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第1章〔地球編〕
past8 那賀龍神の能力
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ここは愛知県能力小等学校一年学校。
私は那賀龍神の相棒の赤く輝く不死鳥モデルのWEGS、アースフィールである。
校舎の造りは大きなビル。校舎の周りは半径一キロに、外敵から守られた百メートルの高さの壁がある。
今、私はその壁の中、つまり校舎の外にいる。他に三十人の児童と那賀龍神が集まり、丁度些細なもめ事に直面していた。
児童達の視線が那賀龍神と一人の少年へと集中する。すでに何人かの生徒が泣き出していた。
原因は一人の少年、大島洋也が那賀龍神の腕に噛みついていたからだ。
ヒロヤの顔は白い狼と変貌し、涙を流しながら全身を奮わせている。明らかに怯え、事故防衛の為に那賀龍神に噛みついているのが解る。
人狼変化能力。ヒロヤの能力は半分人間、半分狼に変化するライカンスロープ能力者だ。
「大丈夫……だ、ヒロヤ……」
那賀龍神が苦痛に顔を歪めながらもヒロヤの頭を撫でながら、笑顔で言った。
「う、ぐぐっ……」
ヒロヤが泣きながら唸る。いくら幼少と言っても那賀龍神の腕から血が流れ落ちる程の顎力。これが成人なら腕がもぎ取られていたかも知れない。
「ヒロヤ……、そろそろ離してくれないか?先生も痛いぞ……」
那賀龍神が優しくヒロヤに言うと、ヒロヤは那賀龍神の顔を一瞬見た。
そして、思い出したかのようにゆっくりと那賀龍神の腕から力を弱めてから離した。
那賀龍神はヒロヤに抱きつく。
「うぐ、うぐ、ぐぐ……」
「よし、もう大丈夫だ!大丈夫だからな!」
「ぐぐ……、お、おいら……、おいらなんも……してねぇのに……、アイツらが……うわああぁぁ~ん!」
ヒロヤは徐々に元の人間の姿に戻ると、いきなり号泣し、那賀龍神はヒロヤの頭を優しく撫でた。
そして、那賀龍神はゆっくり立ちあがり、いじめた少年達を睨み、そして他の児童達を睨んだ。
那賀龍神が明らかに怒っている。その那賀龍神の怒りに何人かの生徒が奮える。
「ちょっ、ちょっと龍神さ、ま?」
私は那賀龍神の態度にまさかと思い、那賀龍神に声をかけた。
「ポンコツ、てめぇは黙っとれっ!!」
那賀龍神が凄むと生徒全員がビクッと身体を奮わせた。
「キアトーッ!おめぇなんでいじめ止めねぇんだ!」
「いや、オレは那賀先生と一緒に居たじゃん……」
おいおい、キアトは関係ないでしょう。キアトの言うとおり先程までキアトのにらめっこの場に居たでしょ?この理不尽大王が……
「おめぇら、なんで誰もいじめを止めない!?」
那賀龍神が他の生徒達に凄む。誰も返事をしない。
「それから、テル、ノリヒコ、レツトの三人!おめぇら、なんでいじめる!?」
那賀龍神がいじめの張本人達を叱る。
「……だって、コイツ変身するんだぜ」
「バケモンに、なっ!」
「そうだ、コイツはワルモンだから、やっつけただけだ!いじめじゃないよ!」
ノリヒコ、レツト、最後にテルが言い訳をする。私は子供の悪気のない返答に、失笑できるならこういう時だと思考した。
「変身?化け物?悪者?……」
那賀龍神が静かに口ずさむ。
まさか……?私は那賀龍神の態度にある思考をする。
「おめぇらは変身して、化け物になったヤツが悪者と言いたいんだな?」
那賀龍神の静かな口調に三人の少年が後退りしながら恐怖感をもった。
まさか、この人が今、考えていることは……?
「なあ、聞いてんだろ!?なあ、おいッ!」
那賀龍神が怒鳴ると三人の少年が顔を引き釣りながら首肯く。
「龍神さま!」
「なら、先生も変身する化け物で悪者だな!」
私の制止を無視し、那賀龍神が凄むと、那賀龍神の周りから突然、蒸気が放たれた。
「やめてください!龍神さま!」
私は慌てて那賀龍神を制止させようと、鋼鉄の翼を拡げた。
生徒達全員が突然放たれた蒸気により、腰を抜かす。
間違いなく那賀龍神は自身の能力を解放しようとしている。
止めなくては!彼の能力は他のストライダーと違い異質過ぎる。力の桁が違い過ぎる。子供達の前であの能力は危険過ぎる。
那賀龍神はそんな私の思考を無視し、みるみるうちに変貌していく。
子供達が恐怖する。
駄目だ。私が那賀龍神の能力を今、止めれば、子供達に被害が出る。
蒸気が薄らぎ、那賀龍神の全身が映されるのに時間はかからなかった。
那賀龍神の姿を目にした生徒達全員が恐怖に怯え、涙する。
恐怖にお漏らしをする生徒も何人かいる。
那賀龍神の姿は左足が青色の龍、右足が赤色の龍、筋肉で盛り上がった左腕は黒色の龍が左肩に、同じように盛り上がった緑色の腕の肩にも龍が、額に龍の角が浮き上がり背中から漆黒の龍の翼が生えていた。
龍人変化能力。那賀龍神は身体に龍を召喚させる能力者であり……、
地球一と呼ばれる最強のアースストライダーである。
よりによって、何故、このような禍禍しい姿を幼い子供達に見せるのか私には理解できない。
