幼児化した闇魔術士は聖騎士に溺愛される

くるむ

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第二章

ウィルの従魔プリン

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 いつもならもうとっくに帰っている時刻だというのに、ウィルフレッドはまだ帰って来ていない。辺りはもうすっかり暗くなっている。
 少し、いや、ほんの少しだけ気になった俺は、門が見える窓から外を眺めていた。
 なぜだか俺の後ろには、ほんわかとした雰囲気をまとったリースが立っている。

 ん?
「なんだ、あれ」
 向こうの空から何か物体が近付いてくる。小さくてよく見えなくて、俺は目をこすってもう一度窓の外をじぃーっと見た。

「馬の魔獣?」
 驚きのあまり声が裏返ってしまった。リースが「えっ?」と言って、彼女も身を乗り出し窓の外を見た。
 聖騎士たちがあれに乗って街を闊歩しているのは見たことあるけど、あれはおそらく巡回用や聖騎士団所属で個人が所有しているものではないはずだ。

「ああ、プリンですね」
「この屋敷で飼っているの?」
 見たことなかったんだけど。

「いいえ、違いますよ。プリンは聖騎士団所有の従魔ですから。ですが時々、こちらの屋敷で預かったりもするんです。賢いいい子ですよ。あっ、降り立ちましたね」
 なんだろ、ちょっと変な気分だ。

「さあルアン様、ウィルフレッド様をお迎えに参りましょう」
「ええ? 今日は別に……」

 別にと言っているのに、リースは俺に手を差し出したままだ。
「…………」

 引く気が一向にないようなので、仕方なく俺はリースの手を取った。きゅっと優しく温かい手のひらに握られて、俺は否応なくウィルを出迎えに行くことになってしまった。

 リースは俺の手を引いたまま、玄関ホールを抜けて外に出た。そして屋敷裏手近くに連れて行かれる。そこでは、ウィルが獣魔の毛並みを整えていた。

「お帰りなさいませ、ウィルフレッド様。何か手伝えることはありませんか?」
「ただいま。いや、大丈夫だ。プリンの世話は私の仕事だ」

 ウィルの言う通り、手つきが慣れている。じっと見ていたら、プリンと目が合った。
 見たことがない奴がいると言いたげなその眼差しに、不覚だけどほんの少しビビった。だけどにらみ返すぐらいの気持ちでじっと視線を外さずにいると、プリンはほんの少し首を傾げた。そして主人の顔色を窺うように、ウィルの顔を見た。

「彼はルアンだ。少し前にこの屋敷にきた大切な家族だよ。仲良くしてやってくれ。で、こっちはプリン。私の相棒の従魔だ。とても賢いんだ。ルアンとも仲良くなれるんじゃないかな」

 ニコニコと機嫌の良さそうなウィルを前に、俺とプリンは互いの距離感を図りかねていた。
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