EARTH STRIDER 〔アースストライダー〕

とと

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第1章〔地球編〕

past1 運命の出会い

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一九七七年五月。

「龍神さま、お考えを改めたほうが……」

私はこの人何を言っても無駄だと理解しながらも助言した。

私は不死鳥フェニックスモデルの全身赤く光るWEGSウェグスアースフィール。相棒は背中まで伸びた長髪を首もとで束ねている185センチの長身の25歳になる、私の目の前にいる男だ。

理不尽でぶっきらぼうで俺様主義で、とても頭が弱くとても頭が弱い、ハッキリ言えば、バカである。

名を那賀龍神。相棒であるはずなのに私は那賀龍神を呼ぶ時、さま付けしなければならない。要はこの人が先程も述べたように、俺様主義で私にそう呼ぶように命令したからだ。

「何を言ってんだか……、さっきも言ったけど、ここに俺の輝ける未来があるんだぜ」

瞳を輝かせ龍神は、目の前のビルのような建物に大きな期待を求めている。

眼前にそびえ建つ白く巨体な鋼鉄のビル。高さ三十階位のビルひとつ。廻りはビルを囲む広大な運動場に花畑や遊具の数々。更にそれらを守る高さ三十メートルはある鋼鉄の外壁。遠くから見れば、ここは小学校と呼ぶよりも要塞にしか見えない。

更に言えば、この小学校は一学年の為だけに造られた校舎なのだ。

日本の各地にも同じように六つの小学校があり、一年生、二年生、三年生と区切られているのだ。

この愛知県の小等学校は今年入学した一年生であり、校門には〔日本能力小等学校一年〕と記されていた。

ここで今、一年生の子供達は六年間、四六時中生活し、学びに励む。

前置きはさておき、私と相棒はこのビルのような校舎の前に降り、那賀龍神は今にも校舎の中に入ろうとしている。

「じゃ、行って来る」

「ちょっと、待ってください!ここが何処か解っているのですか?ここは小学校ですよ」

……と、私が言っている最中に硝子の大きな扉を開けて中に入って行った。多分、ここが何処か解っているのですか?の辺りで消えたので、小学校とは気づいてない。

「絶対にあの人、帰って来るなり「おめぇが止めねぇから、俺が恥を描いたじゃねえか!」って当たり散らす」

私は誰もいない場所で思考回路に思ったことを言葉にした。

理不尽な彼の行動は目に見えている。思い切り私のボディを素手で殴り、素手だから痛がり、罵声を浴びせる。

私は泣くことや怒る感情はないが、きっと今、泣けるなら泣きたい気持ちなんだろう。

「仕方ない、私も着いて行くか」

私の体長三メートルなのだが、この格好では校舎の中は狭く身動きが限られてしまう。私は身動きできるように機械の頭部を切り離し、私の鋼鉄の頭部を浮遊させ、そのまま、那賀龍神を追った。


「誰かいませんか!ここで働きたいんすけど!」

那賀龍神は勝手に校舎の中に入り、辺りを見回しながら、声を大にしながら呼んだ。

廊下に階段は当たり前に存在し、何らかの部屋の扉が一階だけでもざっと十はある。外見とは違い中は
、鋼鉄の赤い鳥頭だけの私でも自由に動ける広さだ。

那賀龍神がゆっくりと歩いていると、那賀龍神の後ろの階段下の物陰から何かが動く。

私はその動いた物体に集中する。子供だ。小さな男の子が声を潜め、ゆっくりと物音をたてないように、両手を合わせ両人差し指を立て、那賀龍神の背後へ近付く。その瞬間!

「うお~~っ!喰らえ!かんちょ~~っ!」

男の子の両人差し指は寸分狂わず那賀龍神のお尻の○へと突き刺さった。

「ぎゃあああ!痛ぁあぁ~~っ!」

那賀龍神の今までに聞いた事のない悲鳴を聞き、私に感情があるならば、きっと大声を上げ笑っていただろう。それほどに今の突然の現象は、最近の私の中で一番の衝撃だった。少年よ、よくやった。ありがとう。

「誰だっ!ゴルァァアアっ!!」

那賀龍神が振り向き様、今までに見たこともない怒りの表情を見せた。今の表情も見たことがなく、私は笑えるものなら笑いたいと思考回路が認識した。

「……えっ!こ、子供?」

那賀龍神は自分のお尻に攻撃した犯人を見て拍子抜けした。

「おじちゃん、ワルもんだろ」

ボサボサの寝癖頭の少年が真顔で質問した。おそらくこの小学校の生徒の一人だろう。

「はあ~ん?俺が、ワルもん?それにおじちゃんじゃねぇ、お兄さんだ」

那賀龍神は男子児童の発言に対し、軽く溜息をはき、児童をあしらい奥へと歩きはじめた。

「喰らえ~っ!ワルもん!かんちょ「鬱陶しいわ!」

男子児童の更なる攻撃を那賀龍神は、児童の身長を軽く跨ぎながら、今度は簡単に交わした。

「ガキは母ちゃんとこに帰れよ」

「母ちゃんなんていねぇわい」

那賀龍神の発言に児童はすぐに返答をし、また那賀龍神に攻撃をした。

「じゃあ、父ちゃんのとこに帰れ」

「いないわ~っ!喰らえ、ワルもん!」

児童の攻撃を難なく返し、那賀龍神は腰を折り、迫る児童の額に手を当て制止させた。

「いないって、独りか?」

「違うわい!オレ含めて三十人の友達が居るんだ」

児童の発言に那賀龍神は少しだけ驚きの表情を見せた。と言うか、この小学校では四六時中、児童達は生活をしているのだから当たり前の事であり、ここが何かを知らないで、驚きの表情を見せる那賀龍神に問題がある。

「どうかしました?」

突然、階段の上の方から女性の声が響いた。

見上げれば那賀龍神と同じか、それよりも下の年齢の美しい女性が那賀龍神を見つめていた。

その女性と那賀龍神にちょっかいをかけた男子児童は、後に那賀龍神の運命を大きく変える出会いだった。
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