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俺を見て?
モデルの依頼2
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「だってー、同好会費5,000円しかないんでしょ? バイトで増やしたら旅費が増やせるじゃん」
嬉しそうに拳を握り、はしゃぐ千佳。
…ああ、なるほどね。プチ旅行に目が奪われてるわけだ…。
千佳らしいと言えば千佳らしいけど。
「お前な、剛先輩が聞いたら泣くぞ?」
呆れたように礼人が言う。
いや、泣くと言うより怒ると思う。
「それに、同好会はどうするんだよ。今日から始める約束だろ」
「そうだよ。やりたきゃ一人でやれ。水を巻き込むんじゃねーよ」
「え~? ヤダよ、一人なんて。退屈じゃん」
「お金、出してもらうように交渉する! もちろん白石の分も! …1時間ずつの3日でいいから!」
途中で陸の足がまた出て来たけど、それを察知していたのか町田はひょいっと陸をかわした。
自分の蹴りが空を切ったのに腹を立てたのか、陸は町田を追いかけてとび蹴りを食らわしている。
いくらなんでも、それには焦る。
「ちょっと、陸!」
慌てて追いかけて止めようとしたところを礼人に制された。
「おい、おいクロ! いい加減にしろー」
礼人が凄い勢いで走って行き、陸の事を後ろから羽交い絞めにしている。
少し揉めているようにも見えたが、礼人が何かを陸に囁いた事で、陸が急に大人しくなった。
…なに言ったんだろ。
気になりながら彼らを見ていると、千佳にポンと肩を叩かれハッとする。
「ごめんねー。巻き込んじゃうようなこと言って」
「悪いと思ってるなら断ってくれよ。旅費なんて少しくらい自腹でも良いだろ?」
「えぇ~? 何が嫌なのか俺には分かんないなぁ。だってさ、一時間黙って突っ立ってるだけでお金もらえるんだよ? それで先輩やみんなと楽しめるんなら、やらなきゃ損じゃん」
「…でも、みんなにじろじろ見られるんだろ? 俺そういうの苦手だし…」
「大丈夫! 隣には俺がいるし。それに、絶対クロもそばにいてくれるよ? 嫉妬にまみれたクロって、俺個人的には好きなんだけどなー。クロの唯一人間らしいトコだもんね」
「…え?」
考えも及ばなかった事を千佳に言われて、トクンと心臓が音を放った。
「そ、んな…。ありえないよ…。剛先輩とは、違うもの」
トクン。トクン。トクン。
好きだと言ってくれた、あのままの気持ちの陸だったら、ある、かもしれない。
どうしよう…。
千佳の言葉に触発されて、少し、俺の心も揺らぎ始めてしまっていた。
嬉しそうに拳を握り、はしゃぐ千佳。
…ああ、なるほどね。プチ旅行に目が奪われてるわけだ…。
千佳らしいと言えば千佳らしいけど。
「お前な、剛先輩が聞いたら泣くぞ?」
呆れたように礼人が言う。
いや、泣くと言うより怒ると思う。
「それに、同好会はどうするんだよ。今日から始める約束だろ」
「そうだよ。やりたきゃ一人でやれ。水を巻き込むんじゃねーよ」
「え~? ヤダよ、一人なんて。退屈じゃん」
「お金、出してもらうように交渉する! もちろん白石の分も! …1時間ずつの3日でいいから!」
途中で陸の足がまた出て来たけど、それを察知していたのか町田はひょいっと陸をかわした。
自分の蹴りが空を切ったのに腹を立てたのか、陸は町田を追いかけてとび蹴りを食らわしている。
いくらなんでも、それには焦る。
「ちょっと、陸!」
慌てて追いかけて止めようとしたところを礼人に制された。
「おい、おいクロ! いい加減にしろー」
礼人が凄い勢いで走って行き、陸の事を後ろから羽交い絞めにしている。
少し揉めているようにも見えたが、礼人が何かを陸に囁いた事で、陸が急に大人しくなった。
…なに言ったんだろ。
気になりながら彼らを見ていると、千佳にポンと肩を叩かれハッとする。
「ごめんねー。巻き込んじゃうようなこと言って」
「悪いと思ってるなら断ってくれよ。旅費なんて少しくらい自腹でも良いだろ?」
「えぇ~? 何が嫌なのか俺には分かんないなぁ。だってさ、一時間黙って突っ立ってるだけでお金もらえるんだよ? それで先輩やみんなと楽しめるんなら、やらなきゃ損じゃん」
「…でも、みんなにじろじろ見られるんだろ? 俺そういうの苦手だし…」
「大丈夫! 隣には俺がいるし。それに、絶対クロもそばにいてくれるよ? 嫉妬にまみれたクロって、俺個人的には好きなんだけどなー。クロの唯一人間らしいトコだもんね」
「…え?」
考えも及ばなかった事を千佳に言われて、トクンと心臓が音を放った。
「そ、んな…。ありえないよ…。剛先輩とは、違うもの」
トクン。トクン。トクン。
好きだと言ってくれた、あのままの気持ちの陸だったら、ある、かもしれない。
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千佳の言葉に触発されて、少し、俺の心も揺らぎ始めてしまっていた。
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