冤罪をかけられた聖女見習いは同情して助けてくれたイケメン騎士と楽しく暮らす

くるむ

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君は――

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「それじゃ、おやすみなさい」
「おやすみ」

 ベッドに入って目を閉じた。ちょっとまだドキドキしてるけど、そのことに関してはあまり考えないようにする。

 そうだ、明日は起きたら自分の髪色を変えないといけないんだ。
 どんな髪色にしようか、やっぱりダークブラウンかな。前からちょっと憧れていた髪色だ。
 今の私よりもちょっと大人っぽく見えて、しっかりしているように見えるかもしれない。そしたら今よりもっと言いたいことが言えるんじゃないかしら。

 あー、寝てるうちにダークブラウンの髪になってくれたら楽なんだけどなあ……。

 …………。



「えっ? ココ!?」
「へっ? はぇっ?」

 突然大声で名前を呼ばれて目が覚めた。アルバート様がびっくりした表情で私を見ている。外はもう明るい。どうやら朝になったらしい。

「……どうしたんですか? 何かありました?」
 自分の質問に自分でハッとしてがばっと飛び起きた。

「もしかして捜索隊ですか?」
「いやごめん、そうじゃなくて。髪色が急に変わってたからびっくりして。夕べ寝る前に変えたんだ?」

「いいえ、まだ……えっ?」

 慌てて鏡の前に立つと確かに髪色は変っていた。私が希望していたダークブラウンだ。

「本当に変わってます。……びっくりした」
「えっ? ということは、何もしてないのに勝手に変わったってこと?」
「……あー、えっと、寝る前に、寝てる間に勝手に髪色変わったらいいなーと思いはしたんですけれど……」

 アルバート様は一瞬ポカンとした表情になった。そして笑顔へと崩れていく。

「すごいなー、ココは……。なあ、ココ」
「はい」
「俺は君の護衛騎士だ。だからこれから君がしたいと思うことを全力で助ける。無理だろうと思うことがあったとしてもちゃんと俺に相談してくれよ」

「アルバート様……」
「たぶんこれからは君が意識しないうちに、能力がどんどん上がっていくんじゃないかと思う。そして自分が知らないうちに誰かの助けになるかもしれない。君はきっと見習いなんかじゃなく聖女になるべき人だ」

 『はい』と返事をするのもおこがましい。だけどアルバート様は真剣にそう思ってくださっているのだ、だから私も「頑張ります」と返事をした。
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