19 / 54
第1章〔地球編〕
11.仙道の能力
しおりを挟む
キアトは左手を地面へとかざして集中した。
磁気能力。キアトは磁気を使い鉄を操る力を持っているんだ。
キアトの左手に砂鉄が形を作り集まってくる。砂鉄の集合体はたちまちに大きな物体になった。
砂鉄の剣。それがキアトの最大の武器。
「大地から剣を作るとは、それにその剣はかなりの重量だろ?」
沖田仙道がキアトの能力を目にし、関心したように答えた。
沖田仙道。二十五歳くらいの青年男性。一見、爽やかそうな男性だけど、ワールド13と呼ばれる世界最強集団の一人。能力は……
「能力以外に体力トレーニングもしているようだね。それもかなり……」
「うるせぇぞ!かかって来ねぇのか?」
仙道さんの余裕にキアトは苛立つ。
「だけど、もったいない。能力を鍛えてない。鍛えてないからそんなムダにデカイ物しか作れない」
「ゴチャゴチャうるせぇんだよ!」
キアトは仙道さんに向かって剣を振り上げた。
仙道さんは軽く右側によける。キアトは大剣を横に振ると、仙道さんは後退し、軸足に力を込めてキアトの腹部へとパンチを浴びせた。キアトは勢いよく後退し腹部の激しい痛みを押さえながら仙道さんを睨んだ。
「くっ、てめえ……」
「ほら、ムダにデカイだけでムダな動きが多いから……」
仙道さんの発言は途中で途切れた。剣歯虎モデルのWEGSバルエースがキアトと仙道さんの間を割ったから……
「それ以上は私が許さない。キアトは私の相棒になる男だ。それに……」
バルエースが仙道さんに言うと、一角白馬モデルの私の相棒のWEGSバージンロードと、天馬モデルのまゆのWEGSヘブンズガールもバルエースへと並んだ。
「名前を忘れた」「言葉を発声できない」「相棒もいない」「「「五十のWEGSは誰も破壊させない」」」
「だとさ、マルク」
WEGS達の考えを仙道さんは半笑いしながら、自分の相棒WEGSマザーウィッチ・マルクへと言った。
「確かに少年一人ならともかく、WEGSの群れに能力を使わないとなると、ムチャだな」
仙道さんはそう答えると、身体全体に力を入れた。
「見せてあげるよ!僕の能力を!」
その宣言に仙道さんの顔が赤くなり、肌から血管が浮き出る。
「変身能力者?」「イケメンが怖くなるよ」
私とまゆが驚愕する。
額から角のような物が二つ浮き上がり、全身が赤くなる。筋肉が盛り上がり、彼の着ている服がパンパンに今にも破けそうになる。
あの姿は間違いなく、日本古来から伝説と呼ばれる怪物……
「鬼変化能力、これが僕の能力だ」
そう、仙道さんは鬼へと変貌した。
「今から新型旧型関係なく、粉微塵に破壊する」
仙道さんがバージンロード達へと突っ込む。
多分この場にいるWEGS全員が束になっても一人の鬼には勝てない。私にはそう感じた。
突然、仙道さんとバージンロード達の間に何かが光り、大地に穴が空いた。
「応戦してくれるのか?マルク。でも必要ないよ」
大地に穴が空いた原因はマザーウィッチ・マルクがビーム光線のような武器を使ったことがすぐに解った。
「僕一人で十分だ……」
仙道さんが一歩踏み出すと、今度はマザーウィッチ・マルクの小さな眼から圧縮された光線が仙道さんの足元先に落ちた。
「何をするんだ、マルク!?」
仙道さんは相棒のマザーウィッチ・マルクが自分を威嚇攻撃していることに気づいた。
【ワタシも反対です!WEGS達を破壊するのは!】
「うるせぇ!クジラ!」
マザーウィッチ・マルクの騒音声にキアトが怒鳴る。
仙道さんは相棒の発言に驚愕し、相棒を見つめた。
「マルク?何を言っているんだ?」
【WEGSを一体でも破壊したり、傷つけたらワタシは貴方様の相棒をやめ、貴方様を道連れ自爆します】
私達人間は耳を押さえてはいるが、もう限界に近い。それほどにマザーウィッチ・マルクの声は公害に近い。それをなんとも思わない仙道さんは本当に怪物だ。
「しかし、違法だよ?マルク……」
【うるさいです!】
「てめえが一番うるせぇんだよ!」
マザーウィッチ・マルク………、マルクの騒音声にキアトがツッコむ。
「………………………」
仙道さんが沈黙する。
「マルク、解ったよ。攻撃はしないから、機嫌なおしてくれ」
「「「はあぁん!?」」」
仙道さんの神妙姿に私達三人は、声を揃えて呆れた。
「おま、お前、今の今までオレ達を殺そうという勢いだったじゃねぇか!」
【解ればよろしいです】
マルクの声にキアトは迷惑そうに耳を押さえた。
「改めてよろしくだ」
「「「はあぁん!?」」」
仙道さんは何もなかったように元の姿に戻り、キアトに握手を求めた。
「あのWEGS達もボクのマルクの中で修理するよ。マルクにはWEGS収納庫も修理場も備えているからね」
「「「はあぁん!?」」」
仙道さんは恥ずかしがることなく言った。
もう、この人はなんなの?
