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第20話
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3日の猶予がある。
1日は準備に費やそうと思ったが、エレンに捕まった。
「今から買い物へ行けば、明日一番でダンジョンに行ける。勿論私とヘイマンス殿で、だ。」
まだ日が暮れるには早い。
パーティーの共有財産があるので、そのお金で買う事になるらしい。
ポーション等の回復手段を幾つか購入。
装備?そりゃあエレンが決めたのさ。
何ていうの?見た目は普通の服だが、付与が凄いらしく、俺は有無を言わさぬ勢いで着替えさせられた。
生地自体防刃に優れているようで、尚且つ衝撃に滅法強いらしい。
うーん、相反する性能の両立。
そして魔法耐性の付与があるとか。
魔法に強く、防刃に優れ衝撃にも強い。
無敵なのではないだろうか。
そう思ったが全てを防ぐのは無理らしい。
火属性の魔法自体は防ぐ事が出来る。
だが火の熱を防ぐのは無理な上に、物理的に燃えにくいものの燃えない訳ではないらしい。
つまり魔力を元にした火属性自体には耐性があるものの、物理的な火を完全に防ぐ事は出来ないらしい。
燃えにくいそうだが耐熱、耐火ではない所が微妙。
そして中に着る肌着、つまりシャツだがこちらは素材がいい。
肌触りがよく、着心地がいいのだ。
調湿性に優れ、汗をかいても蒸れないそうな。
武器は買わなかったが、その代わり魔力を蓄え、いざという時に引き出せる魔道具を購入した。
指輪だ。
体内に自分由来の魔力が乏しい俺にとって、得難い魔道具だ。
当初俺は自分の魔力を蓄えようとしたが、殆ど魔力がない俺にとってそれは無理に等しく、あっという間に魔力が枯渇し、気を失うという失態を犯した、
で、その時倒れた拍子に地脈と繋がったのだが、まだ指輪が魔力を蓄えようとしていたので、地脈由来の魔力を蓄える事に成功した。
これで何かあった時、精霊達の力を借りたい時、魔力切れになるのを避けられそうだ。
そうそう、少し前に俺の冒険者ランクがDだと触れたと思うが、あくまで冒険者のランクだ。
依頼を達成したり、ギルドに貢献すれば上がる。
だが、個人のレベルはそうではない。
魔物を直接仕留めないと上がらない。
俺は冒険者になってから、主に採取の依頼を受けていた。
なので依頼を達成するにあたり直接の戦闘は発生しない。
それに万が一魔物に遭遇しても精霊が戦ってくれる。
但し、あくまで戦闘をするのは精霊。
いくら俺の魔力をいくら精霊が取り込んでも・・・・正確には俺経由で得られる地脈の魔素。俺経由となる事で精霊が取り込める魔力となる・・・・対価として精霊が俺の為に活動してくれても、俺は直接戦闘をしない。
理不尽だ!と思わなくもないがそう言う仕組みになっているせいで、俺のレベルは未だ1だ。
尤も個人のレベルは自身で開示しない限り相手に知られる事は基本的に無いので、まあ例外は鑑定系のスキルだが、基本パーティーを組んだりする時はあくまで冒険者としてのランクを基準にし、依頼も同じだ。
実績がないのに護衛の依頼を受けられないのはこの仕組みがあるからだ。
依頼を出す側としても冒険者になりたてのFランクに命を預けるのはリスクが多すぎる。
で、俺のパートナーとなったエレンだが、
「レベル?ああ、そう言えば自己申告しないと分からないのだったな。私のレベルは53だ。」
「流石は前衛職だね。俺みたいな精霊にまかせっきりとは大違いだ。」
「レベルが全てではないが、ヘイマンス殿も少しはレベルを上げた方がいいぞ。レベルアップの恩恵は大きい。」
「まあ知っているけれど、今まで精霊で対処できなかった事はないんだ。」
「それでも魔力がアップしたり、運がよければ新たなスキルが得られる。今後は私と行動を共にするのだ、私のバックアップがあれば身の危険を回避しながらレベルアップが出来るはずだ。」