場合によっては私の全身を使って那賀龍神を死滅させなければいけない。
私にとり、那賀龍神は良き相棒であり、死刑執行者でもあるのだから……
私は那賀龍神の相棒の赤く輝く不死鳥モデルのWEGS、アースフィールである。
校舎の造りは大きなビル。校舎の周りは半径一キロに、外敵から守られた百メートルの高さの壁がある。
今、私はその壁の中、つまり校舎の外にいる。他に三十人の児童と那賀龍神が集まり、丁度些細なもめ事に直面していた。
児童達の視線が那賀龍神と一人の少年へと集中する。すでに何人かの生徒が泣き出していた。
原因は一人の少年、大島洋也が那賀龍神の腕に噛みついていたからだ。
ヒロヤの顔は白い狼と変貌し、涙を流しながら全身を奮わせている。明らかに怯え、事故防衛の為に那賀龍神に噛みついているのが解る。
人狼変化能力。ヒロヤの能力は半分人間、半分狼に変化するライカンスロープ能力者だ。
「大丈夫……だ、ヒロヤ……」
那賀龍神が苦痛に顔を歪めながらもヒロヤの頭を撫でながら、笑顔で言った。
「う、ぐぐっ……」
ヒロヤが泣きながら唸る。いくら幼少と言っても那賀龍神の腕から血が流れ落ちる程の顎力。これが成人なら腕がもぎ取られていたかも知れない。
「ヒロヤ……、そろそろ離してくれないか?先生も痛いぞ……」
那賀龍神が優しくヒロヤに言うと、ヒロヤは那賀龍神の顔を一瞬見た。
そして、思い出したかのようにゆっくりと那賀龍神の腕から力を弱めてから離した。
那賀龍神はヒロヤに抱きつく。
「うぐ、うぐ、ぐぐ……」
「よし、もう大丈夫だ!大丈夫だからな!」
「ぐぐ……、お、おいら……、おいらなんも……してねぇのに……、アイツらが……うわああぁぁ~ん!」
ヒロヤは徐々に元の人間の姿に戻ると、いきなり号泣し、那賀龍神はヒロヤの頭を優しく撫でた。
そして、那賀龍神はゆっくり立ちあがり、いじめた少年達を睨み、そして他の児童達を睨んだ。
那賀龍神が明らかに怒っている。その那賀龍神の怒りに何人かの生徒が奮える。
「ちょっ、ちょっと龍神さ、ま?」
私は那賀龍神の態度にまさかと思い、那賀龍神に声をかけた。
「ポンコツ、てめぇは黙っとれっ!!」
那賀龍神が凄むと生徒全員がビクッと身体を奮わせた。
「キアトーッ!おめぇなんでいじめ止めねぇんだ!」
「いや、オレは那賀先生と一緒に居たじゃん……」
おいおい、キアトは関係ないでしょう。キアトの言うとおり先程までキアトのにらめっこの場に居たでしょ?この理不尽大王が……
「おめぇら、なんで誰もいじめを止めない!?」
那賀龍神が他の生徒達に凄む。誰も返事をしない。
「それから、テル、ノリヒコ、レツトの三人!おめぇら、なんでいじめる!?」
那賀龍神がいじめの張本人達を叱る。
「……だって、コイツ変身するんだぜ」
「バケモンに、なっ!」
「そうだ、コイツはワルモンだから、やっつけただけだ!いじめじゃないよ!」
ノリヒコ、レツト、最後にテルが言い訳をする。私は子供の悪気のない返答に、失笑できるならこういう時だと思考した。
「変身?化け物?悪者?……」
那賀龍神が静かに口ずさむ。
まさか……?私は那賀龍神の態度にある思考をする。
「おめぇらは変身して、化け物になったヤツが悪者と言いたいんだな?」
那賀龍神の静かな口調に三人の少年が後退りしながら恐怖感をもった。
まさか、この人が今、考えていることは……?
「なあ、聞いてんだろ!?なあ、おいッ!」
那賀龍神が怒鳴ると三人の少年が顔を引き釣りながら首肯く。
「龍神さま!」
「なら、先生も変身する化け物で悪者だな!」
私の制止を無視し、那賀龍神が凄むと、那賀龍神の周りから突然、蒸気が放たれた。
「やめてください!龍神さま!」
私は慌てて那賀龍神を制止させようと、鋼鉄の翼を拡げた。
生徒達全員が突然放たれた蒸気により、腰を抜かす。
間違いなく那賀龍神は自身の能力を解放しようとしている。
止めなくては!彼の能力は他のストライダーと違い異質過ぎる。力の桁が違い過ぎる。子供達の前であの能力は危険過ぎる。
那賀龍神はそんな私の思考を無視し、みるみるうちに変貌していく。
子供達が恐怖する。
駄目だ。私が那賀龍神の能力を今、止めれば、子供達に被害が出る。
蒸気が薄らぎ、那賀龍神の全身が映されるのに時間はかからなかった。
那賀龍神の姿を目にした生徒達全員が恐怖に怯え、涙する。
恐怖にお漏らしをする生徒も何人かいる。
那賀龍神の姿は左足が青色の龍、右足が赤色の龍、筋肉で盛り上がった左腕は黒色の龍が左肩に、同じように盛り上がった緑色の腕の肩にも龍が、額に龍の角が浮き上がり背中から漆黒の龍の翼が生えていた。
龍人変化能力。那賀龍神は身体に龍を召喚させる能力者であり……、
地球一と呼ばれる最強のアースストライダーである。
よりによって、何故、このような禍禍しい姿を幼い子供達に見せるのか私には理解できない。
場合によっては私の全身を使って那賀龍神を死滅させなければいけない。
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