(この人、変な人。まゆはある意味この人恐いよ)
確かに……
(コイツなんなんだ?マジでヤベー奴だ)
確かに……
私達三人は危機は脱したものの何故か、深い溜息を吐いた。
「「「はあ~~!」」」
磁気能力。キアトは磁気を使い鉄を操る力を持っているんだ。
キアトの左手に砂鉄が形を作り集まってくる。砂鉄の集合体はたちまちに大きな物体になった。
砂鉄の剣。それがキアトの最大の武器。
「大地から剣を作るとは、それにその剣はかなりの重量だろ?」
沖田仙道がキアトの能力を目にし、関心したように答えた。
沖田仙道。二十五歳くらいの青年男性。一見、爽やかそうな男性だけど、ワールド13と呼ばれる世界最強集団の一人。能力は……
「能力以外に体力トレーニングもしているようだね。それもかなり……」
「うるせぇぞ!かかって来ねぇのか?」
仙道さんの余裕にキアトは苛立つ。
「だけど、もったいない。能力を鍛えてない。鍛えてないからそんなムダにデカイ物しか作れない」
「ゴチャゴチャうるせぇんだよ!」
キアトは仙道さんに向かって剣を振り上げた。
仙道さんは軽く右側によける。キアトは大剣を横に振ると、仙道さんは後退し、軸足に力を込めてキアトの腹部へとパンチを浴びせた。キアトは勢いよく後退し腹部の激しい痛みを押さえながら仙道さんを睨んだ。
「くっ、てめえ……」
「ほら、ムダにデカイだけでムダな動きが多いから……」
仙道さんの発言は途中で途切れた。剣歯虎モデルのWEGSバルエースがキアトと仙道さんの間を割ったから……
「それ以上は私が許さない。キアトは私の相棒になる男だ。それに……」
バルエースが仙道さんに言うと、一角白馬モデルの私の相棒のWEGSバージンロードと、天馬モデルのまゆのWEGSヘブンズガールもバルエースへと並んだ。
「名前を忘れた」「言葉を発声できない」「相棒もいない」「「「五十のWEGSは誰も破壊させない」」」
「だとさ、マルク」
WEGS達の考えを仙道さんは半笑いしながら、自分の相棒WEGSマザーウィッチ・マルクへと言った。
「確かに少年一人ならともかく、WEGSの群れに能力を使わないとなると、ムチャだな」
仙道さんはそう答えると、身体全体に力を入れた。
「見せてあげるよ!僕の能力を!」
その宣言に仙道さんの顔が赤くなり、肌から血管が浮き出る。
「変身能力者?」「イケメンが怖くなるよ」
私とまゆが驚愕する。
額から角のような物が二つ浮き上がり、全身が赤くなる。筋肉が盛り上がり、彼の着ている服がパンパンに今にも破けそうになる。
あの姿は間違いなく、日本古来から伝説と呼ばれる怪物……
「鬼変化能力、これが僕の能力だ」
そう、仙道さんは鬼へと変貌した。
「今から新型旧型関係なく、粉微塵に破壊する」
仙道さんがバージンロード達へと突っ込む。
多分この場にいるWEGS全員が束になっても一人の鬼には勝てない。私にはそう感じた。
突然、仙道さんとバージンロード達の間に何かが光り、大地に穴が空いた。
「応戦してくれるのか?マルク。でも必要ないよ」
大地に穴が空いた原因はマザーウィッチ・マルクがビーム光線のような武器を使ったことがすぐに解った。
「僕一人で十分だ……」
仙道さんが一歩踏み出すと、今度はマザーウィッチ・マルクの小さな眼から圧縮された光線が仙道さんの足元先に落ちた。
「何をするんだ、マルク!?」
仙道さんは相棒のマザーウィッチ・マルクが自分を威嚇攻撃していることに気づいた。
【ワタシも反対です!WEGS達を破壊するのは!】
「うるせぇ!クジラ!」
マザーウィッチ・マルクの騒音声にキアトが怒鳴る。
仙道さんは相棒の発言に驚愕し、相棒を見つめた。
「マルク?何を言っているんだ?」
【WEGSを一体でも破壊したり、傷つけたらワタシは貴方様の相棒をやめ、貴方様を道連れ自爆します】
私達人間は耳を押さえてはいるが、もう限界に近い。それほどにマザーウィッチ・マルクの声は公害に近い。それをなんとも思わない仙道さんは本当に怪物だ。
「しかし、違法だよ?マルク……」
【うるさいです!】
「てめえが一番うるせぇんだよ!」
マザーウィッチ・マルク………、マルクの騒音声にキアトがツッコむ。
「………………………」
仙道さんが沈黙する。
「マルク、解ったよ。攻撃はしないから、機嫌なおしてくれ」
「「「はあぁん!?」」」
仙道さんの神妙姿に私達三人は、声を揃えて呆れた。
「おま、お前、今の今までオレ達を殺そうという勢いだったじゃねぇか!」
【解ればよろしいです】
マルクの声にキアトは迷惑そうに耳を押さえた。
「改めてよろしくだ」
「「「はあぁん!?」」」
仙道さんは何もなかったように元の姿に戻り、キアトに握手を求めた。
「あのWEGS達もボクのマルクの中で修理するよ。マルクにはWEGS収納庫も修理場も備えているからね」
「「「はあぁん!?」」」
仙道さんは恥ずかしがることなく言った。
もう、この人はなんなの?
(この人、変な人。まゆはある意味この人恐いよ)
確かに……
(コイツなんなんだ?マジでヤベー奴だ)
確かに……
私達三人は危機は脱したものの何故か、深い溜息を吐いた。
「「「はあ~~!」」」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる