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第二章
お披露目パーティ 2
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「聖女であるナターシャが、君達に挨拶がしたいそうだ」
聖女というところを強調したのは、彼女を蔑ろにするような態度をしたら許さないぞということなのだろう。
私たちがそんなに教養のない人種に見えるのだろうか。
「で、殿下、正直まだ何の仕事もしていないので、聖女だなんてあまり言わないでください」
「何を言う。君は義姉上の頭痛を、治してあげていたではないか」
「たったそれだけです」
自慢したがるクリストファー殿下に困惑している様子がなんとも初々しい。
「あの……」
唇をキュッと結んでから、聖女がこちらに顔を向けた。
「はい」
「聖女の仕事は、聖騎士団の皆様同様国のために働くことだと理解しております。本当に未熟で戸惑うことが多いので、いろいろと教えていただけると助かります」
「なんていい子なんだ」
ニールが思わずつぶやいた言葉に殿下がすぐに反応した。ちらりとニールに視線をよこす。無礼者と言いたそうな表情だ。
「恐れ多いことです。私どもが聖女様にお教えするようなことは何もないと思うのですが、……ですが困った時には何でもおっしゃってください。お役に立てることであれば全力でお力になります」
「ありがとうございます!」
うれしそうに微笑み、聖女が二、三歩前に出て来て私の手を両手で握った。思いもよらない行動に驚いたし、殿下の表情が一瞬にして強張ったのにも心配になった。クリストファー殿下はもう少し、気持ちを表に出さない努力が必要だ。
聖女は一旦私の手をぎゅっと握ってから放し、「今度聖騎士団室の方にお邪魔してもよろしいでしょうか?」と聞いた。
私が返事をする前に、クリストファー殿下が苦言を呈した。
「聖女がそのような場に赴くことはない。それに君にはやることがたくさんあるぞ」
「ですが今まで瘴気は、聖騎士団の方々が浄化していたと聞いています。私はこういうことも何もかも初めてですので、教えていただきたいのです」
「それでしたら――」
ニールが口を挟んだ。
「なんでしょうか?」
聖女は殿下の苦い顔なんか気にもしていないらしい。パッとニールのほうに顔を向けた。
「ナターシャ様がお見えになってから、瘴気の気配がなくなっていますよ。ね? 団長」
「そうなのか?」
クリストファー殿下が驚きと喜びの混じった表情でこちらを見た。聖女も驚いている。
「はい、その通りです。おそらく聖女様の影響だと思って間違いないでしょう」
「すごいぞナターシャ。君はやっぱり、大聖女の生まれ代わりだ!」
「そんな大それた……。でも、もしそうだったら嬉しいです」
聖女は私たちに向かってはにかんだような微笑みを見せた。
「さて、じゃあナターシャ、踊るぞ」
殿下が聖女の手を取った。聖女が困惑したような目でちらりとこちらを見た。だが殿下に引っ張られ、そのままダンスをしに中央まで歩いて行った。
「聖女様ってもしかして団長に気があるのでは?」
「は? 何言ってるんだ」
「えー? 絶対そうでしょ。じゃなかったらあんなわざとらしく、手なんか握らないって」
確かに。親しくもないのにちょっと……とは思いはしたけど。
「めんどくさいこと考えないで、肉食いに行こうぜ」
「おっ、そうだった。急ごう」
もちろん肉だけじゃなく色んな物を食べさせてもらったが、豪勢なお披露目パーティーだけあって食事もとても美味しかった。
ふと、イアンにも食べさせてやりたいと思った。
私はやっぱり聖女よりも、イアンの方が大事なんだなと思うと笑えてきた。
聖女というところを強調したのは、彼女を蔑ろにするような態度をしたら許さないぞということなのだろう。
私たちがそんなに教養のない人種に見えるのだろうか。
「で、殿下、正直まだ何の仕事もしていないので、聖女だなんてあまり言わないでください」
「何を言う。君は義姉上の頭痛を、治してあげていたではないか」
「たったそれだけです」
自慢したがるクリストファー殿下に困惑している様子がなんとも初々しい。
「あの……」
唇をキュッと結んでから、聖女がこちらに顔を向けた。
「はい」
「聖女の仕事は、聖騎士団の皆様同様国のために働くことだと理解しております。本当に未熟で戸惑うことが多いので、いろいろと教えていただけると助かります」
「なんていい子なんだ」
ニールが思わずつぶやいた言葉に殿下がすぐに反応した。ちらりとニールに視線をよこす。無礼者と言いたそうな表情だ。
「恐れ多いことです。私どもが聖女様にお教えするようなことは何もないと思うのですが、……ですが困った時には何でもおっしゃってください。お役に立てることであれば全力でお力になります」
「ありがとうございます!」
うれしそうに微笑み、聖女が二、三歩前に出て来て私の手を両手で握った。思いもよらない行動に驚いたし、殿下の表情が一瞬にして強張ったのにも心配になった。クリストファー殿下はもう少し、気持ちを表に出さない努力が必要だ。
聖女は一旦私の手をぎゅっと握ってから放し、「今度聖騎士団室の方にお邪魔してもよろしいでしょうか?」と聞いた。
私が返事をする前に、クリストファー殿下が苦言を呈した。
「聖女がそのような場に赴くことはない。それに君にはやることがたくさんあるぞ」
「ですが今まで瘴気は、聖騎士団の方々が浄化していたと聞いています。私はこういうことも何もかも初めてですので、教えていただきたいのです」
「それでしたら――」
ニールが口を挟んだ。
「なんでしょうか?」
聖女は殿下の苦い顔なんか気にもしていないらしい。パッとニールのほうに顔を向けた。
「ナターシャ様がお見えになってから、瘴気の気配がなくなっていますよ。ね? 団長」
「そうなのか?」
クリストファー殿下が驚きと喜びの混じった表情でこちらを見た。聖女も驚いている。
「はい、その通りです。おそらく聖女様の影響だと思って間違いないでしょう」
「すごいぞナターシャ。君はやっぱり、大聖女の生まれ代わりだ!」
「そんな大それた……。でも、もしそうだったら嬉しいです」
聖女は私たちに向かってはにかんだような微笑みを見せた。
「さて、じゃあナターシャ、踊るぞ」
殿下が聖女の手を取った。聖女が困惑したような目でちらりとこちらを見た。だが殿下に引っ張られ、そのままダンスをしに中央まで歩いて行った。
「聖女様ってもしかして団長に気があるのでは?」
「は? 何言ってるんだ」
「えー? 絶対そうでしょ。じゃなかったらあんなわざとらしく、手なんか握らないって」
確かに。親しくもないのにちょっと……とは思いはしたけど。
「めんどくさいこと考えないで、肉食いに行こうぜ」
「おっ、そうだった。急ごう」
もちろん肉だけじゃなく色んな物を食べさせてもらったが、豪勢なお披露目パーティーだけあって食事もとても美味しかった。
ふと、イアンにも食べさせてやりたいと思った。
私はやっぱり聖女よりも、イアンの方が大事なんだなと思うと笑えてきた。
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