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第三章
君が特別
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「ほら、ちょっと詰めろ」
「え?」
ウィルは俺の背中に両手を差し込み、ベッドの奥の方に体をずらしたあと、空いたスペースに寝転んだ。そして今度は俺の体を自分の上に乗っけやがった。
「おい」
「うん? 温かくていいだろ」
おろす気はないようで、ウィルは腕を、俺の腹辺りで交差した。
「お前な……」
腕の力がギュッと強くなった。
はあっ。
文句を言っても知らんふりか。最近こういう風に密着するとなんだか変な気分になるんだけど、まあ……いいか。
「――き、今日のお披露目パーティーって、どんな感じだったんだよ」
「ん? ああ……。規模は大きかったが、和やかに進んだよ。聖女のナターシャ様も最初は緊張していらしたようだが、みんなと朗らかに交流できたんじゃないかな」
「ふうん。で、やっぱりきれいな人だったのか? 癒しの力は見た?」
「んー、きれいというか可愛らしい子だったな。癒しの力は見てないが、頭痛を治したとか言っていたぞ」
「へえ」
俺も持っているのがそんな力だったら、迫害されずにすんだのかな。
「ルアン」
「おわっ」
俺の両脇に手を突っ込んだウィルは、俺の体をズリズリと上に引き上げた。
頭のてっぺんを、顎でぐりぐりしている。
「何やってんだ」
「なあ、ルアン」
無視しやがった。……別に痛くないからいいけど。
「なんだよ」
「今度聖女のパレードがあるだろう?」
「そうなんだってな」
「ああ。その際警備の打合せとかもあって、普段あまり関わらない近衛師団や王太子らと打ち合わせを設けることになっているんだ。その際機会があれば、今の忌み子政策をどう思うか聞いてみようと思っている」
「そんなことをして大丈夫なのか?」
振り向き顔を上げるとウィルと目が合った。一瞬見開かれたそれは、すぐに柔らかく細まった。
「工夫するさ。あからさまに聞いたりしないよ」
「ならいいけどさ」
「心配してくれるのか!」
「おわっ!」
体が宙に浮いて、ウィルと真正面になるように彼の腹に座らされた。
「ルアン?」
真正面から真顔で見つめられて対処に困る。
「なあ?」
「……っ、するだろ普通。俺に関わることなんだから」
文句あっか! と睨む俺に破願したウイルは、今度は急に起きあがって俺を驚かせた。
「びっくりさせんな、ばか!」
「大丈夫。落としたりしないよ」
ウィルの言う通り、しっかり背中を支えられ、傾きかけた体もウィルの腕の中に収まっている。
「私は本当にルアンが大事なんだ。君に害を成そうとするものは、たとえ高貴な相手でも絶対に許さない」
力強く抱きしめられ、臆面も無く俺が特別だと言われて心臓がまたうるさくなりはじめた。まるで病気みたいに……。
なぜだか認めたくないけど、嫌な気分ではなかった。
「え?」
ウィルは俺の背中に両手を差し込み、ベッドの奥の方に体をずらしたあと、空いたスペースに寝転んだ。そして今度は俺の体を自分の上に乗っけやがった。
「おい」
「うん? 温かくていいだろ」
おろす気はないようで、ウィルは腕を、俺の腹辺りで交差した。
「お前な……」
腕の力がギュッと強くなった。
はあっ。
文句を言っても知らんふりか。最近こういう風に密着するとなんだか変な気分になるんだけど、まあ……いいか。
「――き、今日のお披露目パーティーって、どんな感じだったんだよ」
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「ふうん。で、やっぱりきれいな人だったのか? 癒しの力は見た?」
「んー、きれいというか可愛らしい子だったな。癒しの力は見てないが、頭痛を治したとか言っていたぞ」
「へえ」
俺も持っているのがそんな力だったら、迫害されずにすんだのかな。
「ルアン」
「おわっ」
俺の両脇に手を突っ込んだウィルは、俺の体をズリズリと上に引き上げた。
頭のてっぺんを、顎でぐりぐりしている。
「何やってんだ」
「なあ、ルアン」
無視しやがった。……別に痛くないからいいけど。
「なんだよ」
「今度聖女のパレードがあるだろう?」
「そうなんだってな」
「ああ。その際警備の打合せとかもあって、普段あまり関わらない近衛師団や王太子らと打ち合わせを設けることになっているんだ。その際機会があれば、今の忌み子政策をどう思うか聞いてみようと思っている」
「そんなことをして大丈夫なのか?」
振り向き顔を上げるとウィルと目が合った。一瞬見開かれたそれは、すぐに柔らかく細まった。
「工夫するさ。あからさまに聞いたりしないよ」
「ならいいけどさ」
「心配してくれるのか!」
「おわっ!」
体が宙に浮いて、ウィルと真正面になるように彼の腹に座らされた。
「ルアン?」
真正面から真顔で見つめられて対処に困る。
「なあ?」
「……っ、するだろ普通。俺に関わることなんだから」
文句あっか! と睨む俺に破願したウイルは、今度は急に起きあがって俺を驚かせた。
「びっくりさせんな、ばか!」
「大丈夫。落としたりしないよ」
ウィルの言う通り、しっかり背中を支えられ、傾きかけた体もウィルの腕の中に収まっている。
「私は本当にルアンが大事なんだ。君に害を成そうとするものは、たとえ高貴な相手でも絶対に許さない」
力強く抱きしめられ、臆面も無く俺が特別だと言われて心臓がまたうるさくなりはじめた。まるで病気みたいに……。
なぜだか認めたくないけど、嫌な気分ではなかった。
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