幼児化した闇魔術士は聖騎士に溺愛される

くるむ

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第二章

もやもやする

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 プリンと心を通わせそうになっているのを嬉しいと思ってしまっていた俺は、ウィルに抱っこされた状態で手を延ばしてプリンの首に触れた。
 ウィルは俺のその行動に本当にびっくりしたようで、目を見開き俺を見て、プリンと俺を交互に見た。

「仲良くなったのか、よかったな」
「まあな」
 否定する気はないので素直に頷いた。プリンはその俺の言葉に、偉そうにツンと顔を上げて答えた。


 結局、冷えてきているからという理由で、俺はウィルに抱っこされたまま部屋に戻ってきた。プリンの嫉妬は感じたけれど、それはそれとして俺のことは受け入れてくれたんじゃないかなあと思っている。

「そうだ、いいニュースがあるぞ」
 リースが寝間着を持ってきてくれたので、それに着替えながら顔を上げた。

「なんだと思う?」
「知らない」
「可愛い気のない返事だな。もうちょっと考えてみろよ」
「だって本当に知らないし」
 両袖を突っ込んでボタンをはめたんだけど襟が傾いていたらしい。リースが後ろから丁寧に直してくれているのがわかる。ウィルも手伝いたがっていたけれど、マーサに『このぐらいの年の子は何でも自分でやりたい時期があるんですよ。手の出しすぎは悪いので少しお控えください』と言われてからは、過保護な構いっぷりは少なくなってきた。

「まあ、そうか。……聖女が見つかったらしい」
「えっ? うそっ」
「聖女様が? 本当でございますか?」
「私はまだ会ってはいないが、本当だ」

 聖女なんておとぎ話みたいな存在じゃなかったのか?
 
「それって、いいニュースなのか?」
「いいニュースに決まっているだろ。彼女の力がどれほどのものか分からないけど、力のある聖女は病も怪我も治すらしいぞ。それに瘴気も、私たちとは段違いにきれいに浄化してくれるはずだ」

「ふうん」
 瘴気は魔獣を呼ぶ。街が常に浄化されてきれいな状態なら、魔獣に恐れることもなくなるということだ。
 それなのに……なんだろう。このモヤモヤとした黒い気持ちは。

「すごいですね。そんな力があるのなら、聖騎士様たちも楽になるしお医者様も要らないじゃないですか」
「それはそうだが。聖女だけに頼りすぎるのはよくないぞ。聖女と言えども人間だ。過度に依存して疲弊させてしまっては申し訳ない」
「あ、そうですよね。はしゃぎすぎました」

 聖女に期待し嬉しそうに話す二人を見て、俺はひとり微妙な気持ちになっていた。
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