幼児化した闇魔術士は聖騎士に溺愛される

くるむ

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第三章

家族ってこんな感じ?

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 鳥のさえずりと明るくなった気配で目が覚めた。俺の体はがっしりとウィルに抱きしめられていて、そんなことに安心している自分に気が付いて自嘲の笑みがこぼれた。

 こんな気持ちになるなんてな……。

 俺は家族の愛情なんて受けずに育ったから、家族に対する気持ちなんてわからなかったけど……。家族って、こんな風に一緒に居ると安心できてうれしくて心が落ち着くものだったんだな。
 でも……ときどきもやもやしたり、逆にそわそわというか落ち着かない時もあるから、やっぱりよくわかんないや。
 そういえば同じ家族でも、リースやマーサたちにはありがとうって気持ちとか嬉しいって言う気持ちだけだ。ウィルと違って、彼女らは使用人だからだろうか。

 ウィルが身じろぎし、俺の体も左右に揺れた。それから数秒後、俺を抱きしめている腕の力が弱まり、ウィルが目線を下げて俺の顔を覗き込んだ。
「おはよう。……起きてたんだな」
 寝ぼけた声だ。あくびを噛み殺している。

「……はよ。今さっきだよ」
「そうか……」
 ウィルは一旦離した俺の体をまたぎゅーっと抱きしめた。
「おい、ちょっと」
「充電完了」

 パッと体を離したウィルは、そのままベッドから降りた。
「起きるか?」
「うん」
「あっ、そうだ」
 ん?
 部屋を出ようとした足を止めて、ウィルはくるりと振り返った。

「マーサたちにはルアンの成長は何が起こったのかわからないと言ってある。もしかしたら特殊な魔力があるのかもしれないと言って、誤魔化しておいた。もちろん口止めも込みでな」

「あー、悪い。だけどそんな理由で誤魔化されてくれたのか?」
「ああ。黒髪黒い瞳には、強大な魔力が宿っていることは、みんなが知っていることだから」

 そういう突拍子もない理由でも納得してもらえるものなのか? こういう時は便利かもしれないけど、複雑な気持ちだ。

「魔法が使えない者にとっては、それ自体が不思議なものなんだよ」
 困り顔で、ウィルは言葉を付け足した。
 顔に出てたか。気を遣わせちまったな。

 コンコン。
「失礼します。起きていらっしゃいますか?」
「リースか、入ってくれ」
「失礼します」

 入ってきたリースは俺を見て、ほうっとため息を吐いた。

「本当に少しお兄ちゃんになってるんですね。昨日見たときはびっくりしましたけど、お体は大丈夫ですか?」
「う、うん。大丈夫だよ」
「そうですか、良かったです。では、お支度しましょうね」

 優しく微笑むリースにほっとした。そんな俺たちを見て表情を和らげたウィルは、リースに「頼むよ」と言って部屋を出て行った。
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