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第四章
私のためにありがとうございます
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いよいよ明日は聖女のパレードだ。
現地確認を何度もしてきたが、だからといってそれで万全だとは言い切れない。万が一聖女が襲われた時、どう連携をとるべきかといくつもの事態を想定して話し合った。
コンコン、と遠慮がちなノック音がした。ドア近くにいたカールが、ドアを開けた。振り返ったその顔は嬉しそうだ。
「団長、聖女様がいらっしゃいました」
「えっ?」
聖女の護衛騎士のピーターとダンが顔を出した。その後ろにライトブラウンの髪が見え隠れする。
「忙しいところすまない。ナターシャ様が、君たちに礼を言いたいというので」
「礼?」
「はい!」
聖女が2人の後ろからひょこっと顔を出した。
「カール、中にお通しして」
「あ、はい。すみません!」
カールが慌ててドアを大きく開けた。だが、3人とも入ってくる気配はない。
「今日は皆さんお忙しいでしょう。ですから、こちらで大丈夫です」
にっこりと微笑む表情に、みんなの目が釘付けになる。
「お仕事とは言え、皆様私のために貴重な時間を割いていただきありがとうございます。明日はどうかよろしくお願いいたします」
深々と頭を下げる聖女に、みんな弾かれたように彼女の傍に駆け寄った。
「頭を上げてください聖女様! 僕たちは当然のことをしているだけです」
「そうですよ、僕らは聖女さまをお守りできることを誇りに思っています」
「皆様……」
聖女は感激したかのように両手を胸の前で組んだ。
「皆様ありがとうございます。修行もまだまだ道半ばですけど、私期待に応えられるよう、精一杯頑張ります」
聖女が毎日祈りを捧げ、奉仕活動にも意欲的なことは聞いていた。さすが聖女様だと、みんなの評判は変わらず良いものだ。
「ナターシャ様の頑張りはこちらまで届いております。あまり無理をなさらず、ご自分の体もちゃんといたわってくださいね」
労いの言葉をかけると、聖女は嬉しそうに私を見上げた。
「ありがとうございます! 団長様……本当にお優しいですね」
「いやいや、みんなそう思っていますよ」
「あっ、もちろん皆様優しくて頼もしい方ばかりですけど……、団長様はその、その中でも際立って素敵な方だと思います!」
頬を染めて、意を決して言いましたといったような表情に、みんなの顔が驚きに変わり聖女から私の方へと視線を移した。私も一瞬呆けて固まってしまったが……。
部下にはそんな驚いた顔をするなと視線で咎め、
「買いかぶられておられるようですが……、ありがとうございます。これからも精進します」
笑顔でそう答えると、 ピーターとダンは察したように、「それではそろそろ、近衛師団のほうにも挨拶に参りましょうか」と聖女に声をかけた。
「……そうですわね。みなさま、お忙しいところ失礼しました」
聖女は瞳を潤わせて私を一瞬じっと見た後、ピーター達に促されて部屋を出て行った。
現地確認を何度もしてきたが、だからといってそれで万全だとは言い切れない。万が一聖女が襲われた時、どう連携をとるべきかといくつもの事態を想定して話し合った。
コンコン、と遠慮がちなノック音がした。ドア近くにいたカールが、ドアを開けた。振り返ったその顔は嬉しそうだ。
「団長、聖女様がいらっしゃいました」
「えっ?」
聖女の護衛騎士のピーターとダンが顔を出した。その後ろにライトブラウンの髪が見え隠れする。
「忙しいところすまない。ナターシャ様が、君たちに礼を言いたいというので」
「礼?」
「はい!」
聖女が2人の後ろからひょこっと顔を出した。
「カール、中にお通しして」
「あ、はい。すみません!」
カールが慌ててドアを大きく開けた。だが、3人とも入ってくる気配はない。
「今日は皆さんお忙しいでしょう。ですから、こちらで大丈夫です」
にっこりと微笑む表情に、みんなの目が釘付けになる。
「お仕事とは言え、皆様私のために貴重な時間を割いていただきありがとうございます。明日はどうかよろしくお願いいたします」
深々と頭を下げる聖女に、みんな弾かれたように彼女の傍に駆け寄った。
「頭を上げてください聖女様! 僕たちは当然のことをしているだけです」
「そうですよ、僕らは聖女さまをお守りできることを誇りに思っています」
「皆様……」
聖女は感激したかのように両手を胸の前で組んだ。
「皆様ありがとうございます。修行もまだまだ道半ばですけど、私期待に応えられるよう、精一杯頑張ります」
聖女が毎日祈りを捧げ、奉仕活動にも意欲的なことは聞いていた。さすが聖女様だと、みんなの評判は変わらず良いものだ。
「ナターシャ様の頑張りはこちらまで届いております。あまり無理をなさらず、ご自分の体もちゃんといたわってくださいね」
労いの言葉をかけると、聖女は嬉しそうに私を見上げた。
「ありがとうございます! 団長様……本当にお優しいですね」
「いやいや、みんなそう思っていますよ」
「あっ、もちろん皆様優しくて頼もしい方ばかりですけど……、団長様はその、その中でも際立って素敵な方だと思います!」
頬を染めて、意を決して言いましたといったような表情に、みんなの顔が驚きに変わり聖女から私の方へと視線を移した。私も一瞬呆けて固まってしまったが……。
部下にはそんな驚いた顔をするなと視線で咎め、
「買いかぶられておられるようですが……、ありがとうございます。これからも精進します」
笑顔でそう答えると、 ピーターとダンは察したように、「それではそろそろ、近衛師団のほうにも挨拶に参りましょうか」と聖女に声をかけた。
「……そうですわね。みなさま、お忙しいところ失礼しました」
聖女は瞳を潤わせて私を一瞬じっと見た後、ピーター達に促されて部屋を出て行った。
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