本当は武器を持って魔物と戦うのって苦手だし、怖いんだとはとてもじゃないがエレンには言えないな。
1日は準備に費やそうと思ったが、エレンに捕まった。
「今から買い物へ行けば、明日一番でダンジョンに行ける。勿論私とヘイマンス殿で、だ。」
まだ日が暮れるには早い。
パーティーの共有財産があるので、そのお金で買う事になるらしい。
ポーション等の回復手段を幾つか購入。
装備?そりゃあエレンが決めたのさ。
何ていうの?見た目は普通の服だが、付与が凄いらしく、俺は有無を言わさぬ勢いで着替えさせられた。
生地自体防刃に優れているようで、尚且つ衝撃に滅法強いらしい。
うーん、相反する性能の両立。
そして魔法耐性の付与があるとか。
魔法に強く、防刃に優れ衝撃にも強い。
無敵なのではないだろうか。
そう思ったが全てを防ぐのは無理らしい。
火属性の魔法自体は防ぐ事が出来る。
だが火の熱を防ぐのは無理な上に、物理的に燃えにくいものの燃えない訳ではないらしい。
つまり魔力を元にした火属性自体には耐性があるものの、物理的な火を完全に防ぐ事は出来ないらしい。
燃えにくいそうだが耐熱、耐火ではない所が微妙。
そして中に着る肌着、つまりシャツだがこちらは素材がいい。
肌触りがよく、着心地がいいのだ。
調湿性に優れ、汗をかいても蒸れないそうな。
武器は買わなかったが、その代わり魔力を蓄え、いざという時に引き出せる魔道具を購入した。
指輪だ。
体内に自分由来の魔力が乏しい俺にとって、得難い魔道具だ。
当初俺は自分の魔力を蓄えようとしたが、殆ど魔力がない俺にとってそれは無理に等しく、あっという間に魔力が枯渇し、気を失うという失態を犯した、
で、その時倒れた拍子に地脈と繋がったのだが、まだ指輪が魔力を蓄えようとしていたので、地脈由来の魔力を蓄える事に成功した。
これで何かあった時、精霊達の力を借りたい時、魔力切れになるのを避けられそうだ。
そうそう、少し前に俺の冒険者ランクがDだと触れたと思うが、あくまで冒険者のランクだ。
依頼を達成したり、ギルドに貢献すれば上がる。
だが、個人のレベルはそうではない。
魔物を直接仕留めないと上がらない。
俺は冒険者になってから、主に採取の依頼を受けていた。
なので依頼を達成するにあたり直接の戦闘は発生しない。
それに万が一魔物に遭遇しても精霊が戦ってくれる。
但し、あくまで戦闘をするのは精霊。
いくら俺の魔力をいくら精霊が取り込んでも・・・・正確には俺経由で得られる地脈の魔素。俺経由となる事で精霊が取り込める魔力となる・・・・対価として精霊が俺の為に活動してくれても、俺は直接戦闘をしない。
理不尽だ!と思わなくもないがそう言う仕組みになっているせいで、俺のレベルは未だ1だ。
尤も個人のレベルは自身で開示しない限り相手に知られる事は基本的に無いので、まあ例外は鑑定系のスキルだが、基本パーティーを組んだりする時はあくまで冒険者としてのランクを基準にし、依頼も同じだ。
実績がないのに護衛の依頼を受けられないのはこの仕組みがあるからだ。
依頼を出す側としても冒険者になりたてのFランクに命を預けるのはリスクが多すぎる。
で、俺のパートナーとなったエレンだが、
「レベル?ああ、そう言えば自己申告しないと分からないのだったな。私のレベルは53だ。」
「流石は前衛職だね。俺みたいな精霊にまかせっきりとは大違いだ。」
「レベルが全てではないが、ヘイマンス殿も少しはレベルを上げた方がいいぞ。レベルアップの恩恵は大きい。」
「まあ知っているけれど、今まで精霊で対処できなかった事はないんだ。」
「それでも魔力がアップしたり、運がよければ新たなスキルが得られる。今後は私と行動を共にするのだ、私のバックアップがあれば身の危険を回避しながらレベルアップが出来るはずだ。」
本当は武器を持って魔物と戦うのって苦手だし、怖いんだとはとてもじゃないがエレンには言えないな。
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