降る雨は空の向こうに

主道 学

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変人

8話

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 隆は家の中で力の湧かない体で時計を見た。午後の6時だ。
 飯の時間だと思い涙を拭いて、昨日の残りの弁当を入れた電子レンジのスイッチを入れようとしたらチャイムがなった。
 頭を二三回叩いて、隆は玄関に向かった。
 相手は花田であった。

「玉江さん。私と同じ占い師を見つけてください。お願いですから元気を出して。そして、この本……」
 切迫した花田は隆の面前に本を開き、
「天の裂け目への行き方は、上下巻あるはずです。私が占い稼業を始めるために、師匠的な人に上巻だけ貰った品物です。この本はきっと本物だと思いますから。どうか……お気を落とさずに……。この本は天空にある天の園。つまりはあの世へ行くための方法が載っています。でも、今私は上巻しか持っていなくて……。でも、私と私の妻が出会った占い師はきっと、今も佐貫にいて下巻を持っているはずなんです。探してみて下さい。こんなことをいうのは変ですが……娘さんが蘇るかも知れません」
 隆はその分厚い本を掴んだ。
「これで……娘に会える……」
 隆はその本を開いて、自然に嗚咽がもれることを気にも留めなかった……。


 次の日 

 隆は花田から貰った本を熟読し、智子に一言も話さずにレンタカーサービスへと電話をし、一台のオートマの軽トラックを借りた。
 まずは、佐貫へ行ってその占い師を探さなくては……。
 隆は自宅から佐貫まで涙が滲んで前が見えにくいが運転をした。
 その占い師は女性らしい。

 車で佐貫まで走行中。自分は何をしているのかと、考える部分を極力噛み砕いた。けれど、頭を突き破っては考えが肥大した。自分は天国へ行こうとしているのだろうか……?そこには、里美がいるのだろうか……?
 佐貫駅が見えて来た。
 周辺にコンビニとマクドナルドが見える。今の時間は人は余りいない時間帯だった。車をロータリーに一旦停めると、エンジンをかけたままで公衆電話を探した。タウンページを探しているのだ。
 マクドナルドの正面には、竜ケ崎線がありその隣に公衆電話がポツンとあった。隆はドアを開け、お目当てのタウンページをかっぱらうと車に戻った。

 エンジンの音も気にせずにタウンページを捲る。あった。女性だけしか受けない占い師はただの一人だけ。駅から少し行ったところのスーパー(フレッスという名だ)の近くの田んぼに家を構えていて、フレッスの駐車場に面して小屋をだして仕事をしているようだ。
 隆はフレッスへと車を飛ばす。

 15分としない時間でフレッスの駐車場にたどり着くと、早速占い師を探した。
 ずんずんと巨漢を進めて、客とおしゃべりムードになっている中年の女性占い師の小屋に入った。
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