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第四章
だいじなものは
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ドアが閉まった後、ニールはあからさまなため息をついて私を見た。
「団長、もうちょっと愛想良くしてあげないとかわいそうだぞ」
「何を言っている。思わせぶりな返事をする方がよほど失礼じゃないか」
苦々しい思いでそう言うと、ニールは目を見開いた。
「えっ、あ、聖女の気持ちに気づいてはいたんだ」
なんだ? 私はそんなに鈍感に見えるのか?
「……多少好意を抱かれているようだというのは、私でもわかる。どのくらいの思いを抱いてくれているのかはわからないが、こちらにその気が無い以上、気のある真似をするのは良くないだろう」
「団長……」
「たとえ聖女様でなかったとしても、あんなにきれいで可愛くて素敵な女性なのに」
団員たちが眉を下げて私を見ている。
……その残念なモノを見るような目つきはやめろ。好みは人それぞれだ。
コホンとわざとらしく咳払いをして見せた。
「――ところで君たち、明日はその大事な聖女様のパレードだ。気を抜かずに明日に備えるぞ」
「はいっ!」
私が言うのもなんだが、彼らは仕事熱心な精鋭部隊だ。オンオフの切り替えは素早く瞬時に真剣な表情に変わった。
さっきまでのくだけた雰囲気は消え、地図を広げたテーブルへと戻り、赤く印のついた死角の場所を重点的にいろんな角度からシミュレーションを始めた。
屋敷に戻ったのはいつもより遅い時間だった。イアンのぽてぽて歩きと『お帰りなさい』の声を聞きたかったが、もうベッドに入った後だった。
そっと覗くと、静かな寝息が聞こえてきたのでもう寝ているようだ。
気持ち良さそうに寝ているのに私のわがままで起こすわけにはいかないので、部屋を出て食事をし、風呂を済ませてから再度イアンの部屋を訪れた。
イアンを起こさないように小さな明かりを魔法で灯し、可愛い寝顔を拝む。それから起こさないようにそっとベッドに乗っかりイアンの横に潜り込んだ。
「んう……」
イアンの口から小さな声が漏れた。起こしてしまったか?
そっと覗き込むも、イアンの口からはまた穏やかな寝息しか聞こえなくなっていた。
起こしてしまわなかったことにほっとしたが、それでも残念な気持ちの方が上回っているかもしれない。
「勝手だな……」
薄く笑って、イアンを起こさないようにそっと腕を回した。
「団長、もうちょっと愛想良くしてあげないとかわいそうだぞ」
「何を言っている。思わせぶりな返事をする方がよほど失礼じゃないか」
苦々しい思いでそう言うと、ニールは目を見開いた。
「えっ、あ、聖女の気持ちに気づいてはいたんだ」
なんだ? 私はそんなに鈍感に見えるのか?
「……多少好意を抱かれているようだというのは、私でもわかる。どのくらいの思いを抱いてくれているのかはわからないが、こちらにその気が無い以上、気のある真似をするのは良くないだろう」
「団長……」
「たとえ聖女様でなかったとしても、あんなにきれいで可愛くて素敵な女性なのに」
団員たちが眉を下げて私を見ている。
……その残念なモノを見るような目つきはやめろ。好みは人それぞれだ。
コホンとわざとらしく咳払いをして見せた。
「――ところで君たち、明日はその大事な聖女様のパレードだ。気を抜かずに明日に備えるぞ」
「はいっ!」
私が言うのもなんだが、彼らは仕事熱心な精鋭部隊だ。オンオフの切り替えは素早く瞬時に真剣な表情に変わった。
さっきまでのくだけた雰囲気は消え、地図を広げたテーブルへと戻り、赤く印のついた死角の場所を重点的にいろんな角度からシミュレーションを始めた。
屋敷に戻ったのはいつもより遅い時間だった。イアンのぽてぽて歩きと『お帰りなさい』の声を聞きたかったが、もうベッドに入った後だった。
そっと覗くと、静かな寝息が聞こえてきたのでもう寝ているようだ。
気持ち良さそうに寝ているのに私のわがままで起こすわけにはいかないので、部屋を出て食事をし、風呂を済ませてから再度イアンの部屋を訪れた。
イアンを起こさないように小さな明かりを魔法で灯し、可愛い寝顔を拝む。それから起こさないようにそっとベッドに乗っかりイアンの横に潜り込んだ。
「んう……」
イアンの口から小さな声が漏れた。起こしてしまったか?
そっと覗き込むも、イアンの口からはまた穏やかな寝息しか聞こえなくなっていた。
起こしてしまわなかったことにほっとしたが、それでも残念な気持ちの方が上回っているかもしれない。
「勝手だな……」
薄く笑って、イアンを起こさないようにそっと腕を回した。
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