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第二章
お披露目パーティ
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お披露目パーティーは盛大だった。王家主催のパーティーには何度か顔を出しているが、今日ほどの人数は見たことがない。国の宝ともいえる聖女を王家が保護したことで、その権威を誇示したかったのだろう。
高位貴族や名を馳せた諸侯らが見守る中、国王と王妃の後に続き聖女のナターシャが現れた。両脇に護衛騎士を従えている。
「聖女のお披露目パーティーによく来てくれた。今日は無礼講なのでみんな楽しんでほしい。だがその前に、聖女を紹介しよう」
国王が第二王子を振り返った。
どうやら聖女に関することは王太子ではなくクリストファー殿下に任せたようだ。クリストファー殿下が聖女に対して思い入れがあるのもさることながら、王太子にはすでに王太子妃がいらっしゃるから、それに対しての配慮もあったのかもしれない。
「なんともまあ、誇らしげな顔だな」
「余計なことは言うな。目をつけられたら厄介だぞ」
小さな低い声で諭すと、ニールは肩をすくめた。
だがまあ、ニールがそう言いたくなる気持ちも分かる。背後に控える聖女の護衛騎士をちらりと見た後、聖女の隣に立ったクリストファー殿下の何とも嬉しそうな顔。あれはもうすでに、聖女に骨抜きにされているのだろう。
「彼女が聖女のナターシャだ。もう知っているものも多いだろうが、彼女は貴族ではなく平民だ。だが聖女の資質は素晴らしく、どんなに深い傷もたちどころに治す癒しの力がある。まさに彼女は、大昔にこの国に安寧をもたらした大聖女の生まれ変わりに違いない」
どんなに深い傷もたちどころに治すというクリストファー殿下の言葉に、「おおっ」とどよめきが起こった。皆の表情も期待に満ちている。
「今宵は聖女のお披露目を兼ねた歓迎パーティーだ。楽しい時間を過ごしてほしい。――ナターシャからも一言頼む」
「えっ、は、はい。ナ、ナターシャです。王都に来るのは初めてで、お城に来たのも初めてで……何か粗相があるかもしれません。ですが皆様のお役に立てるよう一生懸命頑張りますので、どうかよろしくお願いいたします」
つたない挨拶だがかえってそれが初々しく、海千山千の貴族らの心をも掴んだようだ。場内には温かく盛大な拍手が湧き起こった。
今日の警護は近衛師団が取り仕切っていて、聖騎士団は補佐的な立場だ。なので女性を誘ってダンスをするのはもってのほかだが、談笑や立食くらいは許されている。
「シューマ、サムにも適当に飲み食いしてくつろぐよう言ってくれ。今日はハメさえ外さずに注意を払ってくれればそれでいい」
「分かりました」
一礼をしてシューマは団員達のもとに歩いていく。私が話した内容を伝えたのだろう。みんながわっと盛り上がっているのが見えた。
「じゃあ俺たちも、美味い肉でも堪能しに行くか」
「そうだな」
「あ、あのっ!」
一歩踏み出そうとした瞬間、可愛らしい声に呼び止められた。振り返ると三人の男を従えて、聖女がはにかんだ表情を浮かべて立っていた。
高位貴族や名を馳せた諸侯らが見守る中、国王と王妃の後に続き聖女のナターシャが現れた。両脇に護衛騎士を従えている。
「聖女のお披露目パーティーによく来てくれた。今日は無礼講なのでみんな楽しんでほしい。だがその前に、聖女を紹介しよう」
国王が第二王子を振り返った。
どうやら聖女に関することは王太子ではなくクリストファー殿下に任せたようだ。クリストファー殿下が聖女に対して思い入れがあるのもさることながら、王太子にはすでに王太子妃がいらっしゃるから、それに対しての配慮もあったのかもしれない。
「なんともまあ、誇らしげな顔だな」
「余計なことは言うな。目をつけられたら厄介だぞ」
小さな低い声で諭すと、ニールは肩をすくめた。
だがまあ、ニールがそう言いたくなる気持ちも分かる。背後に控える聖女の護衛騎士をちらりと見た後、聖女の隣に立ったクリストファー殿下の何とも嬉しそうな顔。あれはもうすでに、聖女に骨抜きにされているのだろう。
「彼女が聖女のナターシャだ。もう知っているものも多いだろうが、彼女は貴族ではなく平民だ。だが聖女の資質は素晴らしく、どんなに深い傷もたちどころに治す癒しの力がある。まさに彼女は、大昔にこの国に安寧をもたらした大聖女の生まれ変わりに違いない」
どんなに深い傷もたちどころに治すというクリストファー殿下の言葉に、「おおっ」とどよめきが起こった。皆の表情も期待に満ちている。
「今宵は聖女のお披露目を兼ねた歓迎パーティーだ。楽しい時間を過ごしてほしい。――ナターシャからも一言頼む」
「えっ、は、はい。ナ、ナターシャです。王都に来るのは初めてで、お城に来たのも初めてで……何か粗相があるかもしれません。ですが皆様のお役に立てるよう一生懸命頑張りますので、どうかよろしくお願いいたします」
つたない挨拶だがかえってそれが初々しく、海千山千の貴族らの心をも掴んだようだ。場内には温かく盛大な拍手が湧き起こった。
今日の警護は近衛師団が取り仕切っていて、聖騎士団は補佐的な立場だ。なので女性を誘ってダンスをするのはもってのほかだが、談笑や立食くらいは許されている。
「シューマ、サムにも適当に飲み食いしてくつろぐよう言ってくれ。今日はハメさえ外さずに注意を払ってくれればそれでいい」
「分かりました」
一礼をしてシューマは団員達のもとに歩いていく。私が話した内容を伝えたのだろう。みんながわっと盛り上がっているのが見えた。
「じゃあ俺たちも、美味い肉でも堪能しに行くか」
「そうだな」
「あ、あのっ!」
一歩踏み出そうとした瞬間、可愛らしい声に呼び止められた。振り返ると三人の男を従えて、聖女がはにかんだ表情を浮かべて立っていた。
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