち直して、彼の口元に近づけた。そしてその唇で僕の手の甲に軽く触れた後、両手でまたぎゅっと握りしめた。
心臓がおかしくなりそうだ。
恥ずかしさから焦っているのか、ものすごい勢いで働いている。こんなに恐ろしい勢いで働かれるときっと血の流れも恐ろしいことになっているんだろう。僕の体がカッカと熱くなってるのはそのせいかもしれない。
「こら、どうでもいいことを考えているだろう」
握りしめられた手をグッと引き寄せられて、エイドリアンの顔が間近に迫る。
「ひぃええっ」
「ショーン?」
はわわわわっ。
「勘弁してください、エイドリアン。僕は本当に初心者なんです。誰かに好かれたことなんて、一度だってないんですから」
顔が熱くて仕方がない。恥ずかしいしどうしていいのかわからなくて、顔があげられなかった。
「じゃあ俺に好かれることから覚えていって」
両手を解放したエイドリアンが、こんどはそっと柔らかく、僕の体を抱きしめた。
「ふっ、ふわぁい」
いっぱいいっぱいな僕はまたもや変な声を出して、余計に恥ずかしくなってしまったのだ。
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