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第四章
腐男子の性なんだよ……
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お昼休みは、いつものように学食へと向かった。今日は皆一斉に食堂へと向かうので、駿介へ挨拶をしたりチラチラと盗み見をする奴らが大勢いた。
あんまり気分の良いものじゃないけどな。……ん?
大勢の中に隠れるように、二人の世界に入っている奴らがいる!
背の高い方が、低い奴のお尻をこっそり揉んでいるぞっ! 揉まれている方はプルプル震えて、目を潤ませている!
ふひゃーっ!
さすがBL小説の世界! そこかしこに萌えが転がっている。
……っと、いけない。
駿介といる時は、控えるって決めたんだ。
吸いついて離れようとしない俺の両眼を力業で引き離し、後ろ髪を引かれながらも前を向いた。
ごった返す食堂に着いて、メニューを見ながら良介が聞いた。
「何食う?」
「やっぱり今日はこれだろ?」
そう言って青島が、トンカツを選んだ。
「お、それいいな。じゃあ、俺は ――」
駿介が選んだのはカツカレーだった。これにはミニサラダが付いている。
……どちらも有りだな。
迷った時は――。
「じゃあ俺は駿介と一緒」
「仲良しさんだな。迷った時は駿介頼みか?」
「いいだろー? 別に」
本当に青島は、歯に衣着せない奴だよな。
「良介何にする?」
「そうだなあ」
剥れる俺の横から、ちょっぴり甘えた感じの樹の可愛い声が聞こえて来た。
チラリと後を窺うと、二人がピッタリくっついてメニューを見あっている。さりげなく樹の腰に回された手もさることながら、ちゃっかりと甘えてもたれ掛かる樹が可愛い。
ひゃあーっ♪
思わず興奮して駿介の腕を握った。
「何だ、どうした?」
ハッ! ヤバッ!
「な、何でもないよ。……そう、その、ちょっと牽制を……」
「ええっ?」
「え……、だって皆駿介に絡みたがってんじゃん」
「――――」
「……何?」
「……いや、ちょっとまあ、嬉しかっただけだ」
「…………」
ほんのちょっぴり罪悪感。
まるっきり嘘とは言わないけれど、やっぱりどうしても男同士がイチャイチャしてたら、駿介がたとえ傍にいてもそいつらの方が俺は気になっちゃうんだ。
抑えなきゃ、抑えなきゃと思えば思う程、俺の覗き見欲求は膨らんでいた。
あんまり気分の良いものじゃないけどな。……ん?
大勢の中に隠れるように、二人の世界に入っている奴らがいる!
背の高い方が、低い奴のお尻をこっそり揉んでいるぞっ! 揉まれている方はプルプル震えて、目を潤ませている!
ふひゃーっ!
さすがBL小説の世界! そこかしこに萌えが転がっている。
……っと、いけない。
駿介といる時は、控えるって決めたんだ。
吸いついて離れようとしない俺の両眼を力業で引き離し、後ろ髪を引かれながらも前を向いた。
ごった返す食堂に着いて、メニューを見ながら良介が聞いた。
「何食う?」
「やっぱり今日はこれだろ?」
そう言って青島が、トンカツを選んだ。
「お、それいいな。じゃあ、俺は ――」
駿介が選んだのはカツカレーだった。これにはミニサラダが付いている。
……どちらも有りだな。
迷った時は――。
「じゃあ俺は駿介と一緒」
「仲良しさんだな。迷った時は駿介頼みか?」
「いいだろー? 別に」
本当に青島は、歯に衣着せない奴だよな。
「良介何にする?」
「そうだなあ」
剥れる俺の横から、ちょっぴり甘えた感じの樹の可愛い声が聞こえて来た。
チラリと後を窺うと、二人がピッタリくっついてメニューを見あっている。さりげなく樹の腰に回された手もさることながら、ちゃっかりと甘えてもたれ掛かる樹が可愛い。
ひゃあーっ♪
思わず興奮して駿介の腕を握った。
「何だ、どうした?」
ハッ! ヤバッ!
「な、何でもないよ。……そう、その、ちょっと牽制を……」
「ええっ?」
「え……、だって皆駿介に絡みたがってんじゃん」
「――――」
「……何?」
「……いや、ちょっとまあ、嬉しかっただけだ」
「…………」
ほんのちょっぴり罪悪感。
まるっきり嘘とは言わないけれど、やっぱりどうしても男同士がイチャイチャしてたら、駿介がたとえ傍にいてもそいつらの方が俺は気になっちゃうんだ。
抑えなきゃ、抑えなきゃと思えば思う程、俺の覗き見欲求は膨らんでいた。
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